2017-04-17掲載記事
今月のコラムは、不正の温床となり、内部統制でも重要な項目となる購買、支払業務について紹介します。
(9)購買管理
企業の購買活動は、安定した生産活動と適切な企業収益確保における重要な要素である。現地法人にとっても基幹的な業務の一つであるが、取引先との接触が多く、金銭が関係する内容であることから、不正行為が発生しやすい業務でもあり、適切な規定を制定して、内部管理を徹底することが必要である。① 購買計画
購買先の選択、購入単価の決定等について、その選定方法や決裁者を明確にする。購買先の選択に関しては、金額ももちろん重要であるが、仕入先の品質保持能力、納期厳守や急な事態への対応力等も考慮して、十分な調査を行い決定する。
また、仕入商品の見積に関しても、複数社からの見積を比較することは当然であるが、購買部門に全てを任せるのではなく、製造や経理部門等の他部門も独自に見積を取ることで、現地法人内部の牽制機能が働き不正を防止することに繋がる。
② 発注
月次や年間の購買計画に基づいて購入する物品に関しては当該計画に基づき、また、その他は各担当部門からの申請に依り発注が行われることが一般的である。発注までの業務フローは、会社規模や購入物の特殊性等により異なるため、各企業での手順等を作成することになる。発注申請においては、購買金額によって、稟議書作成や部門長承認等で済ませる等の区分を設けることで、業務負担や効率を考慮した内容に工夫することが求められる。また、購買部門は、自社の生産活動に影響を及ぼさないよう、発注した商品の納期管理にも責任を持たせなければならない。
③ 検収
購入先から受領する商品は検収を行った上で、自社の商品として所有権が移転されることになります。検収においては、商品種別や数量、品質の確認を行いますが、検収業務は以下の点に留意した規定作成が望まれる。
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