中国 企業所得税

[全訳] 非居住企業所得税査定徴収管理弁法

国家税務総局 《非居住企業所得税査定徴収管理弁法》の公布に関する通知
国税発[2010]19号(原文
2010年2月20日

各省・自治区・直轄市・計画単列市の国家税務局・地方税務局:
非居住企業所得税の査定徴収業務を規範化するため、税務総局は《非居住企業所得税査定徴収管理弁法》を制定し、ここに公布する。遵守の上、実施されたい。実施中に生じた問題は速やかに税務総局(国際税務司)に報告すること。

国家税務総局
二○一○年二月二十日

非居住企業所得税査定徴収管理弁法

第一条 非居住企業所得税の査定徴収業務を規範化するため、《中華人民共和国企業所得税法》(以下、企業所得税法とする)及びその実施条例と《中華人民共和国税収徴収管理法》(以下、税収征管法とする)及びその実施細則に従い、本弁法を制定する。

第二条 本弁法は企業所得税法第三条第二款に規定する非居住企業に適用し、外国企業常駐代表機構の企業所得税核定弁法は関連規定により処理する。

第三条 非居住企業は税収征管法及び関連法律法規に従い帳簿を設置し、合法・有効な記帳証憑により計算を行い、実際に履行した機能と負担するリスクによる比例配分の原則により、課税所得額を正確に計算し、企業所得税を申告納付しなければならない。

第四条 非居住企業の会計帳簿が健全でないため、資料不足により帳簿検査が難しい、またはその他の原因で正確な計算ができず課税所得額を申告できない場合、税務機関は以下の方法により課税所得額を確定する。

(一)収入総額による課税所得額の確定:収入を正確に計算できる、または合理的な方法により収入総額を推定できるが、原価費用を正確に計算できない非居住企業に適用する。計算公式は以下の通りである:

課税所得額=収入総額×税務機関による査定利益率

(二)原価費用による課税所得額の確定:原価費用を正確に計算できるが、収入総額を正確に計算できない非居住企業に適用する。計算公式は以下の通りである:

課税所得額=原価費用総額/(1-税務機関による査定利益率)×税務機関による査定利益率

(三)経費支出の収入換算による課税所得額の確定:経費支出総額を正確に計算できるが、収入総額と原価費用を正確に計算できない非居住企業に適用する。計算公式:

課税所得額=経費支出総額/(1-税務機関による査定利益率-営業税税率)×税務機関による査定利益率

第五条 税務機関は以下の標準により非居住企業の利益率を確定する

  1. 請負工事作業・設計・コンサルティング業務の場合、利益率は15~30%
  2. 管理サービスの場合、利益率は30~50%
  3. その他の役務または役務以外の経営活動の場合、利益率は15%を下回らない。

税務機関は非居住企業の実際の利益率が上述の標凖よりも明らかに高いと認める根拠がある場合、上述の標凖より高い利益率により課税所得額を確定することができる。

第六条 非居住企業と中国居住企業が機器設備または商品の販売契約を締結し、同時に設備据付・組立・技術教育訓練・指導・監督サービス等の役務を提供し、その商品の販売契約において上述の役務サービス提供費用の金額を明記していない場合、または合理的に価格を計算できない場合、主管税務機関は実情に応じ、同様または類似業務の価格計算標凖を参照して役務収入を確定することができる。参照する標凖がない場合、商品の販売契約合計価格の10%以上を原則とし、非居住企業の役務収入を確定する。

第七条 非居住企業が中国国内の顧客に役務を提供して取得した収入は、提供したサービスが全て中国国内で発生する場合、全額について中国国内で企業所得税を申告納付しなければならない。提供したサービスが同時に中国国内外で発生する場合、役務発生地を原則として国内外収入を区分し、中国国内から取得した役務収入について企業所得税を申告納付する。税務機関が国内外収入区分の合理性と真実性に疑義を有する場合、非居住企業に有効な証明の提供を求め、業務量・業務時間・原価費用等の要因により合理的に国内外収入を区分することができる。非居住企業が有効な証明を提供できない場合、税務機関は提供されたサービスが全て中国国内で発生したとみなし、役務収入を確定し企業所得税を徴収することができる。

第八条 査定徴収方式により企業所得税を徴収する非居住企業が、中国国内で異なる核定利益率の経営活動を行い、課税所得を取得した場合、それぞれ別々の利益率を計算・適用し企業所得税を計算納付しなければならない。別々に計算することができない場合、高い方の利益率を適用して企業所得税を計算納付する。

第九条 査定徴収方式を採用する非居住企業は《非居住企業所得税徴収方式鑑定表》(添付資料を参照、以下《鑑定表》とする)に記入し、主管税務機関に届け出なければならない。主管税務機関は企業が提出した《鑑定表》の適用業種及び適用利益率に対して審査を行い、意見を記載しなければならない。
審査により査定徴収の条件に符合しない非居住企業について、主管税務機関は企業の提出した《鑑定表》を受領後15営業日以内に《税務事項通知書》を発行し、鑑定結果を企業に告知する。非居住企業が上述の期限内に《税務事項通知書》を受領しなかった場合、徴収方式はすでに認可されたとみなす。

第十条 税務機関が、非居住企業が査定徴収方式を採用して計算申告した課税所得額に虚偽を発見した場合、または負担する機能リスクと明らかに対応しない場合、調整する権利を有する。

第十一条 各省・自治区・直轄市・計画単列市の国家税務局と地方税務局は本弁法第五条の規定に従い適用する核定利益率の範囲を確定し、本弁法の規定に従いガイドラインを制定し、国家税務総局(国際税務司)に備案を行うことができる。

第十二条 本弁法は発布の日より施行する。

添付資料:非居住企業所得税徴収方式鑑定表