シンガポール ビザ・就労関連

シンガポール就労ビザ認定制度(COMPASS制度)について

※無断転載を禁じます。

シンガポールでの就労ビザ(Employment Pass、以下EP)の申請に際しては、2023年9月1日よりポイント制度「COMPASS(Complementarity Assessment Framework)」が導入されています(更新申請には2024年9月1日より適用)。

Step1:まず、申請者(候補者)の職種や年齢に応じて、MOMが認定した最低給与基準を満たす必要があります。

現行の最低給与額は月額S$5,600(金融セクターはS$6,200)です。この基準は、新規申請には2025年1月1日から、更新申請には2026年1月1日から適用されています。

なお、実際に求められる給与額は年齢に応じて段階的に上昇し、上限は一般セクターで約S$10,700、金融セクターで約S$11,800となります。

(注)2026年2月の予算演説において、最低給与額を月額S$5,600 → S$6,000へ(金融セクターはS$6,200 → S$6,600へ)引き上げることが発表されています。新規申請は2027年1月、更新申請は2028年1月から適用される予定です(2026年7月現在)。

Step2:申請者の個人属性と雇用主の企業属性に基づき、各申請者において、それぞれ合計40ポイント以上を獲得することが求められます。

COMPASSの評価基準

COMPASSは以下の4つの主要な評価項目(各20ポイント満点)と、該当する場合に加算されるボーナス項目で構成されています。

なお、MOMは評価基準を毎年見直しており、直近では2025年11月に公表された改定内容が、新規申請には2026年1月1日から、更新申請には2026年7月1日から適用されています。

1. 給与(Salary)

申請者の月額固定給与が、業界ごとのローカル従業員(シンガポール人とシンガポール永住権者)PMET(現時点では、月額S$3,300以上の給与の専門職、管理職、技術職)の給与ベンチマークと比較されます。上位90パーセンタイル以上であれば20ポイント、65パーセンタイル以上90パーセンタイル未満であれば10ポイントが付与されます。

(注)業界別給与ベンチマークは2025年11月に改定され、新規申請には2026年1月1日から、更新申請には2026年7月1日から新しいベンチマークが適用されています。最新のベンチマークはMOMのSelf-Assessment Tool(SAT)で確認できます。

2. 学歴(Qualifications)

申請者の学歴に応じてポイントが付与されます。MOMが指定するトップレベルの教育機関の学位を持つ場合は20ポイント、それ以外の学位や(学位相当の)専門資格の場合は10ポイントが付与されます。

2026年1月1日適用の最新リスト(2025年11月公表)では、トップレベル教育機関は以下の2グループに分けられています。

  • Group A:全学部の学位が20ポイントの対象
  • Group B:指定された学部の学位のみが20ポイントの対象

日本の大学では、東京大学、京都大学、東北大学、大阪大学、東京工業大学(現・東京科学大学。リスト上は「Tokyo Institute of Technology」と表記)に加え、最新リストでは慶應義塾大学と早稲田大学が新たにGroup A(全学部対象)に掲載されています。

申請時の注意点:

  • EP申請フォームでは、教育機関名と学部の両方をドロップダウンメニューから正しく選択する必要があります。リスト掲載校であっても、選択に誤りや漏れがあるとC2ポイントが付与されない場合があります。
  • 学位相当の専門資格(10ポイント対象)については、申請時にその真正性を確認する検証書類(verification proof)の提出が必要です。
  • ポイントの判定は、申請提出日時点で有効なリストに基づいて行われます。リストは毎年改定されるため、更新申請の際に前回と評価が変わる可能性があります。

現行の大学リストは、以下をご参照ください。

List of top-tier institutions under COMPASS Criterion 2 (Qualifications)

3. 多様性(Diversity)

企業内の従業員のPMETのうち、同国籍のPMETに占める割合に基づき評価されます。申請者の国籍が企業内で5%未満の場合は20ポイント、5%以上25%未満の場合は10ポイントが付与されます。ただし、企業全体のPMETが25名未満の場合、自動的に10ポイントが付与されます。

4. ローカル人材の雇用支援(Support for Local Employment)

企業内の従業員のPMETのうちローカル従業員PMETの占める割合が、同業界内で50パーセンタイル以上であれば20ポイント、20パーセンタイル以上50パーセンタイル未満であれば10ポイントが付与されます。こちらも、企業全体のPMETが25名未満の場合、自動的に10ポイントが付与されます。

ボーナス項目

以下の条件を満たす場合、追加でポイントが付与されます。

スキルボーナス(Skills Bonus):シンガポール国内で不足しているスキルや職業(不足職種リスト:Shortage Occupation List、SOL)に該当する場合、10または20ポイントが付与されます。

  • SOL該当かつ申請者国籍がPMETの1/3未満:20ポイント
  • SOL該当かつ申請者国籍がPMETの1/3以上:10ポイント

(注)SOLは2025年11月に改定され、2026年1月1日から適用されています。ヘルスケア分野の職種が追加された一方、Cyber Risk Specialist、Cybersecurity Operations Specialist、Product Manager(Digital)などの職種は削除されました。SOLは定期的に見直されるため、更新申請時に前回と評価が変わる可能性があります。なお、SOL上の特定のテック職種に該当する経験豊富な技術人材は、5年間有効のEPの対象となる場合があります。

戦略的経済優先事項への貢献(Strategic Economic Priorities Bonus):政府機関と共同で推進されるプロジェクトへの関与や、国際的な組織を目指す企業の場合、10ポイントが付与されます。

COMPASSの適用除外

以下の条件に該当する場合、COMPASSの適用が除外されます。

  • 月額固定給与がS$22,500以上の場合
  • 企業内の海外異動(Intra-Corporate Transferee)としてのEP申請
  • 1か月以下の短期業務のためのEP申請

シンガポール政府は、経済情勢や人材ニーズの変化に合わせて、COMPASS制度の評価基準を今後も見直していくとしています。

(注)本記事の更新日以降、最新の制度と異なっている可能性がありますので、最新の制度をご確認ください。

■当社サービスのご紹介

弊社グループでは、複数名がEAライセンスを保持しており、お客様の案件に、EAライセンス保持者が直接サポートさせていただいております(法人EA登録番号No. 13C6394)。

日系の会計事務所では30年来の老舗の当社では、長らく就労ビザに関する包括的なワンストップサービスを提供し、クライアントの皆さまがスムーズかつ安心して手続きを進められるようサポートいたします。

万一、MOMから申請が却下された場合には、当社がアドバイスを行い、MOMとのやりとりを直接対応しております。

弊社の提供サービスは、以下のとおりですが、その他にもサポートをしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

【EP申請サポート及び代行サービス】

  • 会社の売上情報の更新
  • 求人広告の掲載(広告掲載義務の免除に該当しない場合)
  • 就労ビザ申請の提出
  • 就労ビザの発行
  • 就労ビザカード登録のための予約手配
  • MOMからの就労ビザカード受取までのフォロー

【扶養家族ビザ(DP)及び長期滞在パス(LTVP)の申請サポート】

  • 日本大使館との連携による婚姻証明書・出生証明書の取得代行
  • 保健促進庁(HPB)との連携による予防接種登録フォームの手続、および、12歳以下の外国出生児童の予防接種証明書(Verification of Immunisation Certificate)の取得
  • 日本のクリニックと連携し、予防接種記録を英語およびHPB指定フォーマットに翻訳

必要に応じて、日本人スタッフが日本語でのサポートを行い、円滑かつ明確なコミュニケーションを進めております。

【ビザ更新サポート】

  • MOMへの個人情報(パスポート情報、連絡先、住所など)の更新サポート
  • 将来の更新手続において、必要最低限の情報のご提供のみで済むよう配慮いたします。

注意:上記内容は、出稿当時の最新の規制に基づいていますが、詳細はMOM公式サイトで確認してください。

出典