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[華南ビジネス] 危険化学品経営許可証の申請取得について

中国での危険化学品の取扱には、危険化学品登録、取扱従業員の資格研修と許可証申請等の手続を経る必要があります。2011年12月1日より施行された国務院令第591号《危険化学品安全管理条例》では危険化学品の生産、保管、使用、経営と運輸における安全管理について規定しています。危険化学品を取り扱う企業の対象には生産企業、物流企業、販売会社が含まれますが、本稿では危険化学品の輸入、販売を行う販売会社にとり取得が必要な「危険化学品経営許可証」の手続について説明します。

「危険化学品経営許可証」は、以前は企業の工商登記手続の事前許可事項でしたが、商事登記改革後、現在では工商登記後に手続する事項に変更されています。取扱商品が該当するかどうかは「危険化学品目録」(2013年9月26日に意見募集稿後正式発布は未了、現時点では2012年更新の「危険化学品名録」)にて確認します。目録は適時に調整が行われます。

一、危険化学品事故応急救援事前備案登記

危険化学品経営許可証を取得する企業は事前に「危険化学品事故応急救援事前備案登記」を行う必要があり、この手続の中で専門家の現場検査の評価等も含まれます。主管部門は省の安全監督局で、所要期間は約2ヶ月です。手続資料には以下のものが含まれます。
1. 安全事故応急事前備案申請表
2. 安全事故応急事前備案要素評価審査表
3. 評価審査専門家資格証コピー
4. 総合応急事前備案と専門応急事前備案文書と電子版

上記手続により発行される「危険化学品安全事故応急救援事前備案登記表」を危険化学品経営許可証の申請に提出しなければならないこととされています。

二、危険化学品経営許可証

広東省危険化学品経営許可証管理規定に基づき発行される危険化学品経営許可証は甲種(劇毒危険化学品)と乙種(その他の危険化学品)の2種類に区別されています。危険化学品経営許可証の申請資料は以下の通りです。
1.危険化学品経営許可申請書
2.オフィス賃貸契約書
3.消防検収証明
4.安全管理員資質証明*
5.従業員社会保険リスト
6.危険化学品安全事故応急救援事前備案登記表
7.保管場所契約及び関連資質
8.労働保護用品
9.オフィス平面図
10.安全生産責任制度、安全管理規則制度、操作人員規定等の安全管理規定

*上記の4.安全管理人員資格について
個人の危険化学品取扱資格である安全管理人員資質証明の取得のため、会社
の従業員3名(責任者1名を含む)が指定機構の研修を受け、試験合格証書を取得する必要があります。従業員として3ヶ月以上の社会保険加入実績が必要です。この研修と試験は不定期に開催されるためタイミングを逸しないよう注意が必要です。

化学品経営許可証(乙種)の手続手順は以下の通りです。
1.企業より申請資料を地・市級(深セン市では区)の安全生産監督管理局へ提出
2.区の認可機関は受領後30日以内に審査し、合格の場合は経営許可証を発行、不合格の場合は10日以内に書面で企業へ通知

甲種(劇毒化学品経営企業)は地・市レベル審査の後、省レベル(深セン市では市)の審査後許可証が発行されます。危険化学品経営許可証の有効期間は3年で、期間満了の3ヶ月前までに更新手続を行ないます。

*規定の変更、各地の運用状況により手続手順や申請資料、所要期間が異なる場合があります。実際の申請時に所在地にて再度ご確認ください。