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ベトナムでは、2003年に施行された会計法によって会計制度の大枠が定められており、それに基づき財務省によってベトナム会計基準及びベトナム会計システムが作成されました。全ての外資企業は、原則としてこのベトナム会計基準及び会計システムに基づいて財務諸表を作成することが義務付けれらています。
ベトナムに法人を設立後、どのような会計制度対応をしていかなければいけないか、また関係当局に申請しなければいけない手続きについて事前に認識しておく必要があります。
また図表で、本シリーズで過去にテーマで取り上げた税務関連手続きを含め、主要な会計及び税務に関する手続を年間スケジュールとして掲載しますので、参考にしていただきたいと思います。




1 採用会計基準、決算期の登録
法人は、法人設立ライセンスの取得後10営業日以内に、会計年度や採用する会計方針等を税務局に申請登録しなければなりません。
ベトナムでは、原則として1月1日から12月31日を会計年度とします。しかし本社の方針等を考慮して、3月末、6月末、9月末を会計年度末として採用することもできます。
採用する会計方針については、棚卸資産の記録方法や固定資産の減価償却方法、製品の原価計算方法等を申請登録します。
棚卸資産の記録方法は、先入れ先出し法、後入れ後出し法、個別法、加重平均法から選択し申請します。
ベトナムでの固定資産の計上基準は、取得原価が1000万ベトナムドン以上でかつ使用が1年以上となるものです。減価償却方法は、定額法と定率法がありますが、定率法を採用するには、実験のために用いられる資産である等の条件があるため、殆どの固定資産が定額法で償却されます。償却期間は、固定資産の種類毎に、最短期間から最長期間が定められていますので、その範囲で選択し申請します。

2 会計記録
ベトナムの会計原則では、勘定科目および勘定科目番号が決まっており、それに合わせて記帳をします。勘定科目の追加や変更には財務省による認可が必要です。ベトナムの財務諸表については、貸借対照表、損益計算表、キャッシュフロー計算書および財務諸表の注記事項の4種類が財務諸表の1式となります。その様式は法令上決まっていますので、規定の様式に沿った作成が求められます。
会計帳簿への記帳には、勘定科目、摘要などをベトナム語で記載します。英語や日本語などの併記も認められますが、ベトナム語の記載は必須です。通貨単位も原則ベトナムドンですが、財務省の認可により外貨による記帳も認められています。その場合、ベトナムでの使用を目的とした財務諸表を作成するときは、期末のベトナム中央銀行による外貨為替レートを用いて、ベトナムドンによる財務諸表を作成しなければなりません。
収益、費用、資産、負債は、レッドインボイスなどの証憑類に基づいて記帳を行います。本シリーズの第三回、付加価値税がテーマの時にも触れましたが、レッドインボイスに不備がある場合は、会計記録の証憑として認められませんので注意が必要です。
取引がベトナムドン以外の通貨であった場合、その通貨建ての取引額と、その取引が発生した日のベトナム中央銀行による外貨為替レートを用いてベトナムドン換算額あるいは実際に使用した外貨為替レートで記載します。
記帳に使った証憑類及び会計帳簿は、最低10年間保存しなければなりません。

3 チーフアカウンタント制度
企業は、法人設立後1年以内に、経理責任者としてチーフアカウンタントの資格を持ったスタッフを任命し税務局に届け出なければなりません。
チーフアカウンタントは、一定期間の実務経験を経て、大学、短大、会計士協会などが設ける認定コースを受講し試験に合格して資格証明書を有する者です。当然ながら、経理責任者として、適切な職業倫理観を持ち、誠実であることが企業からは求められます。
チーフアカウンタントの責任は、会計・税務関連法令を遵守し、企業の経理部門を管理することです。決算書類の作成に際してはチーフアカウンタントとして署名が求められますので、財務諸表の作成には経営者とともに責任を有します。
現実問題として、チーフアカウンタント認定コースに登録後、実際にコースを受講しなくても受験可能であり、合格率はほぼ100%といえます。チーフアカウンタントの資格を持ったスタッフを雇っても、経理及び会計知識が乏しく資格を持っていても実力が伴っていないという話もよく聞きます。会社の責任を伴う重要なポジションですので、実力・経験豊富なチーフアカウンタントが求められます。

4 法定監査制度
外資企業は、作成した期末財務諸表に対し法定監査が義務付けられています。財務諸表がベトナム会計基準に準拠して適正に作成されているか、虚偽記載及び重大な誤りがないか等、監査法人が監査を実施し、その結果に対する意見を表明した監査報告書を作成します。監査報告書はベトナム語、及び日本語含め他言語で作成され、財務諸表と共に期末日から90日以内に関連する行政機関に提出します。提出先は、税務局、統計局、及び計画投資省ですが、工業団地に入居している企業などは工業団地管理員会に提出する場合もあります。
なお、ベトナムに法人を設立した日(ライセンス日付)から90日以内に決算期を迎える場合は、その年の決算を省き、次年度に纏めて決算及び監査を実施することが認められています。
また、法定監査は期末の1年に1度ですが、本社の方針等により中間及び四半期決算監査をすることもできます。

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