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香港HSBCが顧客に対する口座維持手数料の免除を決定した背景

香港HSBCが顧客に対する口座維持手数料の免除を決定し、これにより、仮想銀行との競争に備えている競争相手が追随することを刺激する可能性がある。

今年の当該措置設置により、他の大手金融機関もこれに追随する可能性が高いとアナリストは言及している。残高が5,000香港ドル(≒640米ドル)を下回る小規模預金者には月額50香港ドルの手数料が発生するも、銀行の最も忠実な顧客にとって、一種の違約金と見なされてきた。

香港HSBCは、香港で300万人の顧客に適用されている口座維持最低残高手数料を廃止する予定で、今年後半にオンライン化する仮想銀行押し寄せて参入し、激しい競争に備えての、他大手金融機関が追随する可能性が高い。

通帳利用の普通預金口座を持つ小規模預金者と、口座残高が5,000香港ドル(≒640米ドル)を下回るその他の基本銀行口座、に対する口座維持手数料50香港ドル/月は、長い間、銀行の最も忠実な顧客にとって一種の違約金と見なされてきたが、これは18年前に登場した仕組みである。


香港HSBCは、8月1日の水曜日から、通帳口座、明細書口座、個人口座並びにアドバンスインテグレーティッド口座やスーパーイーズ口座を保持している約300万人の個人顧客に対し、無償での基本的な銀行サービスを提供に返り咲く最初の香港における金融機関になると述べた。また、窓口取引手数料のような、小規模預金者が直面している関連費用についても、撤廃されると見込まれている。

「300万人以上のリテールバンキングの顧客は、我々が維持する個人普通口座の残高不足による手数料、窓口取引手数料及び年会費の撤廃の恩恵を受けるでしょう」、と香港HSBCの香港リテールバンキング並びにウェルスマネジメント担当責任者であるグレッグ・ヒングストン氏は述べており、「これは、香港の大手金融機関として、香港HSBCのファイナンシャルインクルージョンを促進し、あらゆる背景を持つ顧客にとって、銀行の利用を容易にするというコミットメントを強化するための重要なステップです。」と加えた。

当該手数料の廃止は、特によく利用されているHSBCアドバンス口座にも適用され、預金総額と取引金額の総額を合わせて200,000香港ドル(≒25,550米ドル)を下回った場合に課金される、月額120香港ドルも含まれる。

KGI証券のディレクターであるベン・クォンマンブン氏は、「香港HSBCが口座維持最低残高手数料をキャンセルするという決定は、今年の第4四半期に香港に8つの新しい仮想銀行が設立されるという事実に関連しています」と述べており、「香港HSBCは何百万もの顧客に留まるよう説得するために、今こそ行動を起こす必要があり、そうしなければ、小規模預金者は、諸々の手数料を請求しない仮想銀行への加入を選択するかもしれません。」

香港の事実上の中央銀行である香港金融管理局(HKMA)は、2019年3月以来8行の仮想銀行免許を発行している。これら貸し手は支店網を持たず、純粋にオンラインで運営している。

仮想銀行は、小規模預金者に対して口座維持最低残高手数料を請求することを禁じられており、これが顧客を引き付けるためのセールスポイントとなっているとみられる。

「8行の仮想銀行が業務を開始すると、競争はさらに激化するでしょう。他の伝統的な銀行も香港HSBCに従い、同様の動きを取る可能性が高い」とクォン氏は述べ、「香港HSBCのすべてを、オンラインにて無料で入手することに慣れている、若くて技術に精通した顧客は、口座維持最低残高手数料を支払いたくない。最低料金を廃止することは、香港HSBCが若い顧客を維持するための賢明な動きです。」と補足した。

広報担当者によると、香港HSBCの一部門である恒生銀行も、口座維持最低残高手数料を廃止する計画を検討しているという。

広報担当者は、「銀行は、自社の企業戦略、サービスモデル及びコストに応じて料金体系を策定する必要があります」と述べ、「しかしながら、HKMAは、銀行がビジネス原則に基づいて銀行を運営している一方で、基本的な銀行業務に対する国民の期待とニーズを念頭に置くよう、銀行に注意を促してきました。」とも述べている。

香港HSBCは声明の中で、当該手数料の廃止は、「顧客の多様な銀行ニーズ」に対応するための「よりシンプルで安価な」銀行サービスの提供(人々の生活)を目的としていると述べた。オンライン調査によると、香港の銀行の顧客は、平均して5種類の銀行商品を使用している。

新たに認可された仮想銀行8行には、香港内の2つの紙幣発行銀行が主導する2つの合弁会社、中国銀行(香港)及びスタンダードチャータード銀行が含まれている。

また、中国初のオンライン保険会社である、衆安在線財産保険が主導する合弁事業も含まれ、小米-尚乘グループベンチャーがInsight Tech、並びにテンセント・ホールディングスICBC(アジア)及び香港交易及結算所有限公司(HKEX)を含む無限コンソーシアムと呼ばれている。

他の3つは、地場系のユニコーン企業であるWeLab、中国本土で2番目に大きな生命保険会社の中国平安保険の子会社ピンアン・ワンコネクト、並びにアント・ファイナンシャルサービスのアントSMEサービス、である。

原文、2019年6月19日更新)