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珠江デルタの中小企業が存亡の危機

「世界の工場」の異名のある中国広東省の珠江デルタ地帯で、中小企業が業績悪化に直面し、平均で前年比3~4割の減益となっていることが分かった。中国中央ラジオ局が伝えた。北京大学国家発展研究院などの質問に対し、圧倒的多数の中小企業が、原材料価格の上昇が最大の問題だと回答。大部分の業種で原料価格が前年比で20~50%上昇していると述べた。

広東省東莞市の靴メーカー「巴巴靴業」の経営者によると、現在の危機は2008年のリーマン・ショック時よりも中小企業にとってさらに事態は深刻。同市の靴メーカーの輸出受注量は前年より50%も減っている。毎年、下半期の数カ月はクリスマスに向けて注文が増えるが、今年は特に変化がない。一部企業は注文があっても原材料価格の高騰で打ち消され、逆に赤字になる場合もあるという。中小企業は資金調達難にも直面。現在、中小企業向けの貸出金利は、基準金利プラス30~40%に上る。中国人民銀行広州分行によると、上半期の民間金融会社の貸出金利は平均18.45%。小口融資会社の6割以上が、基準金利の2倍以上に金利を設定している。(香港ポスト