M&A

[M&A] 本土企業のシンガ上場緩和、香港は影響軽微

シンガポール取引所(SGX)と中国証券監督管理委員会(証監会)が中国本土企業のSGX上場枠組みに合意したことについて、香港の金融業界は「影響は軽微」と冷静に受け止めているようだ。

27日付信報によると、会計監査大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)の陳朝光(エドモンド・チャン)資本市場サービスポートフォリオパートナーは「香港の証券市場は流動性が高く、上場後の資金調達能力を考えた場合、香港はまだ優位性がある」と指摘し、香港への影響は大きくないとの考えを表明。ここ数年もシンガポール上場企業が香港上場を選択するケースは少なくないとした。

投資銀行業界関係者からも、本土の中小企業は膨大な数あるとし、「パイが大きいので、人民元業務と同様、1人ではとても裁ききれない」との声が上がっている。ただ、市場の一部では中国中央政府は徐々に香港への依存度を低下させようとしており、香港は自身の役割と価値を見直すべきだとの意見も出ている。

香港取引所(HKEX)の広報担当者は、本土企業のSGX上場規制緩和についてノーコメントとしている。SGXは25日、証監会と本土企業のSGX上場枠組みに合意したと発表。証監会から認可を取得した中国企業は、SGXへの上場申請が可能になる。(NNA.ASIA