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今回は、香港会社買収のメリットとして、CEPAを利用して中国進出を図るケースをご紹介します。

外資誘致は生産業種からサービス業種へ移行

これまでの中国への進出は、人件費などのコスト削減や、原材料調達などを目的とした生産拠点の移管がほとんどでし た。中国の外資誘致政策は、生産加工、輸出を行う外資の生産企業を誘致して雇用と技術導入を促進することによる経済発展を図る一方で、サービス業は国内産 業保護のためもあり、外資の参入はほとんど認められていませんでした。2001年にWTOに加盟後、サービス業種は次第に外資へ門戸を開放し始め、流通業、物流、建築業種などはすでに100%外資企業の設立が可能となっています。市民の生活水準も多いに向上し、外資企業にとって今や中国は販売の市場として捉えられるようになっています。

CEPAの枠組み

中国は世界の各国・地域と自由貿易協定の枠組みを構築していますが、その一つであるCEPAは中国と香港、及び中国とマカオの緊密な経済合作協定(Closer Economic Partnership Arrangement)です。香港・マカオ原産貨物の中国への輸入関税免除と、サービス業種の進出を他国に一歩先んじて開放することが協定の主な柱です。2004年より施行され、毎年内容が更新されることになっています。

サービスサプライヤーの認可

他の海外企業に先駆けて香港企業へ進出の認可を認めるサービス業の種類は年々増加し、2007年の協定内容の更新により2008年から施行する香港企業への優遇は全部で38の項目にわたっています。主なものは添付図の通りです。サービス分野の開放が進んでいるとはいえ、金融、通信分野や、弁護士・会計士などの分野ではまだまだ外資の参入ハードルが高い分野もあります。

手続き手順としては、香港の工業貿易署へ先ず香港企業の認定証書である香港サービスサプライヤー(HKSS)証書を申請取得し、中国での認可申請の際にこの証書を添付します。サービスサプライヤーの条件には事業活動の場所や地元の従業員など事業所の実体があることや、3年から5年など一定期間の申請業種の経験があることなどが含まれています。申請の前1年以内に出資者に変更がある場合は報告しなければならず、特に50%超の株式を外国企業が取得した場合には、取得後1年を経て香港企業として認められ、HKSS証書の取得が可能とされています。また、100%子会社の運営するサービス業種について持ち株会社が申請することも可能とされています。

中国での設立申請時、HKSS証書を添付して申請した香港企業は、認可の過程で問題があれば香港の工業貿易署にフィードバックし、政府間の調整を努力することになっています。

このように、設立に関し外資企業に対して制限のあるこのようなサービス業種については、海外企業が香港の事業実績のある企業へ出資或いはこのような企業を買収し、中国への新たな進出の足がかりとしていくことになるわけです。

(この連載で紹介するM&Aのケースは、M&A体験者から伺った実例を基に編集したものです。M&Aの実務に対し何ら保証するものではありません。)

(以上)

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