インドネシア オムニバス法

インドネシア・労働法令に関する一部改正

インドネシアにおける労働法令は、2003年13号法律(労働法)で従前からの大幅改正がなされました。その後、一部法令の違憲判決や、下位法令での調整を経て、2020年のオムニバス法(11号)によって一部改正がなされ、オムニバス代替政令(2022年2号)により、さらに、規定が改訂されています。

なお、オムニバス代替政令により、オムニバス法(雇用創出法2020年11号)施行後に下位法令として施行された規則等は、代替政令下においても有効であると規定されています。また、いずれの法令も、従前の2003年労働法の一部を改正しており、実際の運用には2003年労働法と共に、オムニバス法・代替政令と下位規則を確認のうえ、労務マネージメントを粉う必要があります。

代替政令においては、これまでのオムニバス法規定から大きな変更はありません。大枠に変更は無いものの、一部規定が改正されています。下記では、改正点のサマリーを記載します。

業務委託(アウトソーシング)

オムニバス法では業務委託(アウトソーシング)の規定が削除され他の省庁令に規定がない限り全面解禁と考えられていましたが、代替政令では書面契約によることと、追って政令で指定される一部の業務と限定されることとなりました。

残業時間

1日最長4時間、1週間で18時間(従前は1日3時間、1週間14時間)

長期休暇

従前の労働法の6年以上の者に付与する長期休暇規定は、オムニバス法では削除されていましたが、代替政令では雇用契約・就業規則・労働協約で付与を盛り込むことが出来ると変更れています。

賃金

最低賃金について、州・政府はオムニバス法で規定された算出方法に基づかず、一定の変数指数を定めて、インフレ、物価上昇率、経済成長率を加味して最低賃金を計算できることを規定した。

上記は変更となった主な点となります。

特に最低賃金に関する変更は、政府による恣意的な変数・指数の設定により最低賃金をコントロールすることが懸念されており、経営者協会と労働団体の両者から異議・異論が指摘されています。