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[華南ビジネス] 深セン市の社会医療保険弁法

深セン市人民政府は2013年9月29日《深セン市社会医療保険弁法》(深セン市人民政府令256号)を発布しました。2014年1月1日より施行されます。これにより、2008年1月30日に制定された《深セン市社会医療保険弁法》及び《深セン市非就業居民の参加する社会医療保険補充規定に関する通知》、《深セン市少年児童と大学生医療保険を入院医療保険への組入についての通知》は廃止されます。

これまでの医療保険加入と納付の変更点は次の通りです。これまでの「総合医療保険」「入院医療保険」「農民工医療保険」はそれぞれ、基本医療保険一、二、三級(原文:「档」)と名称を変え、農民工を基本医療保険三級とし、また地方補充医療保険に組入れこの待遇を享受できるようにしました。

納付比率は次のように変更されます。

名称 合計 単位 個人 備考
(旧) 総合・地方補充医療保険 8.5% 6.5% 2% ・基本医療保険(単位6%、個人2%)
・地方補充医療保険(単位0.5%)
(新) 基本医療保険一級 8.2% 6.2% 2% ・基本医療保険は変わらず。
・地方補充医療保険(単位0.2%)
名称 合計 単位 個人 備考
(旧) 入院・地方補充医療保険 1.0% 0.8% 0.2% ・基本医療保険:深セン市前年度在職従業員平均給与の0.8%(単位0.6%、個人0.2%)
・地方補充医療保険(単位0.2%)
(新) 基本医療保険二級 0.8% 0.6% 0.2% ・基本医療保険:深セン市前年度在職従業員平均給与の0.7%(単位0.5%、個人0.2%)
・地方補充医療保険(単位0.1%)
名称 合計 単位 個人 備考
(旧) 農民工医療保険 12元 8元 4元 ・定額徴収
(新) 基本医療保険三級 0.55% 0.45% 0.1% ・基本医療保険:深セン市前年度在職従業員平均給与の0.55%(単位0.4%、個人0.1%)
・地方補充医療保険(単位0.05%)

雇用者は深セン戸籍者に対し基本医療保険一級に加入しなければならず、非深セン戸籍者に対しては基本医療保険一、二、三級の内いずれか一種を選択して加入することができます。

基本医療保険一級の納付基数に関し、本人の月給与総額が当市前年度在職従業員月平均給与の300%を超える場合300%を納付基数とする。月給与総額が当市前年度在職従業員月平均給与の60%に満たない場合60%を納付基数とする点は変更ありません。

退職後の医療費用享受
国の社会保険法(2011年7月1日施行)第27条には、基本医療保険に加入する個人が法定退職年齢に達した時、累計納付年数が国家の規定する年数に達した後は基本医療保険費の納付不要で国家の規定に基づき基本医療保険待遇を享受でき、累計納付年数に満たない場合、年数に達するまで納付することができるとあります。この納付年数の要件について、深セン市では2014年より10年間をその過渡期措置として、2014年は累計納付年数15年且つ当市実際納付年数10年、その後1年ずつ納付年数を増やし、最終2024年には定年退職者の累計納付年限が25年且つ当市実際納付年数15年に達した後、退職後の医療保険享受を認めるとしました。また、享受できる医療保険待遇の等級はその納付した医療保険等級の年数と関連するとしています。

従業員より雇用者未加入の申し立て、雇用者による追納、負担
また、雇用者が規定どおりに医療保険費を納付しない場合、従業員は2年まで遡り社会保険機構に申し立てすることができるとされ、社会保険行政部門より期限内に修正し追納することが指示され、期限を超えて行わない場合は罰金が課されるとしています。追納の滞納金は一日当たり0.05%、加入すべきで未加入であった時に発生した医療費用は当市医療保険弁法に規定する待遇標準で雇用者が負担しなければならないと規定されています。

生育保険との関連
深セン市の生育保険は総合医療保険の中で雇用者負担0.5%、入院医療保険の中で雇用者負担0.2%とされています。当市での生育保険関連規定が正式に発布されるまでは1級、2級医療保険に移行し実行されるとしています。