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[華南ビジネス] 通関に関わる費用徴収の免除について

内外の経済情勢を鑑み、国務院より9月16日付けで発布された「国務院弁公庁 対外貿易の安定成長の促進に関する若干意見」(国弁発[2012]49号)で、輸出の税還付徹底や貿易金融サービスの改善、貿易外貨管理システムの改革、輸出入行政費用の減免、FTAの促進等貿易環境の改善等の方針が出されたことを受け、税関や広東省の関連する政府機関においても輸出入業務に際し発生する税関費用、検験検疫費用等についての免除、暫時停止の動きがあります。

財政部及び国家発展改革委員会より、9月18日付け財綜[2012]71号として「輸出入に関わる行政費用の取消について」が発布され、2012年10月1日より、税関監管手続き費用を取消すことと、2012年10月1日より12月31日まで、出入国貨物、車両、コンテナ及びその他の法定検験検疫物品(出入国人員の予防接種等一部費用を除く)の出入国検験検疫費用を免除することが通知されました。

また税関総署公告2012年第45号(9月27日発布)《税関総署 対外貿易の安定成長促進に関する若干措置》の中では、企業分類の標準について、AA類企業評価標準をこれまでの年間輸出額3千万米ドル(中西部1千万米ドル)から50万米ドルに引き下げるとし、2012年10月1日から12月31日の間、前年度輸出入額が50万米ドルに満たないか或いは輸出入通関単件数が3,000件に満たない場合で、企業の通関申告ミス比率が3%、5%超であるが、記録回数が20回を超えないAA類、A類企業に対し暫時分類を下げずに維持するとし、過去に分類を下げた企業も回復申請が行えるとしています(第(九)項目)。また、2012年10月1日より輸出入に伴う通関単の出力費用について、通関単証明聯(輸入外貨支払用、輸出外貨入金用)と、税金還付聯の印刷費、通関単コード費用、税関監管手続き費用の徴収を停止するとしています。(第(十)項目)

広東省物価局は国務院49号を受け、2012年10月1日より、輸出外貨入金核銷票(輸出通関単外貨入金聯)、輸入外貨送金票(輸入通関単外貨送金聯)、輸出通関単税金還付聯の出力費用の徴収を停止するとあらためて明記し10月12日付けで通知しています。

各項目の単位当たり費用は少額であるにせよ、これだけの行政費用や手数料を一斉に免除することはまれであり、輸出や経済の低迷に対する国の危機感がうかがえます。

なお広東省では11月1日より物流業種と一部の現代サービス業種に対し、営業税から増値税への移行が行われます。輸出入に関わる通関代行サービス費用もこの対象であり、11月よりこれらの業種の企業からは増値税発票の発行が開始されます。通関サービスを利用する各企業は、上記の措置による費用の変動や増値税発票の取得などにも留意して、11月を迎えることになります。