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[全訳] 租税条約における「受益者」の認定に関する公告

国家税務総局
租税条約における「受益者」の認定に関する公告
国家税务总局公告2012年第30号
原文

各省、自治区、直轄市と計画単列市の国家税務局、地方税務局へ送付

≪租税条約にある「受益者」を如何に理解し、また認定するかに関する国家税務局の通知≫(国税函[2009]601号)に基づき、ここに受益者の地位の認定に対して下記のとおり公告する。

一、締約相手の居住者の受益者の地位を判定する際に、国税函[2009]601号文書の第二条で定められる各項の要素に基づいて総合の分析・判断をしなければならず、ある不利な要素の存在、或いは第一条で述べられる「租税の回避又は軽減、利益の移転或いは蓄積等の目的」が存在しないことによって否定或いは肯定の認定をしてはならない。

二、国税函[2009]601号文書の第二条で定められる各要素に対する理解・判断について、異なる所得の種類により、会社の定款、会社の財務諸表、資金フローの記録、董事会会議の議事録、董事会決議、人財・物財の配置情況、関連費用の支出、職能・リスクの負担状況、貸付契約書、使用権契約書或いは譲渡契約書、特許登録証書、著作権の所属証明、及び代理契約或いは指定入金契約等の資料を通じて分析及び認定をすることができる。

三、租税条約の待遇の享受を申請する締約相手国の居住者(以下、「申請者」とする)が中国から取得した所得が配当である場合、仮に当該申請者が締約相手国の上場会社に該当する、又は同様に締約相手国の居住者で且つ締約相手国の上場会社に100%直接又は間接的(中国居住者或いは締約相手の居住者に属さない第三者の国家或いは地域の居住者企業を通じて間接的に株式を所有する状況を含まない)に所有され、且つ当該配当は上場会社が有する持分による所得に該当する場合、申請者の受益者の地位を直接認定することができる。

四、申請者は代理人或いは指定の支払先等(以下、代理人とする)を通じて所得を受ける場合、代理人が締約相手国の居住者に属するかどうかにかかわらず、これによって申請者の受益者の地位の認定に影響させてはならない。但し、代理人は税務機関に代理人そのものが受益者の地位を有さないことを声明しなければならない。代理人の声明様式について、添付ファイルを参照。

五、税務機関は本公告第四条の規定に従い受益者の地位を認定し、且つ関連の租税条約待遇を認可する場合、仮に代理人が所属する居住国或いは地域と中国が租税条約或いは情報交換協議を締結して場合、必要性に応じて情報交換により代理人に関する情報を把握することができる。情報交換により代理人の受益者の地位を認定できる場合、税務機関は従前の審査結果を変更し、原受益者に対して税額を追徴し、且つ関連の規定に従い滞納金を科すことができる。

六、審査権を有する税務機関は関連の審査事項を処理する際に、受益者の地位の認定が困難なことにより規定される期限以内に決定を出すことができない場合≪国家税務総局 〈非居住者が享受する租税条約優遇の管理弁法(試行)〉発行の通知≫(国税発[2009]124号)第十七条の規定に従い、一時的に租税条約待遇享受の処理を行わないことができる。審査を経て租税条約待遇を享受できることになった場合、税務機関はそれ相応の税額を申請者に還付しなければならない。

七、国税発[2009]124号文書の規定に基づき、審査権を有する税務機関は関連の審査事項を処理する際に、申請者の受益者の地位の否定にかかわる案件について、省級税務機関に報告して認可を得た上で執行しなければならない。省級税務機関は同時に関連案件の処理結果を税務総局(国際税務司)に報告しなければならない。

八、同一の納税者が類似の状況について異なる税務機関に受益者の地位の認定を申請し、且つ租税条約待遇を享受する必要がある場合、関連の税務機関に状況を説明することができる。関連の税務機関は協議を通じ合意した後に処理を決定しなければならない。関連の税務機関が協議を通じて合意しない場合、その共通の上級税務機関へ処理のため報告し、且つ協議の状況について説明しなければならない。

九、本公告は公布日より施行する。

添付文書:代理人等による自身が受益者の地位を有さないことを確認することに関する声明.doc 

国家税務総局
二○一二年六月二十九日