香港 クロスボーダー税制

香港特別行政区政府がEUによる税務協力事項に関するウォッチリストからの除外を歓迎

香港特別行政区(Hong Kong Special Administrative Region、以下「HKSAR」)政府は本日(2月20日)、オフショア受動的所得非課税(Foreign-sourced Income Exemption、以下「FSIE」)制度が欧州連合(Europe Union、以下「EU」)の関連規制に完全準拠していることを確保するための香港の取組みが評価され、EUによる税務協力事項に関するウォッチリストから除外されたことを歓迎した。

香港財経事務及庫務局(Financial Services and the Treasury Bureau)局長のクリストファー・ホイ(Christopher HUI/許正宇)氏は、「香港は国際金融センターとして、クロスボーダー取引における租税回避活動に立ち向かう、国際税務協力を常に支援してきました。また、FSIE制度は最適な制度へ改善され、この1月に発効しました。EUがこの分野における私たちの取組みを認め、香港をウォッチリストから外したことを受け、嬉しく思います。香港の税務競争力を維持していきながらも、香港は今後も国際税務基準を遵守し続けます」と述べた。

EUが2021年に香港をウォッチリストに加えたことに反応し、HKFRS政府は、2023年1月に新たなFSIE制度を導入した。当該制度の下では、外国源泉(オフショア)の受取配当金、利子収入、知的財産の使用から稼得される収入、並びに香港の株式や持分に関連する処分益を受取る多国籍企業体は、香港において非課税を享受するため、経済的実質要件を満たさなければならない。2022年12月、EUはFSIE制度に関する最新のガイダンスを公布し、FSIE制度の非課税対象となる一般所得の区分として処分益を明示し、関係する納税者に経済的実体要件を満たすことを義務付けた。香港を含むFSIE改革が進行中の税管轄区域は、必要な法改正が完了するまで、ウォッチリストへの掲載が維持される。

これに関連し、HKFRS政府は、昨年12月に2023年税務(改正)(特定の外国源泉処分益に対する課税措置)条例を制定し、オフショアの売却益に関連する資産の範囲を、株式や持分以外の資産にも拡大することでFSIE制度を最適な制度に改善した。この改善されたFSIE制度は、今年の1月1日付で発効している。

ホイ氏は、「HKSAR政府は将来を見据えて、持続可能な市場発展に向けた新たな促進力を創出するために、新たな政策や措置の実施を推進し、実行し続けていきます。私は香港が今後も良好なビジネス環境を維持し、国際金融及び商業センターとしての地位を強化すると確信しています」と述べた。

世界的な地政学的状況や高金利環境の影響にもかかわらず、香港は回復力を維持し、国際金融センターとしての競争力を強化し続けている。香港は、簡素な税制、海外の主要な市場と連携した規制制度、資本と情報の自由な流れ、並びに多様な人材プールなど、独自の利点を有している。香港は、世界的優位性と中国的優位性が1つの都市に集まる世界で唯一の場所である。このユニークな融合により、香港は世界の金融市場や投資家への中国の玄関口となっている。

香港の金融市場は、国際性を備えている。香港は、世界最大の国際銀行センターの1つであり、世界の大手銀行100行のうち73行が香港で営業している。保険業界では、世界の保険会社上位20社のうち11社が香港での事業活動を認可されている。

金融業界のあらゆる面において、香港は全体的に好調な業績をあげている。例えば、資産・ウェルスマネジメント事業の規模は、2022年末までに30兆5000億ドルに達し、そのうち64%は香港外の投資家からの調達によるものとなっている。香港で設立され本拠地を置くファンドの運用資産規模は、2023年度の第1四半期から第3四半期までに536億ドルの純資金流入を記録し、2022年の同時期と比較し215%以上増加したことを示している。2023年における上場投資信託の1日の平均取引高は118億ドルに達し、前年比20%増加した。

我が国家(中国)も香港の金融業界に対し、強固なサポートを提供している。今年1月24日、中央人民政府とHKFRS政府は、中国本土と香港の間の金融協力を深化させるため、6つの新たな措置を共同で発表した。金融市場への相互アクセスを拡大し、本土債券市場への投資の流動性管理に対する国際投資家のニーズによりよく応えることで、国際金融センターでかつ世界的なオフショア人民元ビジネスハブとしての香港の地位がさらに向上することとなる。

原文:HKSARG welcomes EU’s removal of Hong Kong from watchlist on tax co-operation、2024年2月21日更新