
中国
海南自由貿易港
中国・海南自由貿易港の更なる貿易自由化と利便化
海南自由貿易港は、2025 年12月18日より正式に全島を「域内の税関外」である税関特殊管理区域として、ゼロ関税等の自由化・利便化政策を実行し運営される(=「封関運営」)ことが党中央より認可された旨が、7月23日国務院新聞弁公室より発表されました。この政策は「一線開放、二線管理、島内自由」を基本特性とした制度で「封関運営」開始日より実施されます。税制と通関制度に関する新たな通知が発布され、島内で条件を備え認定された企業等が享受でき(=「享受主体」)、これまでの“ゼロ関税”政策に関する一連の通知は廃止とされるなど現行政策に比べ自由化と利便化の効果を高めるとされています。
企業所得税、個人所得税、輸出入関税・増値税に関する優遇については、『海南自由貿易港の税制優遇について』もご参考ください。
目次
財関税[2025]12号:一線、二線の定義と優遇税制
1. 『一線』とは
海南自由貿易港と中華人民共和国の境外その他の国家と地区の間に設置される。
“一線”経由で海南自由貿易港に搬入される貨物で、国家が輸入を禁止するか法律、行政法規により免税或いは保税を与えないと明記されるものを除き、以下の規定に基づき手続きする。
1-1. “一線”輸入時課税する貨物のリスト管理を行い、リスト内の輸入貨物に対し規定通り関税、増値税、消費税を徴収する。(輸入課税商品リスト)
1-2. 海南自由貿易港に登記登録する次の「享受主体」
- 独立法人資格を有する企業
- 事業単位
- 国及び省科技部門・教育主管部門認定の非民営企業単位が、課税商品リスト外の貨物を輸入する場合、輸入関税と輸入段階の増値税及び消費税の徴収を免除する(=“ゼロ関税”と略称する)。
「享受主体」が自ら輸入関税・輸入段階の増値税と消費税(もしくは輸入段階の増値税と消費税)を納付したい場合は、税関に申請することができ、“ゼロ関税”を放棄し輸入後、12か月以内は同類貨物の“ゼロ関税”輸入を行うことはできない。
1-3. 上記及び現行の保税・減免税輸入貨物を除き、その他の輸入貨物には規定通り輸入関税・輸入段階の増値税と消費税が課税される。
1-4. “ゼロ関税”貨物に対し税関電子帳簿を設立し、情報化・スマート化された運用を行い管理し、特定減免税貨物に則った税関手続きは行わない。必要に応じて検査、照合を行う。
1-5. 享受主体名簿は海南省人民政府より確定し逐次調整され、且つ財政部、税関総署、税務総局等関連部門にて備案される。
現行政策との比較
※「享受主体」は現行の企業のみから、事業単位や非民営企業単位等に拡大した。
※ゼロ関税商品範囲は現行の1900品目から6600品目に増加し、全品目の74%に達するとされている。
2. 『二線』とは
海南自由貿易港と中華人民共和国境内のその他の地区(以下内地と略称)との間に設置される。
“二線”経由で内地に搬入される“ゼロ関税”貨物及びその加工生成品に対し、次の規定に基づき管理する。
2-1. 享受主体は税関にて、(“一線”)輸入材料に基づき輸入関税・輸入段階の増値税と消費税を追加納付する。
2-2. “一線”輸入時或いは島内流通段階ですでに輸入税収を納付或いは追納済みの場合、“二線”段階での再度納付は不要である。
2-3. 島内流通段階で国内段階の増値税を納付済みの場合、“二線”段階での再度納付は不要である。
2-4. すべての税収を納付或いは追納済みの貨物は国内流通規定に基づき管理し、規定通りに国内段階の増値税と消費税を納付する。
3. 加工付加価値品への関税免除
海南自由貿易港内の奨励類産業企業が生産する、輸入材料を海南自由貿易港で加工し30%(含む)以上付加価値を増加した貨物を、“二線”経由で内地に輸入する場合、輸入関税を免除し、輸入段階の増値税と消費税を規定通り徴収する。
現行政策との比較
※現行の「奨励類産業主要業務が収入の60%を占める」という制限を撤廃した。
※加工増値免税対象貨物について、現行の保税貨物に“ゼロ関税”貨物を組み入れた。
※加工増値計算は、保税貨物が上流・下流の異なる企業の加工製造を経る場合の累計で計算することが認められる。
4. 島内流通
“ゼロ関税”貨物とその加工生成品が海南自由貿易港内で流通する際、以下の規定に基づいて行う。
4-1. “ゼロ関税”貨物とその加工生成品が条件を満たす享受主体間で流通する際、輸入関税・輸入段階増値税と消費税の追納は不要である。享受主体は必要に応じ自ら輸入関税・輸入段階増値税と消費税(若しくは輸入段階増値税と消費税)の追納を選択できる。
4-2. 享受主体が“ゼロ関税”貨物とその加工生成品を、非享受主体及び個人との間で流通させる場合、第2.条の規定に基づき、輸入材料に基づき輸入関税・輸入段階の増値税と消費税を納付し、国内段階増値税と消費税を規定通りに徴収する。
4-3. 輸入税納付済み或いは追納済みの貨物は、国内流通規定に基づき管理し、国内段階の増値税と消費税を規定通り徴収する。
現行政策との比較
※ゼロ関税商品及び加工製品が現行の自社使用のみから、島内享受主体間の自由な流通時にも輸入時の税を免除としたまま、可能となった。
5. 特別課税措置(四類措置)
“一線”経由で輸入時に関税クオータ管理・貿易救済措置を実施、減免税を中止し関税増加措置を実施、報復関税による課税措置(関税増加排除獲得貨物を除く)(以下四類措置と総称)を採る“ゼロ関税”貨物に対し、以下の規定の通りに手続きを行う。
5-1. “ゼロ関税”貨物が四類措置貨物に該当する場合、“一線”輸入時、第1.条規定に基づき実行し、且つ国の統一規定に基づき四類措置を実行する。
“ゼロ関税”貨物とその加工生成品を“二線”を経由し内地に輸入する時、第2.条規定に基づき実行し且つ四類措置を実行する。島内流通時、第2.条に基づき輸入関税・輸入段階増値税と消費税を追納し且つ四類措置を実施する。四類措置を実行後、重複して実行しない。
5-2. “ゼロ関税”貨物は四類措置に該当しないながら、その加工生成品が四類措置貨物に該当する場合、その加工生成品が“二線”経由で内地に輸入される、または島内流通段階では、申告検査の実態状況に基づき本通知の第2.条4.条の規定に基づき実行し、且つ四類措置を実行する。“ゼロ関税”貨物がすべての輸入税を納付済み或いは追納後、その加工生成品は国内流通規定に基づき管理し、あらためて四類措置を実行することはない。
6. 内地からの搬入、海南島からの離境
内地から“二線”経由で海南自由貿易港に入る貨物は、国内流通貨物として管理する。海南自由貿易港から“一線”経由で離境する貨物は、輸出に基づき管理する。
7. 『ゼロ関税』貨物は以下の管理を行う。
7-1. 海南自由貿易港に登記し且つ独立法人資格を有し、交通運輸、旅行業に従事する企業は、交通運輸、旅行業に用いる車両、船舶、航空機等の営業用交通手段及びヨットを“ゼロ関税”輸入することができる。航空機国籍登記、権利登記等の国家法律法規と部門規則に規定するものを除き、“ゼロ関税”交通手段とヨットは海南自由貿易港にて登記或いは国籍登記しなければならず、交通運輸、民航、海事等の主幹部門関連の規定に基づき運航し監督管理を受ける。航空企業は海南自由貿易港を主要運営基地とする。航空機・船舶は海南自由貿易港を始発とするか或いは海南自由貿易港を経由した国内外航路を経営する。ヨットの航行範囲は海南省とする。車両は内地との往来の旅客・貨物運輸に従事でき、始発地及び目的地のいずれかは海南自由貿易港内とし、内地停留時間は年間累計120日を超えないものとする。その内、海南自由貿易港から内地への片道直通車、往復の旅客・貨物は日数制限を受けない。上述規定に違反する場合、関連の輸入税を追納するものとする。
7-2. 航空機、船舶、ヨット、生産設備の修理(関連部品を含む修理)の“ゼロ関税”貨物が、以下の条件の一つに該当する場合、海南省内での修理には輸入関税、輸入段階の増値税と消費税を免除するが、その後別の用途に用いてはならない。
- 修理のため国外から国内に輸入し再輸出される航空機、船舶(関連部品を含む)
- 海南省を主要基地とする航空企業の運営する航空機の修理
- 海南自由貿易港に登記し且つ独立法人資格を有する船舶運輸会社の運営する、海南省内の港が船籍港である船舶の修理(関連部品を含む)
- “ゼロ関税”輸入されたヨット及び生産設備の修理(関連部品を含む)
8. 享受主体の認定手続き
享受主体の認定手続きについては、認定基準、認定部門及び管理要求等具体的な管理措置、“ゼロ関税”貨物の具体管理措置、及び規定違反時の処理基準、処理方法、部門共同懲罰措置等を含み、海南省人民政府の関連部門より確定する。
9. 規定違反
本通知の規定に違反し脱税し、密輸行為或いは税関監督管理規定違反がある場合、税関等の監督管理機構より規定に基づき処理し、犯罪を構成する場合、刑事責任を追及する。
10. 監督及び報告
財政部海南監管局、海口税関、国家税務総局海南省税務局は海南省内の関連部門と共同で海南自由貿易港内の本政策実行時の監督検査を強化し、違反行為を防止するものとし、重大状況については速やかに財政部、税関総署、税務総局に報告する。
11. 政策実績の報告
政策実施の日から、海南省は適時に政策の実施効果を評価し、定期的に財政部、税関総署、税務総局に享受主体状況、“ゼロ関税”貨物輸出入データ等を含む実施状況を報告するものとする。税関、税務等の部門は本通知に関わる納付済み或いは追納済みの輸入税金、納付済みの国内段階の税金等のデータにつき適時に共有するものとする。
12. 政策最適化
全面的な評価と、条件を満たした上で、財政部、税関総署、税務総局は関連部門と共同で、海南省の実際のニーズと監督管理条件を考慮し、政策内容をさらに最適化する。
13. 現行規定の継続
本通知に記載の無い事項については、保税政策、減免税政策、越境Eコマース、税関特殊監督管理区域等を含み、現行規定がある場合その規定に基づいて実行するものとする。
※企業所得税及び個人所得税の現行優遇政策を継続実行する。
※“ゼロ関税”商品範囲は継続して拡大していく。
※個人の“離島免税”ショッピング政策を継続する。
※島内住民の国外からの輸入商品関連税収政策を積極的に研究し、島内住民がある程度輸入商品を購入することを認める。
※販売税収改革推進について研究を推進する。
14. 施行日及び廃止規定
本通知は海南自由貿易港の「封関運営」開始日に施行され、同時に以下通知は廃止される。
- 《財政部 税関総署 税務総局 海南自由貿易港原材料・補助材料“ゼロ関税”政策に関する通知》(財関税[2020]42号)、同調整通知(財関税[2021]49号)、(財関税[2025]1号)
- 《財政部 税関総署 税務総局 海南自由貿易港交通手段及びヨット“ゼロ関税”政策に関する通知》(財関税[2020]54号)、同調整通知(財関税[2023]14号)
- 《財政部 税関総署 税務総局 海南自由貿易港自社用生産設備“ゼロ関税”政策に関する通知》(財関税[2021]7号)、同調整通知(財関税[2022]4号)
海南自由貿易港『ゼロ関税』享受主体認定管理弁法
1. 認定条件
- 海南自由貿易港に登記し且つ独立法人資格を有する企業
- 海南自由貿易港内の事業単位
- 科技部、教育部が民生部と共同で確定するかあるいは省級科技、教育主管部門が同省民生部門と共同で確定した、海南自由貿易港に登記した科学技術類、教育類の民間非企業単位のいずれかで、且つ同時に以下の条件を満たす場合、享受主体資格を申告することができる。
- 経営(活動)異常名簿に掲載されていない
- 税関信用失墜企業名簿に掲載されていない
- 厳重違法信用失墜名簿に掲載されていない
2. 認定手順
(1) 毎月15日までに
〈海南自由貿易港“ゼロ関税”輸入貨物享受主体資格申請表〉
〈申告承諾書〉
及び以下のいずれかの資料を、“ワンストップ窓口”画面の関連頁にアップロードして申請提出
- 独立法人資格企業の場合、営業許可証副本電子版
- 事業単位の場合、事業単位法人証書電子版もしくは海南自由貿易港内の経営場所証明資料電子版
- 民営非企業単位登記証書電子版もしくは海南自由貿易港内の経営場所証明資料電子版
(2)”ワンストップ窓口”にて提出された主体に対し、省市場監督局、省委編弁、省科技庁、省教育庁、省民政庁、海口税関、省税務局より審査される。提出資料が揃う場合、原則5営業日以内に審査を終了し、必要がある場合現場検査を行う。審査後不合格の場合、”ワンストップ窓口”経由で申請主体にフィードバックされ審査手続きはクローズされる。資料の追加、修正がある場合、申請主体は3営業日以内に再提出させ、再度5営業日以内に審査後合否を通知する。審査通過合格後、名簿確定段階に入る。
関連部門が審査通過合格した申請主体名簿は海南省人民政府に報告され確定し、“ワンストップ窓口”より海南自由貿易港税関のスマート監督管理プラットフォームに転送される。また“ワンストップ窓口”にて審査結果を検索できる。
享受主体名簿は海南省人民政府から財政部、税関総署、税務総局等の関連各部門へ備案される。備案は原則的に半年に1度行われる。
税関による加工付加価値貨物関税免除政策
税関総署公告 2025年第158号
1. 定義
海南自由貿易港内の奨励類産業企業が生産する、輸入材料を含み海南自由貿易港で加工し30%(含む)以上付加価値を増加した貨物を、“二線”経由で内地に輸入する場合、輸入関税を免除し、輸入段階の増値税と消費税を規定通り徴収する。
※奨励類産業企業:海南自由貿易港で登記され、独立法人資格を有し、海南省の公共情報サービスプラットフォームで備案手続きを完成した企業(以下備案企業と呼ぶ)
※輸入材料とは:国外から海南自由貿易港に搬入され輸入税納付手続きを行っていない貨物を指し、保税貨物及び“ゼロ関税”貨物を含む。輸出通関を行って海南自由貿易港税関特殊監督管理区域に搬入される貨物には保税監督管理措置を実施する。
※30%(含む)以上付加価値を増加した貨物とは:備案企業が海南自由貿易港内で輸入材料の貨物を含み製造・加工した付加価値部分が、輸入材料及び境内仕入材料価格合計の30%に達するか超えることを指す。
2. 加工付加価値の計算公式
〈30%以上付加価値増加の計算公式〉
計算式
[(貨物国内販売価格 - Σ輸入材料価格 - Σ国内仕入材料価格)/(Σ輸入材料価格 + Σ国内仕入材料価格)]× 100% ≧ 30%
国内販売価格: 備案企業が内地で販売する、輸入材料を含む製造・加工により取得した貨物の取引価格で確定する。
輸入材料価格: 備案企業の輸入材料の取引価格により確定し、中華人民共和国境内への運輸及び関連費用、保険費を含む。(《輸出入貨物課税価格弁法》《国内販売保税貨物課税価格弁法》を参照)
国内仕入材料価格: 公認の会計準則により認可される価格とし、備案企業が境内で仕入れた材料の工場着荷価格により確定し、国内の増値税を含まない。認定を経た海南自由貿易港の原産貨物価値は境内仕入材料価格から控除する。
※海南自由貿易港原産貨物の認定は、海南省商務長により研究制定され国務院の関連部門にて備案する。
〈累計計算公式〉
海南自由貿易港税関特殊監督管理区域、保税監督管理場所内の企業及び、加工貿易に従事する企業の保税輸入貨物が、海南自由貿易港内の生産工程を経て、サプライチェーンの 上流・下流で異なる備案企業の加工製造により発生する付加価値について、累計して計算することができる。
計算式
[(貨物国内販売価格-Σ関与企業の累計輸入材料価格-Σ関与企業の累計境内仕入材料価格)/(Σ関与企業の累計輸入材料価格+Σ関与企業の累計境内仕入材料価格)]×100%≧30%
関与企業の累計輸入材料価格とは、各備案企業の生産投入した輸入材料価格の合計。
関与企業の累計境内仕入材料価格とは、備案企業の生産投入した境内仕入材料価格の合計。
3. 手続き
- 税関は、海南省の構築する公共情報サービスプラットフォームにて海南省関連部門と企業備案等情報を共有し、当該プラットフォームは企業備案と、材料・加工生成品備案、加工付加価値関連業務手続きを行えるようにする。
- 企業は初回の付加価値関税免除政策享受の申請時に、申請関連資料を指定機関に提出し、市・県の初期審査を経て海南省商務庁及び海南省関連部門の審査同意を経て、海口税関による税関監督管理条件に符合するかどうかの評価後、海南省の構築する公共情報サービスプラットフォームを通じて税関向けに企業情報、材料及び加工生成品情報、加工工程と付加価値部分の累計計算を行う直接の上下流備案企業等を含む情報を備案する。
- 海南自由貿易港から内地への輸入貨物に加工付加価値関税免除政策を享受する前に、備案企業は税関にて付加価値申告手続きを行わなければならない。備案企業は付加価値の関連情報を正確に計算し、如実に申告し、自己申告データの真実性、正確性、完全性に対し責任を負い、相応の法律責任を負うものとする。
- 加工付加価値が30%以上の場合、税関はシステムで国内販売の輸入関税免除確認番号を生成し、企業は当該番号で輸入通関申告手続きを行う。
- 税関は加工付加価値業務のリスク情報を随時収集分析し、備案企業の申告する付加価値比率、価格、商品分類、原産地等の税関連要素に対し抜き取り調査を行う。
- 税関は備案企業に対し電子帳簿管理を実施し、法により企業に対し調査、検査を行う。
4. 関税免除を与えない情況
輸入関税を免除しない加工付加価値30%以上の貨物:
(1) 輸入材料或いは加工後の製品が関税クオータ管理・貿易救済措置を実施、減免税を中止し関税増加措置を実施、報復関税による課税措置(関税増加排除獲得貨物を除く)に属する場合。
(2) 単に混ぜ物(水に混ぜる、希釈等を含む)、ラベル貼付、パッケージ交換、小分け、抱き合わせ包装、削り、殻剥き、簡単研磨或いは切断等一種或いは複数種の微細加工或いは処理を行う場合。微細加工の定義は海南省商務庁と関連機関が認定する。
(3) その他の関連規定に基づき輸入関税を課税すべきである場合。
5. 施行日
海南自由貿易港の封関運営開始日(12月18日)より施行する。施行前においては《税関の洋浦保税港区加工付加価値貨物の国内販売税収徴収管理暫定弁法》が継続して有効である。施行後、同弁法の執行を停止する。
奨励類産業企業
1. 海南自由貿易港奨励類産業目録(2024年版)
- 2024年3月施行。
- 全国的に有効な奨励類産業と、海南自由貿易港の新規増加リストに基づき、海南自由貿易港の生産経営企業に適用し、その内、外商投資企業の奨励類産業企業は《外商投資奨励産業目録》及び海南自由貿易港の奨励分類新規増加リストにより構成される。
中華人民共和国税関 海南自由貿易港監督管理弁法
1. 管理対象
(1) 海南自由貿易港(海南自貿港)と中華人民共和国境外その他の国家と地域との間に出入りする交通運輸手段、貨物コンテナ等の運輸設備、人員、貨物、物品
(2) 海南自貿港から中華人民共和国境内その他地区(内地と呼ぶ)に入る“ゼロ関税”貨物及びその加工生成品、加工付加価値関税免除政策を享受する保税貨物、境外より海南自貿港に入る際貿易管理措置を緩和される貨物及びその加工生成品。
(3) 海南自貿港で税関手続き未了の貨物。
- 税関は海南自貿港の対外開放港、“二線港”税関監督管理通道、及び海南自貿港内に対し法に基づき税関監督管理を行う。
- 海南省は中国(海南)国際貿易ワンストップ窓口を構築し、当該窓口で貿易業務手続きを取り扱う。
- 海南自貿港と境外との間に出入りする交通運輸手段、貨物コンテナ等の運輸設備、人員、貨物、物品は、国の関連規定に基づき検査検疫を行う。海南自貿港から内地に入る貨物には検査検疫を行わない(別途規定するものを除く)
2. 海南自貿港と境外との間の監督管理
- 出入境禁止貨物の海南自貿港への出入境を禁止する。出入境制限貨物・物品の海南自貿港への出入境時、税関へ検査許可証書や関連証票を提出する。貿易管理措置緩和貨物は、国の関連規定に基づいて行う。
- 海南自貿港対外開放港税関での保税貨物・“ゼロ関税”貨物の輸入時、関連規定に基づき税関申告手続きを免除して輸入が直接許可される。
- 課税商品リスト上の商品には、規定通り輸入関税、輸入段階の増値税と消費税が課税される。
- 「享受主体」による課税商品リスト以外の貨物入境時、輸入関税、輸入段階の増値税と消費税を免除する。享受主体は課税を選択することもできる。
- “ゼロ関税”貨物が税関の特定減免税貨物管理規定を適用しない場合の具体的な課税要求、監督管理期限などは別途制定する。
- 非享受主体による課税商品リスト以外の貨物入境時、税関は規定に基づき輸入関税、輸入段階の増値税と消費税を課税する。
- 境外から海南自貿港に入る際に規定に基づき輸入関連の税をすべて納付し検査検疫手続きを完了し許可証と関連証票を提出した貨物は、国内流通規定に基づき管理し、税関は監督管理しない。
3. 海南自貿港の貨物の内地搬入時の監督管理
- 管理対象(2)の貨物に対し、海南自貿港から内地に搬入時、特殊な情況を除き、税関監督管理通路を通行し、税関の監督管理を受ける。企業は真実通り税関に申告する。
- 境外から海南自貿港に搬入した貿易管理措置緩和貨物及びその加工生成品で、国の関連規定に符合する場合、海南自貿港から内地に搬入でき、税関は法に基づき許可証及び関連証票を検査する。島内ですでに検査済みの場合、重複して検査は不要である。
- 海南自貿港から内地に入る“ゼロ関税”貨物及びその加工生成品は、享受主体により税関手続き後、税関は規定に基づき輸入関税、輸入段階の増値税と消費税を徴収する。
- 上述貨物が入境或いは島内流通段階ですでに輸入関連税を納付済みである場合、海南自貿港から内地に輸入時、税関は再度徴収しない。島内流通段階で国内段階増値税を納付した場合、税関は再度徴収しない。
- 海南自貿港内奨励類産業企業が生産した、輸入材料を含み海南自貿港で加工付加価値が30%以上である貨物に対し、海南自貿港から内地に入る際、輸入関税を免除し、規定通り輸入段階増値税と消費税を徴収する。加工付加価値関税免除徴収政策は別途制定する。
- 海南自貿港から内地に入り、輸入税をすべて納付或いは追納し、許可証や関連証票を検査完了した貨物は、国内流通規定に基づき管理し、税関は監督管理しない。
4. 海南自貿港内の監督管理
- 税関は海南自貿港内の“ゼロ関税”貨物に対し、「享受主体」を単位とする電子帳簿管理を行い、“ゼロ関税”貨物の受け払い残高および消耗の情況について監督管理を実施する。
- “ゼロ関税”貨物及びその加工生成品の海南自貿港内での「享受主体」間の流通について、企業は税関にて関連の手続きを行い、税関は暫定的に輸入関税、輸入段階の増値税と消費税を追加徴収しないものとする。「享受主体」は自ら追納を選択することができる。(関税と増値税・消費税かもしくは増値税・消費税のみ)
- 享受主体が個人に流通する時、税関は“二線港税関”での内地輸入関連規定に基づき、輸入関税、輸入段階増値税と消費税を追加徴収する。
- 海南自貿港内の貿易管理措置緩和貨物とその加工生成品に対し、電子帳簿を設置し税関の監督管理を受ける。別途規定がある場合を除き、貿易管理措置監査貨物とその加工生成品が海南自貿港内の経営主体間で流通する時、企業は税関へ許可証及び関連証票を提出して検査することを選択できる。個人への流通時、企業は許可証と関連証票を提出しなければならない。
- 海南自貿港内で、すでに輸入税収を全て納付し許可証と関連証票を提出して検査済みの貨物は、国内流通規定に基づき管理し、税関は監督管理しない。
5. 施行日
海南自貿港の封関運営開始日(12月18日)より施行する。
海南自由貿易港輸入貨物通過許可管理規定
1. 税関申告不要の通過許可適用貨物
- 海南自貿港対外開放港税関を経て直接海南自貿港に入る保税貨物、“ゼロ関税”貨物で、許可証管理を行わず、検査検疫不要な場合、直接通過許可を選択することができる。
- 貿易管理措置緩和貨物に属する保税貨物、“ゼロ関税”貨物で、検査検疫の不要な貨物は本規定を参照する。
- 直接通過許可を適用する貨物に対し、荷受人或いは通関企業は、海口税関隷属の税関(三沙税関を含まない)にて貨物関連情報を提出する。
- 税関は規定に基づき情報を審査し、必要な場合資料の追加提出を求め、必要な検査を実施し、荷受人はそれに協力しなければならない。
- 直接通過許可を適用する保税貨物、“ゼロ関税”貨物、貿易管理措置緩和貨物はいずれも電子帳簿管理を実施する。
- 貨物の荷受人は直接通過許可貨物とその他の貨物を区別して保管し、明確なラベルを表示し、直接通過許可から14日以内に帳簿記録手続きを完了し、帳簿記録前に使用してはならない。
- 荷受人が税関に帳簿リスト或いは消込リストを期限通りに提出せず、貨物を勝手に処理した場合、税関は法に基づきその責任を追及する。
- 本規定は海南自貿港の封関運営開始日(12月18日)より施行する。(税関总署公告2025年第172号)