ベトナム ベトナム会計・税務 Q&A

[ベトナム 会計・税務] ベトナム会計基準 罰則規定

Q.企業会計に関わる罰則規定に関して教えてください。

A.2004年12月15日付け財務省規定No. 120/2004/TT-BTCには罰則規定が定められており、その対象となる範囲や罰金額などが定められていますが、かなり曖昧な規定であり、その適用にあたっては、かなりの部分が行政機関の裁量に委ねられている印象を受けます。

対象となる個人および組織

適用対象および範囲ですが、ベトナムで活動する外国人を含む個人、政府機関及び組織であり、故意または過失に関わらず会計法への違反に対して適用されます。ここで個人とは、政府機関または事業活動における経理担当者及び経理業務に関与する者を含みます。また、 政府機関及び組織とは、 政府予算を財源とする政府機関、非営利組織、その他組織および政府予算を財源としない非営利組織、その他組織、 営利組織が含まれます。

会計分野に於ける行政違反に対する制裁原則

会計分野における全ての行政違反は適時発見され、速やかに防止されなければなりません。また、行政違反は迅速、公正、厳粛に関連法令に従い処理されます。個人及び組織は、会計分野に関する規定に抵触する行為を行った場合、行政違反として制裁を受けます。会計分野における行政違反行為は、一つの違反につき一回罰せられます。もし、多くの人が一つの違反に関与している場合は、関与者全てに対し制裁が課されます。従いまして一人の人が多くの違反に関与した場合は、それぞれの違反に対して制裁が課されます。行政違反に対する制裁内容は、違反の性質や深刻さの程度、違反者自身の特質や酌量すべき事情を考慮して決定するとされており、裁量的側面が強く曖昧な規定となっています。

制裁原則への例外

犯罪兆候のある会計分野における行政違反の場合、以下の各ケースに対しては制裁は課されません。犯罪兆候のある会計分野における行政違反であるが、その解決の為、すでに関係書類が管轄機関に送付されている。既に管轄機関において検査中および解決済みである。管轄機関による書面による要求により、関係書類が送付され、刑事罰の可否につき審議されている。

違反行為及び罰金額

違反行為及び罰金額に関する規定ですが、違反内容及び適用もかなり曖昧な規定となっています。具体例ですが、会計帳票に関する違反行為で、斟酌すべき事情がない場合はVND 600,000の罰金、一つか二つの斟酌すべき事情がある場合はVND500,000の罰金、3つ以上の斟酌すべき事情がある場合はVND200,000の罰金などとなっています(2011年7月現在)。

今月のまとめ

  1. 対象となる個人および組織:ベトナムで活動する外国人を含む個人、政府機関及び組織
  2. 会計分野に於ける行政違反に対する制裁原則:一つの違反ごとに1回の制裁
  3. 制裁原則への例外:管轄機関にて検査中または解決済の犯罪兆候のある違反行為
  4. 違反行為及び罰金額:曖昧な規定であり管轄機関の裁量権大

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