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今回は、税収徴収管理法(中国語表記は「税収征収管理法」)および同法実施細則に定められている税務調査の規定について紹介します。

1. 税務機関の税務調査権限


税務機関は以下の税務調査(中国語表記は「税務検査」)を行う権限を持つとしています。
  1. 納税人の帳簿・記帳証憑・財務諸表および関係資料の調査、源泉徴収義務者の源泉徴収帳簿・代理徴収帳簿・記帳証憑および関係資料の調査。
  2. 納税人が生産・経営拠点および物品を保管する場所において行う納税人の課税商品・物品またはその他の財産の調査、源泉徴収義務者の源泉徴収納付・代理徴収納付の税額に関する経営状況の調査。
  3. 納税人・源泉徴収義務者に対する納税または源泉徴収税額・代理徴収税額に関する文書・証明資料および関連資料の提供を命じること。
  4. 納税人・源泉徴収義務者に対する納税または源泉徴収・代理徴収税額に関する問題および状況についての質問。
  5. 駅・港・空港・郵政企業およびその支店(中国語表記は分支機構)等において行う納税人が託送・郵送する課税商品・物品またはその他財産に関する証書・証憑および関係書類の調査。
  6. 県級(注1)以上の税務局の局長の認可を経て、全国統一式の預金口座調査許可証明の提示により行われる生産・経営に従事する納税人・源泉徴収義務者の銀行その他金融機関の預金口座の調査(注2)。
(注1) 中国の行政区分は、1.省級(省、直轄市、自治区など)、2.地級(地級市、地区、自治州など)、3.県級(市轄区、県級市、自治県など)、4.郷級(鎮、郷、街道など)の4つのレベルがあります。
(注2) 税務機関が違法案件の調査を行う場合、市や自治州級以上の税務局長の認可を経て、嫌疑者の預金口座の照会を行うことができます。金融機関の調査内容には預金残高および資金の取引状況を含みます。
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広東省の経済政策では、輸出型製造企業を誘致し、保税の優遇を与えて加工貿易に従事させることを重視してきましたが、資源保護・環境保護視点の制限を実施し、輸出還付率により貿易政策上の優越をつけ、来料加工などの経営延長を認めず、輸入設備に対する増値税の保税措置を取りやめるなど、企業が産業のモデルシフトや付加価値の高いサプライチェーンの構築などに取り組むよう政策を進めてきています。

近年の加工貿易政策の一つには加工貿易の制限類・禁止類の公布もありました。禁止類商品は、当該商品の輸出還付率を0にし、保税での輸出入を行う加工貿易を禁止するという措置を取っています。一方、制限類商品は、加工貿易を行うに際して、予定輸入材料の一定期間(通常半年若しくは1年)分の金額の関税・増値税を税関の指定する口座に保証金として実際に積み立てる「実転」もしくは、銀行より保証状を発行させる「空転」を実施させる、“保証金台帳制度”を実施していました。直近では《加工貿易制限類商品目録に関する公告》(商務部 税関総署公告[2015]63号)により、以下の通知が行われています。
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企業所得税が25%ではなく実質負担10%となる「小型薄利企業」の範囲が拡大されました。

2017年4月19日における国務院常務会議において、企業所得税優遇措置(半減徴収政策)を享受できる小型薄利企業の範囲を拡大することが決定されたことを受け、2017年6月6日、財務部と国家税務総局により《小型薄利企業の所得税優遇政策範囲の拡大に関する通知》(財税〔2017〕43 号)が公布されました。本通知により、これまで課税所得が50万元以下であり、通常税率である25%にて企業所得税を納めていた企業が新たに優遇措置の対象となり、税負担を抑えられる可能性がありますので、今一度適用要件及び自社への適用可否をご確認ください。

1. 小型薄利企業の企業所得税優遇措置概要

日本における中小企業に対する税率の優遇制度に相当する措置が中国にもあり、定められた小型薄利企業の定義に合致する場合、企業所得税法の通常税率(25%)ではなく、20%の税率が適用されます。また、税額計算のため当該税率を乗じる元となる金額は課税所得を半減した金額とされているため、実質的な税負担は課税所得の10%です。

<小型薄利企業の判定基準>
企業種類工業企業その他
課税所得従来:30万元以下
今回変更:50万元以下
従業員数※1100人以下80人以下
資産総額※13000万元以下1000万元以下
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財政部による「小企業内部統制規範(試行)」の公布についての通知
(財会[2017]21号)


概要


2018年1月1日施行。小企業に対する内部統制制度の構築及び効率的な実施と、経営管理レベルとリスク管理レベルの向上により小企業の発展を促進するために、中国の関連法規に基づいた、「小企業内部統制規範(試行)」が公布された。

税金の滞納金減免事項を更に明確にすることに関する公告
(税関総署公告[2017]32号)


概要


2017年8月1日施行。関税の滞納金減免、電子通関システムを通じた書類のアップロードに関する事項を明確にするための規定。
  • 納税義務者において、「税金の滞納金減免関連事項を明確にすることに関する公告」で規定する滞納金減免要件に該当する場合には、電子通関システム上で減免申請の部分に情報を入力し、関連資料を電子データにより提出することにより、電子通関システムを通じて申請状況を調べることができる。
  • 「税金の滞納金減免関連事項を明確にすることに関する公告」に規定する「自身での発見」とは、「中華人民共和国税関調査条例実施弁法」第四章における自発的に開示する場合の規定に該当し、税関の規定に基づく手順により手続きを行うという状況に適合する場合のみが該当する。
  • 納税義務者が電子通関システムを通じて資料をアップロードする場合には、「通関作業のペーパレス化について通関書類の電子スキャン又は文書形式変換の基準」公布に関する公告の関連規定によるものとし、税関が書面により検査する必要がある場合には、納税義務者において書面により提出しなければならない。

関連法規

  • 「通関作業のペーパレス化について通関書類の電子スキャン又は文書形式変換の基準」公布に関する公告(税関総署公告[2014]69号)
  • 税金の滞納金減免関連事項を明確にすることに関する公告(税関総署公告[2015]27号)
  • 「中華人民共和国税関査察条例」実施弁法(税関総署令230号)

企業を単位とする加工貿易監督管理モデル改革実験に関する公告
(税関総署公告[2017]29号)


概要


2017年8月1日施行。加工貿易の監督管理モデルの改革に関する規定。天津、瀋陽、南京、杭州、武漢、拱北、黄埔、重慶、成都税関にて試験的に運用される。主な内容は以下の通り。
  • 新監督管理モデル:企業を単位とし、主として帳簿による。企業の材料コードに対応する税関商品コード(商品番号)又は企業が自主的に集計した後に作成した税関商品コード(項目番号)を基礎として、回転量によりコントロールし、定期的に消し込みをする加工貿易の監督管理のモデル。
  • 新監督管理の範囲:帳簿設置(変更)、輸出入、外注加工、再加工振替(転廠)、国内販売、余剰材料振替、審査報告及び消し込みを含む。

関連法規

  • 税関の加工貿易貨物に対する監督管理弁法(税関総署195号令)

前回は納税人および源泉徴収義務者の納税義務違反に関する罰金の徴収について紹介しました。今回も引き続き、税収徴収管理法および同法実施細則における罰則規定を取り上げます。

1. 納税人および源泉徴収義務者の脱税、仮装、隠ぺい、納税回避など


  1. 納税人および源泉徴収義務者の脱税(注1)については、本税、延滞金を追徴したうえに、未納税額の50%以上5倍以下の加算税を課し、違反行為が重大で犯罪を構成する場合には、刑事責任を追及するとされています。
  2. 納税人および源泉徴収義務者が税額計算根拠をねつ造した場合には、5万元以下の罰金とし、納税人が納税申告を行わずに、税額の未納または過少納付を行った場合には、本税および延滞金を追徴するとともに、未納税額の50%以上5倍以下の罰金に処すとされています。
  3. 納税人が税金を納めず、財産の移転または隠ぺいという手段によって税務機関の税額追徴を妨害した場合には、税務機関は未納税額、延滞金を追徴するとともに、未納税額の50%以上5倍以下の罰金に処し、犯罪を構成する場合には、刑事責任を追及するとされています。
  4. 輸出の虚偽申告又はその他の虚偽の手段により、国家の輸出還付税額を詐取した場合(注2)、税務機関は詐取した還付税額を追徴するとともに、詐取した税額の1倍以上5倍以下の罰金に処し、犯罪を構成する場合には、刑事責任を追及するとされています。さらに一定期間輸出還付手続きを停止することができるとされています。
  5. 暴力、脅迫により納税を拒否することを「抗税」と称し、税務機関はその拒否税額と延滞金を追徴するほか、法に従い刑事責任を追及しますが、状況が軽微であり犯罪を構成しない場合には、納税拒否額の1倍以上5倍以下の罰金に処されます。
  6. 税務機関へ虚偽の資料を提供したり、資料の提供を拒否したり、税務調査を受けないなど税務機関の調査を妨害した場合には、税務機関は改善を命じ、1万元以下、違反状況が重大である場合には、1万元以上5万元以下の罰金に処されます。
  7. 税収徴収管理法の違反行為があり、税務機関が行う処分を拒否する場合には、税務機関はその発票を回収するまたは発票の販売を停止することができます(注3)。
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加工貿易銀行保証金台帳制度取消に関する事項についての公告
(税関総署 商務部公告2017年33号)


全訳


「国務院 加工貿易の革新的な発展促進に関する若干の意見」(国発[2016]4号)の要求を実施し、更に手続きを簡素化し、制度上の取引コストを減らし、加工貿易の革新的な発展を促進するために、国務院の同意を経て、全国的に加工貿易銀行保証金台帳(以下「保証金台帳」という)の制度を取り消す。関連する事項についての公告は以下の通り。
  • 商務部、税関総署公告2015年第63号(以下「63号公告」という)に規定する保証金台帳「空転」管理を実施する状況において、企業が加工貿易手冊(手帳)を設置時に保証金台帳を開設する必要はなく、制限類商品加工貿易の担保を提供する必要はない。それ以前に既に開設されている保証金台帳「空転」加工貿易手帳については、以前の通り保証金台帳制度に基づき実施して完了するものとする。
  • 63号公告に規定する保証金台帳「実転」管理の状況を実施することにおいて、政策の安定的な移行を保証するために過渡期を設定するものとし、過渡期は2017年8月1日から2018年2月1日までで終了する。過渡期においては、企業は継続して税関総署公告2010年第5号及び2014年第61号の関連規定に基づき保証金台帳の「実転」手続きを実施し、過渡期が終了した後における業務の実行手順については、当署より別途公告する。
  • この公告の内容は2017年8月1日より実施する。

関連法規

  • 国務院 加工貿易の革新的な発展促進に関する若干の意見(国発[2016]4号)
  • 加工貿易制限類商品目録に関する公告(商務部 税関総署公告[2015]63号)

「非居住者金融口座税収情報調査管理弁法」の公布についての公告
(国家税務総局 財政部 中国人民銀行 中国銀行業監督管理委員会 中国証券監督管理委員会 中国保険監督管理委員会 公告[2017]14号)


概要


2017年7月1日施行。中国の非居住者である個人と企業が中国国内に有する金融口座の情報管理に係る規定。税務機関が中国国内金融機関から非居住者の金融口座の情報を取得することにより、国境を超える租税回避や脱税に対する管理が強化される。

国家税務総局による2016年度企業研究開発費用の税引き前追加控除政策企業所得税納税申告問題についての公告
(国家税務総局[2017]12号)


概要

「研究開発費用の税引き前追加控除の完善に関する通知」(財税[2015]119号)の規定により条件を満たす研究開発費用については、50%の追加控除が認められている。具体的には、「企業研究開発費の税引き前追加控除政策に関わる問題についての公告」(国家税務総局[2015]97号)に規定されていた。今回の公告により新たな要件が追加された。主な内容は以下の通り。
  • 追加控除の優遇を享受する場合、企業所得税年度納税申告時に「研究開発項目追加控除研究開発費用状況集計表」を添付しなければならない。
  • 追加控除の優遇を享受する場合、納税申告表の別表A107014「研究開発費用追加控除優遇明細表」の第10行第19列「本年研究開発費用追加控除額合計」を記入する。
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