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[華南ビジネス] 黄埔税関と東莞市政府による36か条の加工貿易転換促進措置

税関総署と広東省が5月に署名した《税関総署、広東省人民政府 全国加工貿易モデルシフト・アップグレードモデル地区の共同建設合作備忘録》(以下、備忘録)を具体的に実施するために、7月8日、黄埔税関と東莞市政府は《黄埔税関と東莞市政府が〈備忘録〉を実行するための実施意見》(以下、実施意見)を発布し、その中に36か条の加工貿易転換促進措置を盛り込んでいます。

実施意見は〈備忘録〉の内容に沿って次のように構成されています。

  1. 加工貿易監督管理モデルの刷新
  2. 加工貿易モデルシフト・アップグレードと順次転換の共同促進
  3. 加工貿易企業の国内販売市場開拓の共同促進
  4. 加工貿易サプライチェーン延長の共同推進
  5. 国際サービスアウトソーシング発展の共同促進
  6. 税関特殊監督管理区域の申請設立
  7. 企業の信用遵法経営の共同促進
  8. 黄埔税関と市政府の連席会議制度構築

内容の内注目される事項としては、まず税関が加工貿易企業及び貨物の管理のシステム化、手続きの簡便化を今後図っていく措置が挙げられます。

ネットワーク管理を外経部門、企業、税関の三者間とし、加工貿易の認可から手冊の核銷までを行えるプラットフォームの構築を目指すと同時に、ネットワーク管理の対象企業を増やしていきます。企業分類がB類の企業に対しては積極的にA類への昇格を促進することが盛り込まれています。単耗、外注加工、転廠、国内販売等の手続きについて規範化、簡便化が図られる計画です。

法人化については、転換中の来料と進料の同時併存期間を延長申請により最長1年とするほか、元の企業分類を維持できるとされていますが、一方で、今後は原則的に新規の来料加工を認可しないことも明記されています。

加工貿易で今後優遇されるのは、中国の政策に掲げられる新興産業分野(設備製造、新エネルギー、半導体、環境技術、電気自動車等)のほか、国際アウトソーシング業務もあります。ソフトウェア開発、研究開発設計、データ処理、検測メンテナンス、ファイナンスリース、物流配送等が含まれており、これらの業種を保税地域で展開することに対する奨励や、自社使用の設備を輸入する場合の保税措置等が盛り込まれています。

保税区域としては、東莞市において松山湖総合保税区、虎門総合保税港(区)の申請と、保税物流中心(B型)内でのアフターセールスメンテナンス業務が計画されています。