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[M&A] 万達集団、W杯放送のスイス企業買収か

不動産系コングロマリット(複合企業)の大連万達集団(遼寧省大連市、万達集団)が、サッカーワールドカップ(W杯)の放送で独占販売権を持つスイスの企業、インフロント・スポーツ&メディアの買収を進めているもようだ。3日付新京報が複数のメディアの報道を引用する形で伝えた。
インフロントはスポーツ番組制作と放送を手掛ける世界最大規模の企業。2015~22年の期間、アジア26カ国・地域でのW杯などの放送について独占販売権を保有している。10年の南アフリカ大会、14年のブラジル大会でもアジアで放映権を販売した。万達集団が買収に乗り出す狙いは、こうしたスポーツイベントの放送権の獲得にあるとみられる。
体壇週報によると、インフロントの企業価値は9億ユーロ(約1,195億円)で、万達集団が全株式を取得するには10億ユーロ以上が必要という。
AFP通信(フランス)は、万達集団が買収に成功した場合、万達集団の世界での影響力がいっそう高まると報道。万達集団はこれまでにコメントなどを発表していないが、今月中に記者会見を開き、正式発表するとの情報もある。
万達集団は1月21日、スペインサッカー1部リーグの強豪アトレチコ・マドリードに4,500万ユーロを出資し、クラブ株式の20%を取得すると発表。不動産業の依存からの脱却を掲げ、事業の多角化と国際化を進めている。(NNA.ASIA