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[M&Aは今] (13)香港・華南地域の事業承継

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事業環境の変化

日本の中小企業にとって事業承継は大きな問題となっていますが、同じような状況が香港・中国華南地域でも見られます。日系企業進出の歴史が比較的古い香港華南地域では、70 年代後半から香港経由の中国進出があったと言われます。当初の進出は大企業のほか中小企業のオーナー経営者によって行われ、大企業が布石を打ちブランドを 確立していく一方、技術と同時に小回りの利く中小企業が、おもちゃ、雑貨、衣料品を始め、様々な業種で、香港に貿易機能、華南地域に生産拠点を置いて活発 に創業し、成長させていきました。

しかし20数年を経て、企業内部では経営者の方と事業内容が世代交代期を迎えました。世代交代には、親族や従業員による事業の継続がまず検討されますが、親族が既に希望の職業を別途目指しており、また若い世代が製造業にあまり興味を持たない、持っていても 経験不足といった、継続困難な状況があります。一方、従業員は経営者の志や方針をよく理解していても、経営者となるには経験・能力が不足している、或いは 譲り受けのための資金の用意が難しいといった状況があり、世代交代が難しいのです。

企業の外部環境も変化しています。生産拠点である珠江デルタ地域の人件費や各種コストの上昇によって事業の採算が悪化、単純作業だけでは付加価値が上がらない、また輸出加工だけではなく国内市場への対応が必要など、事業の形態や内容にも変更が必要になってきています。

第三者への事業承継(M&A)

親族や従業員に後継者候補がいない場合でも、事業を継続し、継続して従業員に職場を提供したいと、第三者への譲渡(M&A)が検討されます。従業員も今後の雇用継続が約束される譲渡はむしろ歓迎するのではないでしょうか。譲渡の相手として日系企業を望む場合、狭いコミュニティですから取引先や知り合いの経営者へ直接打診する場合もありますが、当事者同士、基本的には合意に達しても、譲渡価格や、譲渡契約の詳細内容を詰めるため、専門のアドバイザーに相談したり、交渉の仲介を依頼したりするのもよい方法です。

また、事業提携のメリットは、譲渡企業(売り手)の側には分からなくとも、譲り受け企業(買い手)にはより多くのアイディアがあるものと予想されるので、仲介者を通じマッチングを行えばより多くの買い手候補が期待できます。但し秘密保持は重要となります。

譲り受け企業(買い手)によるデューデリジェンスの目的は主に、経営上のリスクの発見と、譲渡価格の参考となる企業評価の算出です。香港華南地域の来料加工廠などの潜在的なリスクには経営者にも把握仕切れないものがあり、専門家による洗い出しにより、トラブルの予防対策を行うきっかけともなります。

事業承継が大前提のM&Aでは、譲渡価格にもまして、後日の事業の継続と発展のための計画と実行が重視されます。いわゆるポストM&Aです。後継者が同業種の場合、提携後のスムーズな事業の融和が必要と思われますし、新規業種への投資となる場合には、事業環境や経営管理上の違いを早期に理解し内製化をどのように図るかを検討しておかなければなりません。譲渡企業の経営者の方は2-3年の間、顧問或いは取締役として移行のサポートを要請される場合が多いと思われますので、事業承継の計画を早期に立てられることをお勧めします。

(以上)

(この連載で紹介するM&Aのケースは、M&A体験者から伺った実例を基に編集したものです。M&Aの実務に対し何ら保証するものではありません。)

加工貿易企業の同一場所転換における税関手続き指南

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加工貿易企業の同一場所転換における税関手続き指南 1/2

今回は、来料加工廠が移転せず法人化する場合の税関手続きについて、税関総署広東分署より発布された手続き指南に沿って紹介します。
中国語で「就地転型」とは、来料加工工場が移転せず同一の場所で法人に転換することを言います。以前は同一住所の登記重複は困難であったことや、税関の手続き上、生産を一旦停止せざるを得なかった状況が見受けられましたが、加工貿易企業のグレードアップを促進する政策の一環として、加工工場の法人化に対し政府関連機関も協力する環境となってきました。
広東分署では加工工場が同一場所において法人化する場合の手続き指南を定め(試行)、管轄地域の税関で取扱うとしています。

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[お金の管理] (2)為替管理のポイント-1

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漠然としている「経理」という表現ですが、要は「お金の管理」ということです。前回はまず現金・預金の管理のポイントについてお話しました。

おそらく「経理」と言えば現金・預金の管理が重要な仕事の一つだろう、ということは容易にイメージできますので、内容も違和感なく理解できた ことかと思います。ただ逆に言えば、他にどのようなイメージをお持ちでしょうか?請求書などを集めて入出金の記録をする、というイメージが強すぎて、その 他についてはイメージがわかない方も少なくないのではないでしょうか?

ここで「お金の管理」として捉えてみて下さい。現金・預金の管理は「現在あるお金を正確に安全に」管理することを目的としていますので、確か にとても重要な管理なのですが、それ以上のものではありません。会社として、つまり総経理としての最大の目的は「お金を増やす」ことですよね?そう考えれ ば、他にやらなければならない「お金の管理」が頭の中に浮かんでくるかと思います。

今回から2回に分けて、その中の一つの為替管理を取り上げたいと思います。特にこの1年の間、為替を取り巻く環境は大きく変わりました。その 結果、利益が出ていると思っていたのに決算をしてみたら多額の為替差損が計上されていて、思っていたよりもずっと利益が少なくてビックリした、というよう な経験をされてはいませんか?なんとなく為替レートの変動が影響しているということを理解していても、ただ為替差損という表示で多額の損失が計上されてい ることに釈然としない思いをしておられる方が多いのではないでしょうか?特に華南地域では多通貨での取引が前提となりますので、総経理としては為替差損の 原因に対する理解を避けては通れません。為替差損は会社の営業とは関係ないにも関わらず会社の「お金が減った」ということを表しているのですから、この 「為替差損を減らす」ための管理が求められるわけです。

為替差損益の発生原因には、大きく分けて、(1)外貨建取引を行った場合、取引時点の為替レートと決済時点の為替レートの差、(2)期末時点の外貨建債権債務について、計上時点の為替レートと期末時点の為替レートの差、の二種類あります。今回はまず(1)について、その計算方法とその対策を話していきたいと思います。

(1) 外貨建取引を行った場合、取引時点の為替レートと決済時点の為替レートの差

ここでは円建ての仕入をUS$建てで記帳する場合をもとに説明します。
(図表1)

  仕入時点(3月) 支払時点(6月)
仕入金額(円建て) 1,200,000円 1,200,000円
社内レート(記帳レート) 120円/US$ 120円/US$
銀行レート(決済レート) 110円/US$ 100円/US$
仕入金額(US$建て) 10,000US$  
支払金額(US$建て)   12,000US$
為替差損(US$建て)   2,000US$

まず仕入時点で記帳するためには、円建ての金額をUS$建てに換算しなければなりません。しかし実際にUS$建ての取引があったわけではないので、換算するためにはなんらかの仮定を置く必要があります。そこで、この場合の為替レートは原則としてその日の為替レートを用いることになっていますが、実際に毎日変更するのは実務的に非常に大変な作業なので、ある一定のレートを記帳レートとして社内的に設定することが一般的です。ここでは120円/US$だったとします。この場合の仕入金額は1,200,000円÷120円/US$=10,000US$に換算されます。つまり、この時点では買掛金は10,000US$として認識されることになります。

そして支払時点では、通常は銀行にあるUS$を実際に円に換金して支払われます。この仮定では仕入時点より円高に進んで100円/US$となっていますから、1,200,000円を送金するためには1,200,000円÷100円/US$=12,000US$必要です。仕入時点では買掛金10,000US$を想定していたにも関わらず、決済時点では12,000US$が実際に必要になったのですから、その差額の2,000US$は為替差損として認識されます。

さあ、これで計算方法自体は理解できました。それでは「為替差損」を減らすためにはどうしたら良いでしょうか?記帳レートと実際の決済レートとの差がなければ為替差損は発生しない、という切り口で考えてみて下さい。

①社内レートをその日の為替レートに近づける(=社内レートとして月末レート使用を推奨)

まず社内レートに注目してください。これは前述のとおり、その日の実際のレートではなく、社内的に設定したある一定のレートです。ある一定のレートとしては、月末レートや年末レートを使用することが実務上認められています。あまり変更しない方が記帳する上では楽なので、年末レートを使用しているところも結構あるのではないでしょうか?

しかし為替差損を減らすためには、年末レートでは望ましくありません。月末レートを使うべきです。その理由は単純明快で、毎月直近の為替レートに変更しておけば銀行レートとの差が少なくなるからです。さきほどの例で確認してみてください。仮に社内レートを110円/US$に設定していた場合には、為替差損は以前の2,000US$から1,091US$へと減少します。

(図表2)

  仕入時点(3月) 支払時点(6月)
仕入金額(円建て) 1,200,000円 1,200,000円
社内レート(記帳レート) 110円/US$ 100円/US$
銀行レート(決済レート) 110円/US$ 100円/US$
仕入金額(US$建て) 10,909US$  
支払金額(US$建て)   12,000US$
為替差損(US$建て)   1,091US$

ただこの場合に注意して欲しい点は、費用の総額は変わらない、という点です。図表1の場合の費用総額は、仕入金額10,000US$+為替差損2,000US$=12,000US$ですし、図表2の場合の費用総額は仕入金額10,909US$+為替差損1,091US$=12,000US$となって一致しています。

しかし、為替差損という漠然とした費用として認識されるのではなく、為替の上昇による売上原価の上昇として認識されることは、会社の営業損益管理上、有益です。なぜなら為替圧力で原価が上がっていることが分かれば、売値に転嫁するなり別にコスト削減努力をするなり、素早く改善策を打つことができるからです。

②仕入時点と支払時点のタイムラグを短くする

図表2では社内レートをその日の銀行レートに完全に一致させましたが、それでも為替差損が計上されてしまいます。これは仕入時点と支払時点が異なる限りやむを得ないのですが、このタイムラグをできるだけ短くすることで、為替差損を減らすことが可能です。時にはたった1週間で何%も変動することもあったり、長期的にはまた戻ったりしたりしますが、一般的にはこのタイムラグが短いほど仕入時点と支払時点の銀行レートの差は少なくなります。

(図表3)

  仕入時点(3月) 支払時点(4月)
仕入金額(円建て) 1,200,000円 1,200,000円
社内レート(記帳レート) 110円/US$ 105円/US$
銀行レート(決済レート) 110円/US$ 105円/US$
仕入金額(US$建て) 10,909US$  
支払金額(US$建て)   11,429US$
為替差損(US$建て)   520US$

この場合には①の場合と異なり決済レート自体が変わることから、費用の総額が変わってきます。図表1の場合の費用総額は、仕入金額10,000US$+為替差損2,000US$=12,000US$ですが、図表3の場合の費用総額は仕入金額10,909US$+為替差損520US$=11,429US$となって費用総額が少なくなっています。

しかし、この例では円高局面ですので支払を早めることによって費用総額が減少しましたが、逆に円安局面では支払を早めると費用総額が増えてしまいます。現実にはどちらに動くか正確に予測はできませんので、結果的にどちらが得になるかは分かりませんが、少なくとも為替レートの変動の影響を排除したい場合には、このタイムラグを短くすることが有効な対策となります。

今回は(1)の内容を仕入の円高局面における為替差損を例にとって説明しました。円安局面だとどうなるのか?売上の場合はどうなるのか?など次回はさらにこの応用編をお話した後、(2)の為替差損益の計算方法とその対策についてお話しする予定です。

<まとめ>
・為替の変動も会社のお金を増やしたり減らしたりするので、管理が必要である。
・為替差損益の発生原因には、大きく分けて、
(1)外貨建取引を行った場合、取引時点の為替レートと決済時点の為替レートの差、
(2)期末時点の外貨建債権債務について、計上時点の為替レートと期末時点の為替レートの差、の二種類がある。
・(1)の為替差損益を小さくするためには、
①社内レートをその日の為替レートに近づける(=社内レートとして月末レート使用を推奨)
②取引時点と決済時点のタイムラグを短くする
ことが有効である。

香港税務局より地元新聞を通して発行された通知

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2008年7月10日、香港税務局より地元新聞を通して発行された税務情報の提供義務についての通知がありました。実務上、厳しく取り締まられていないことが現状ですが、税法としては細かく規定されていることが伺えます。

収入のある個人より香港税務局へ提供すべき情報

 

個人の方々は、下記の履行義務を定めた税法(内国歳入法)第51(2)条、(6)条、(7)条及び(8)条をご覧ください。

 

(a) 第51条(2)項 - 如何なる査定年度においても税金を課されるべきすべての個人は、該当する年度の申告書が既に発行されていない場合、課税されるべき年度の基準期間後4ヵ月以内に、書面にて税務局局長へ知らせなければならない。

 

(b) 第51条(6)項 – 取引、専門職や事業を停止する個人、または、事務所を引き払ったりもはや雇用されていない個人、または、税金が課されるべき土地や建物をもはや所有していない個人、または、もはや個人的に査定されていた源泉収入を得ていない個人は、上記について、そのような状況になってから1ヵ月以内に、書面にて税務局局長へ知らせなければならない。

 

(c) 第51条(7)項 – 給与所得税、法人所得税及びパーソナルアセスメント下での税金を課されるべき個人で、1ヵ月強の期間後に出向期間を終え、香港を離れることとなっている場合、少なくとも出発の1ヵ月前までに、書面にて税務局局長へ知らせなければならない。これは、業務上の関係で、雇用期間中に頻繁に香港を離れることが余儀なくされている個人については適用されないこととする。

 

(d) 第51条(8)項 – 給与所得税、法人所得税及びパーソナルアセスメント下での税金を課されるべき個人で、現住所が変更となった場合、変更後1ヵ月以内に、書面にて税務局局長へ知らせなければならない。

 

収入のある個人より香港税務局へ提供すべき情報

 

雇用主の方々は、下記の履行義務を定めた税法(内国歳入法)第52(4)条、(5)条、(6)条及び(7)条をご覧ください。

 

(a) 第52条(4)項 - 雇用主は、給与所得税の課税が発生すると考えられるすべての従業員について、雇用開始から3ヵ月以内に、詳細を書面にて知らせなければならない。

 

(b) 第52条(5)項 – 雇用主は、給与所得税の課税が発生すると考えられるすべての従業員について、雇用を解除する際、少なくとも雇用解除前1ヵ月前までに、書面にて税務局局長へ知らせなければならない。

 

(c) 第52条(6)項 – 雇用主は、給与所得税の課税が発生するすべての従業員について、1ヵ月強の期間後に出向期間を終え、香港を離れることとなっている場合、少なくとも出発の1ヵ月前までに、書面にて税務局局長へ知らせなければならない。これは、業務上の関係で、雇用期間中に頻繁に香港を離れることが余儀なくされている個人については適用されないこととする。

 

(d)第52条(7)項 – 第52条(6)項に従い、雇用主によって税務局局長に提出された書面が、雇用解除される個人のものである場合、雇用主は次の規制を遵守する必要がある:

 

雇用主は、上記書面を提出してから1ヵ月間は、税務局長の書面での承認を除いて、従業員に対して如何なる支払いも行ってはならない。但し、従業員が税務局局長への債務があり、雇用主へその支払いを要求する場合、該当する1ヶ月の間に、税務局局長への支払いを行ってもよい。

 

第52条の(4)、(5)、(6)項によって要求されている通知のための様式は、香港湾仔告士打道5号税務大樓1階の受領発送カウンターにて取得できます。

 

詳しい資料が必要な場合は、187-8022までお電話、または、ウェブサイト(www.ird.gov.hk)をご覧ください。

 

税務局局長 劉麥懿明

 

政府発行のソース記事

 

[M&Aは今] (12)香港会社買収のメリット

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今回は、香港会社買収のメリットとして、CEPAを利用して中国進出を図るケースをご紹介します。

外資誘致は生産業種からサービス業種へ移行

これまでの中国への進出は、人件費などのコスト削減や、原材料調達などを目的とした生産拠点の移管がほとんどでし た。中国の外資誘致政策は、生産加工、輸出を行う外資の生産企業を誘致して雇用と技術導入を促進することによる経済発展を図る一方で、サービス業は国内産 業保護のためもあり、外資の参入はほとんど認められていませんでした。2001年にWTOに加盟後、サービス業種は次第に外資へ門戸を開放し始め、流通業、物流、建築業種などはすでに100%外資企業の設立が可能となっています。市民の生活水準も多いに向上し、外資企業にとって今や中国は販売の市場として捉えられるようになっています。

CEPAの枠組み

中国は世界の各国・地域と自由貿易協定の枠組みを構築していますが、その一つであるCEPAは中国と香港、及び中国とマカオの緊密な経済合作協定(Closer Economic Partnership Arrangement)です。香港・マカオ原産貨物の中国への輸入関税免除と、サービス業種の進出を他国に一歩先んじて開放することが協定の主な柱です。2004年より施行され、毎年内容が更新されることになっています。

サービスサプライヤーの認可

他の海外企業に先駆けて香港企業へ進出の認可を認めるサービス業の種類は年々増加し、2007年の協定内容の更新により2008年から施行する香港企業への優遇は全部で38の項目にわたっています。主なものは添付図の通りです。サービス分野の開放が進んでいるとはいえ、金融、通信分野や、弁護士・会計士などの分野ではまだまだ外資の参入ハードルが高い分野もあります。

手続き手順としては、香港の工業貿易署へ先ず香港企業の認定証書である香港サービスサプライヤー(HKSS)証書を申請取得し、中国での認可申請の際にこの証書を添付します。サービスサプライヤーの条件には事業活動の場所や地元の従業員など事業所の実体があることや、3年から5年など一定期間の申請業種の経験があることなどが含まれています。申請の前1年以内に出資者に変更がある場合は報告しなければならず、特に50%超の株式を外国企業が取得した場合には、取得後1年を経て香港企業として認められ、HKSS証書の取得が可能とされています。また、100%子会社の運営するサービス業種について持ち株会社が申請することも可能とされています。

中国での設立申請時、HKSS証書を添付して申請した香港企業は、認可の過程で問題があれば香港の工業貿易署にフィードバックし、政府間の調整を努力することになっています。

このように、設立に関し外資企業に対して制限のあるこのようなサービス業種については、海外企業が香港の事業実績のある企業へ出資或いはこのような企業を買収し、中国への新たな進出の足がかりとしていくことになるわけです。

(この連載で紹介するM&Aのケースは、M&A体験者から伺った実例を基に編集したものです。M&Aの実務に対し何ら保証するものではありません。)

(以上)

[MR] 税務上の「住所」をめぐる最近の判例 その2

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本レポート第一回で、武富士ファミリー贈与税の控訴審判決(日本国内に住所を認め課税処分)について取り上げましたが、

住所の判定を争点とする別の類似事案において、結論の異なる興味深い判決もでていますので紹介します。
 
これは、シンガポールに居住する日本人A氏が、香港において日本法人株式を譲渡し、
「日本国内に住所を有していない」ので納税義務がないものとして申告をしていなかったところ、
国税当局から「住所あり」として追徴処分を受けていたもので、
第一審につづき第二審(東京高裁、08年2月28日)でもA氏サイドの主張を支持し課税処分を取り消しました。
 
判決では、「住所」「生活の本拠」の一般的な判断基準として、以下のような客観的事実:
 ①住居(A氏は日本出国後、国内には何ら拠点らしきものをもたずに来日のたびに異なるホテルを利用していた)
 ②職業(シンガポールで株取引、日本国内では職業を有していない)
 ③親族(日本に生計を一にする家族や親族を有していない)
 ④資産(日本の預金や不動産は国外から管理可能なレベル)
等を総合的に判定するのが相当として、
A氏については株式譲渡期日当時、日本国内に住所を有していたとは認めることはできないとしています。
 
武富士ケースと異なり、住所の有無の判断にあたって、
「主観的な居住意思」や「租税回避の目的」の位置づけが後退している点は注目されるところです。
 

四川地震への寄付金は全額損金算入できます

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四川地震に関する個人・会社の寄付金支出は、全額控除できることになりました。
申告にあたってはご注意ください。

国発[2008]21号公布前 国発[2008]21号公布後
会社で行なった公益・救助性寄付について、当年の会計上の利益の12%以内 であれば、税務上損金とできる。
個人が寄付を行った場合、課税所得額の30%までは税額計算の際に控除可能。
 個人、会社とも、今回の地震については全額控除可能。

タグ: 寄付金

 

香港立法府が減税法案を承認

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香港立法府が2007/08年度予算案の中で発表した2008年度歳入法案を可決しました。

宿泊税を免除とする法案は、08年7月1日より発効されます。

給与(個人)所得税、事業(法人)所得税及び資産所得税、及びパーソナルアセスメントに関連するその他の法案については、香港税法を修正することで発効される予定です。
香港税法においては5項目の法案があり、第1項目として、標準税率を現行の16%から15%へ、法人所得税を17.5%から16.5%へ引き下げることとなっています。

第2項目としては、給与所得税基礎控除額と寡婦(夫)控除額が現行の100,000香港ドルから108,000香港ドルへ、既婚控除額が200,000香港ドルから216,000香港ドルに引き上げられることとなっています。また、累進課税幅についても、35,000香港ドルから40,000香港ドルへ拡大されます。

第3項目は、給与(個人)所得、事業(法人)所得、及びパーソナルアセスメントにおいて、納税者の課税所得額の25%から35%に控除上限額を引き上げることとなっています。

第4項目では、地球環境にやさしい機械設備への資本的拠出金について、購入年度に100‘%の損金算入をみとめ、そのような設置のための建物付属物については、現行の25年間の減価償却期間から5年間に短縮されます。

これら4つの法案は、2008/09税年度の税額査定から適用されます。

最後に第5項目として、2007/08税年度の給与(個人)所得税、事業(法人)所得税及び資産所得税、並びにパーソナルアセスメントにおける最終税額に対し、25,000香港ドルを上限として75%の減税が実施されます。この減税は、2007/08税年度の納税額確定時に反映されることとなります。

(政府発行のソース記事)

[M&Aは今] (11)加工工程の内製化

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今回は、製造型企業の中で、生産加工工程の内製化を代表するM&Aケースをご紹介します。A社はプラスチック成型用金型製作を専門に行う中小企業です。顧客のニーズに応えて中国へ現地法人として進出しまし たが、海外での事業のノウハウがなかったため税金など予想外のコストがかかったり、一定の周期で設備投資が必要であったりして、事業規模に比して資金需要 が大きくなっていました。この企業では最終製品を自社で製作することはやっておらず、自動車や家電製品などの部品メーカーのニーズに合わせて金型を受注製 造していました。

専門技術企業の悩み

自動車や家電製品、情報通信機器などの製造工程の中で、金型製造やプレス、メッキ、研磨加工など、共通し且つ専門技術を必要とするような工程があります。これらは技術産業であり、日本の無数の中小企業が支えてきた分野です。これらの製品の専門メーカーは、川下工程の部品メーカーや組み立てメーカーのニーズに応えるため決済条件が悪くなりがちであったり、また、最終製品を直接製作するのではなく、部品や製品全体のコストの中では金型やメッキ部分のみの工程の付加価値を上げにくい状況であったりします。そして、技術導入コストなどがかかる一方、資金繰りに苦しくなってくる会社もあり、また創業者の子供達がモノづくりから離れていくという後継者難にも直面しています。こういった場合に、川上或いは川下の工程に携わる企業の傘下に入ることは、最もスムーズなM&Aの選択になると言えます。

川下業種による内製化

この金型製作企業は、1工場では採算の取りにくくなった中国現地法人を、日本でも従来取引のあった成型メーカーの中国現地法人に売却することとしました。技術開発には一定の設備投資が必要であり投資回収を短期に見積もらなければならないこと、川下業種が買い手であることと現地法人では最終製品の製造開発を行っていないため、企業価値には営業権を主張しにくく、売却金額は純資産価値相当額程度となりました。

買収の効果

金型工程を内製化する買収は、金型工程を含めた製品化の採算が全体的によくなれば成功と言えるわけですが、金型工程の担当者は成型品の付加価値を上げられるように、一体となって技術開発を行いました。また成型メーカーの人材やノウハウを活用して、材料調達コストの削減などにも取りくむことができました。一方、売り手の本社では不採算の工場を改善し活用してくれる顧客に売却することができたことが一番のメリットで、本社自身は、加工精度や品質、特殊技術によるビジネスチャンスを求めて、最終製品の開発に取り組むことになりました。買い手企業は技術の内製化により市場の競争力強化につながりました。商品サイクルが短く、競争の激しい製品分野では特に効率の改善に役立ったと言えます。

(この連載で紹介するM&Aのケースは、M&A体験者から伺ったケースを基にした架空のストーリーです。M&Aの実務に対し何ら保証するものではありません。)

税関の保税監督管理区域について(2)

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前回は、税関の保税監督管理区域と呼ばれる、いわゆる保税区の変遷と、その内加工業務に特化した輸出加工区について紹介しました。今回は、物流機能を持つ区域について紹介します。

物流機能を備えた各種保税区域は、外国企業の貨物を含めた保税貨物等を保管できる点と、貨物に対して実質的な変化を伴うような加工を行うことができない点で共通しています。

保税倉庫と輸出監督管理倉庫

保税物流業務の中で最も初期的に発展したのが、保税倉庫と輸出監督管理倉庫(=監管倉庫)で、前者は輸入貨物、後者は輸出貨物を主に取扱います。
保税倉庫には輸入された加工貿易用の貨物、中継貨物(海外より輸入され、再度第3国へ輸送されるような貨物)、外国企業の一時保管貨物(VMI等に対応する)、その他の税関手続き未了の貨物を保管することが可能と規定されています。
輸出監管倉庫は、輸出通関手続きが既に終了した貨物を保管する専用倉庫と定義されており、原則的には国内の貨物(保税・非保税を問わず)を搬入する際、輸出通関を行い、その後増値税の還付申請手続きが行えるようになっています。輸出貨物を一時保管すると同時に、輸出貨物の包装材などを海外から輸入し流通加工に使用することができ、海外向けの輸出貨物に対するディストリビューションセンターとして機能することができます。
保税倉庫も輸出監督管理倉庫も、閉鎖され囲われた地域にゲートによる通関地点を設けるのではなく、企業と同じようなイメージの税関のネットワーク管理が行われます。

保税物流中心

保税物流中心はA型(1社が運営)とB型(多数の物流企業が運営)があり、いずれも設立には税関総署の認可と、税務局や外貨管理局などの総合験収が行われた後、運営を開始することができます。保税物流中心のニーズは各地にあり、設立申請は多数挙げられていると聞かれますが、認可機関は全国の物流総量の分布から順番に認可するとしていることと、外貨や税務など他の政府機関の同意・協力も必要であるため認可がおりにくい状況と思われます。
保税物流中心では貨物の保税保管と、流通加工、国際調達・配送業務、中継貿易等を行うことができ、特に国内の保税・非保税貨物を一旦搬入し、保税貨物として保管し、再度保税・非保税貨物として再輸入するといった国内での保税物流業務を行うことができます。但し、検品業務や修理業務を行うことはできません。また、センター内では商業小売などの施設を設置することができないとされています。保税物流中心以降の保税区域内の企業は物流か貿易のいずれかに機能を分けることとされています。

保税物流園区

保税物流園区は、全国15か所の保税区のうち、今のところ海港と保税区を隣接させるか、既存の保税区の企画区域内において、国務院に認可されて設立された区域です。2003年12月に上海外高橋保税物流園区を認可設立して以来、今年に入り福州保税物流園区が認可され、全部で9か所となりました。
保税物流園区内の貨物に対しては、流通加工のほか、物流センターA/B型では認められない展示業務・検査・修理作業が認められています。また、区内には貿易会社も登記することができ、区内での貨物の譲渡が可能です。国内からの貨物の搬入に際して増値税の還付申請を行うことができ、国内の保税物流に機能を発揮することができます。例えば、増値税還付や外国企業が貿易利益を得るのが目的で、国内の貨物(特に保税貨物)を輸出し再度輸入しているケースがありますが、保税物流園区はこの海外に替わる機能を果たすことができます。

その他の保税区域

各種保税区域がその機能ごとに整備されてきたことから、これらの機能をあらためて統合した区域の設立運営が目指されている場所があり、保税港区、総合保税区といった名称で呼ばれています。また珠海にあるクロスボーダー工業園区も、生産加工、物流、貿易が総合的に行える保税区域として認可設立されました。保税区域は通関業務だけではなく、外貨・税制上も一般地区とは異なる制度が設けられ、国内の保税物流や保税加工の発展に機能発揮できるよう企画されています。その優位性を十分検討し活用の機会を増やしていくことが期待されます。
(図)保税物流園区のビジネスモデル
(以上)
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