香港 クロスボーダー税制

香港・2023年税務(改正)(税制適格持分保有者による処分益)条例草案が官報に掲載

2023年税務(改正)(税制適格持分保有者による処分益)条例草案(以下「条例草案」)は、10月20日付で官報にて公布されてから、11月1日に立法会へ提出される。当該条例草案は、資本性(キャピタルネイチャー)の香港源泉(オンショア)処分益を非課税とする税務上の取扱いをさらに明確化することを目的とした、税務明確性至適化制度(以下「制度」)の導入を目指すものである。

当該制度は、特に株式持分の取得及び処分が一般的に伴う事業拡大や事業再編を促進していくことに関し、主要な国際投資並びに事業拠点としての香港の魅力を向上することに寄与する。

処分益の性質を決定するために、香港税務局は現在、案件に関連する事実や状況を勘案する「バッジ・オブ・トレード(Badges of Trade)」アプローチを採用している。当該制度では、対象となる処分益が特定の基準を満たしておれば、非課税であることを事前に明確にすることが可能である。具体的には、投資企業が処分日の直前までの24ヶ月間、連続して一定の投資先企業の株式持分を保有しており、当該保有持分が当該投資先企業の株式持分合計の15%以上を占める場合には、当該処分益は本質的に資本性と扱われ、利得税の課税対象とはならない。

事業の円滑化と香港における税制の健全性維持とのバランスを取るため、当該制度では、通常本質的に資本性と見なされない特定の処分益や、濫用のリスクが比較的高い状況下で生じる処分益を除外している(※投資企業が税制適格持分保有者として見なされる条件として、法人もしくは個別の財務諸表を作成する取決めであるパートナーシップ、信託並びにファンド等でなければならず、自然人(個人)含まれず、保険業者は除外される。不動産取引、不動産開発及び不動産保有等の特定の不動産関連事業者もまた、税制適格持分被保有者から除外される。なお、税制適格持分とは、投資先企業の利益、資本金あるいは如何なる剰余金に対する権利を有し、かつ香港会計基準第32号もしくは国際会計基準第32号等の適用される会計原則に従って、投資先企業の帳簿上、金融負債ではなく資本金等の持分として計上される持分を指し、普通株式、優先株式または組合持分等の様々な形態の持分が含まれる)。

処分益が当該制度の対象とならない場合、または納税者が当該制度適用を選択しない場合、香港税務局は引続き現行の「バッジ・オブ・トレード」アプローチを採用し、関連する処分益に対する税務上の取扱いを検討することとなる。

香港政府のスポークスマンは、「香港は簡素で競争力のある税制で知られており、本質的に資本性である株式持分の売却益は課税されません。当該制度による簡潔なルールに基づいて、株式持分処分益が非課税であることの確実性が向上し、課税非課税の決定が迅速化され、企業のコンプライアンスコストが削減されることとなり、香港の税制上の競争力がさらに強化されることとなります」と述べた。

さらに言及すると、他の税務管轄区域における同様の制度と比較し、当該制度はより広範囲な企業及び株式持分を対象としており、株式持分保有基準のしきい値が低いという点で競争力が高いものとなっている。その上、企業グループベースでの最低株式持分保有割合15%を満たすことを認め、一定の制限の下で、株式持分の段階的な分割での処分をカバーしている等、より柔軟な取扱いを提供している。また、当該制度には有効期限は定められていない。

当該制度は、2023年4月1日以降に始まる税査定年度の基準期間に生じた処分益、並びに2024年1月1日以降に売却が行われた場合の処分益に適用される。

当該条例草案の全文は、金曜日(10月20日)に官報のウェブサイトに掲載され、閲覧できるようになっている(※11月1日の第二討論会後、一旦延期され現在第二討論会の再開待ち、その後、委員会審議及び第三討論会が開催される予定)。

原文:Gazettal of Inland Revenue (Amendment) (Disposal Gain by Holder of Qualifying Equity Interests) Bill 2023、2023年10月18日更新

原文:立法會:財經事務及庫務局局長動議二讀《2023年稅務(修訂)(合資格股權權益持有人的處置收益)條例草案》發言全文(只有中文)、2023年11月2日更新及び一部補足