中国 粤港澳大湾区

中国・河套深港科技創新合作区深圳園区の貨物輸出入時の税制について

河套深港科技創新合作区は、香港特別行政区北部と深圳市福田区南部の越境地域に位置する大湾区の重点開発地域の一つです。中国側は2023年9月には深圳園区が開園し、すでに多数のプロジェクトの成果等が伝えられており、香港側では香港園区の建設が着々と進められています。2つの陸路イミグレーションで双方の園区は隣接しているため、人・モノ・金の往来についての規制緩和が見込まれていますが、今般は深圳園区の貨物輸出入税制に関する通知について紹介します。

1. 深セン園区内と香港特別行政区との間は「一線」として管理

  • 深圳園区は特定封鎖管理を実施しており、その税関監管区域に設立された独立法人資格を有する企業、区内で科学研究開発業務に従事する事業単位、科学研究類の民営非企業単位(以下、優遇享受主体と称する)が「一線」を経由して輸入する、自社用科学研究貨物は輸入関税及び輸入段階の増値税と消費税(以下、輸入税収と称する)が免除されます。
  • 免税対象貨物リストは通知に添付されており、国が輸入を禁止するかまたは免税を与えないとする、及び《輸入免税を与えない重大技術装備と製品リスト》の貨物を除くとされています。
  • 優遇享受主体は、深セン市人民政府による認定を経て、財政部、税関総署、税務総局などに「ホワイトリスト」として備案(=届出)されます。
  • 免税輸入する科学研究貨物は、特定の減免税貨物として管理するのではなく、税関電子台帳を設置し、応用情報化・スマート化等により管理し、必要に応じて検査、確認に備えるものとされています。
  • 輸入貨物のうち、設備やその部品、器具、文献、標本等は輸入減免税貨物の監督管理年数に基づいて管理期限を設定し実行、消耗材、動物及びその製品、その他科学研究において消耗され製品形成されないものについては、優遇享受主体により輸入税収の追納免除を申請することができ、これにより監督管理解除できるとされています。
  • 優遇享受主体より自主的に輸入免税優遇の放棄申請を行うこともでき、その場合は36か月以内には同類貨物の免税申請を行えないとしています。

2. 税関監管区域と大陸境内のその他地区との間は「二線」として管理

  • 税関監管区域と大陸境内その他地区(以下、内地と称する)との間を「二線」とし、「二線」を経て内地輸入される免税科学研究貨物と、研究開発製品は、輸入貨物の規定通り税関で手続きし、優遇享受主体により輸入材料に対する輸入税収を追納します。「一線」或いは税関監管区域内ですでに輸入税収を納付或いは追納した場合、あらためて納付する必要はないとしています。
  • 免税の科学研究貨物及びその研究開発製品が、税関監管区域内で流通する際、本通知の第二条の規定に基づき、輸入税収を追納するとされていますが、企業の破産、事業単位、民間非企業単位(学校等を指すと思われる)の抹消等の原因で優遇享受主体を譲渡する場合、追納が免除されるとしています。国内流通段階の増値税、消費税は現行規定通りに実行されます。

3. 「四類措置」の貨物について

  • 関税クオータ管理実施、貿易救済措置を実施、減免税を中止し関税増加措置を実施、報復関税による課税措置を実施する貨物は「四類措置」と総称されますが、これらの貨物は本通知の一線輸入、二線輸入、税関監管区域内流通時の規定を実行し且つ「四類措置」が取られるものとされています。

4. 「一線」経由で輸出する場合

  • 税関監管区域内から「一線」経由で出国する貨物が、輸出関税課税商品に該当する場合は課税輸出となります。

5. 免税貨物リスト

  • 設備及び部品(268品目)、器具(17品目)、消耗品(208品目)、文書・資料(6品目)、標本(3品目)、動物及びその試料 (7品目) の免税貨物リスト(免税科研货物清单)が通知に添付されています。