カテゴリ

金融業の対外開放措置及びスケジュールについて


概要

4 月11日に中国人民銀行の易鋼総裁よりボアオ・アジアフォーラムにおいて、金融業の対外開放についての具体的な措置及びスケジュールが、以下の通り発表された。

  • 以下の金融領域の開放措置を今後数ヶ月以内に実行する。
    1. 銀行及び金融資産管理会社の外資持株比率の制限を撤廃し、内資、外資を同等に扱い、外国銀行が中国国内で同時に支店及び子会社を設立することを認める。
    2. 証券会社、ファンド管理会社、先物会社、対人保険会社の外資持株比率の上限を51%までに緩和し、3年後には出資比率の制限を設けない。
    3. 合資である証券会社の国内株主は少なくとも1社は証券会社であるという条件を撤廃する。
    4. 内地と香港の株式市場における相互利用の仕組みを完全なものとし、5月1日より相互利用の1日の限度額を4倍にまで拡大する。
    5. 条件に適合する外国投資家が中国で保険代理業務及び保険の査定業務に従事することを認める。
    6. 外資の保険ブローカー企業についての経営範囲を緩和し、中国資本の機構と一致させる。

  • 今年の年末までに、更に以下の措置を推し進める。
    1. 信託、金融リース、自動車金融、マネーブローカー、消費者金融等の銀行業金融の領域に外資を導入する。
    2. 商業銀行について新規設立する金融資産投資会社及び理財会社の外資持株比率に関して、上限を設けない。
    3. 外資銀行の業務範囲を大幅に拡大する。
    4. 合資の証券会社の業務範囲について、単独で制限を設けず、内資と外資で一致させる。
    5. 外資の保険会社について、設立前2年間は代表処を開設する必要があるという条件を全面的に撤廃する。

税関総署 自主申告、自主納税の適用範囲を拡大することに関する公告
(税関総署公告〔2018〕24号)


概要

2018年4月10日施行。特恵貿易協定に関するすべての輸入申告書について、これまでの税関決定方式から、企業が自主的に各項目を真実、かつ適切に記入して関税を計算・納付する自主申告・自主納税モデルを適用することが可能となった。

関連法規

  • 税関総署公告〔2016〕62号

各地人力資源・社会保障局及び地方政府公式ウェブサイトは、国家人力資源・社会保障部が、近日中に『2018年死亡補助一時金の査定基数に関する通知』(以下『通知』と呼称)を公布することを発表した(原文、東莞市政府公式ウェブサイト、2018年4月18日発表)。

1. 経緯と概要

『労災保険条例』(原文、以下『条例』と呼称、2003年4月27日公布・2004年1月1日施行、2010年12月20日改定)に基づき、企業は各従業員を労災保険に加入させ、労災保険料を納付する必要がある。従業員個人が納付する必要はない(『条例』第10条)。従業員が業務遂行中に傷病により治療する必要が生じた際、また死亡した際に、労災保険適用内と認定された場合、労災保険基金及び企業が補償を提供することとなり、具体的に13の労災待遇項目が規定されている。

労災死亡時補償項目の1つとして死亡補助一時金があり、労災保険基金が死亡した従業員の直系親族に支払う一次賠償金を指す。死亡補助一時金の基準は前年度全国都市住民可処分所得(年収)*1の20倍と定められている(『条例』第39条第3項)。地域や戸籍の区分は無く、全国統一基準となっている。

『通知』によると2018年度における死亡補助一時金は727,920元となり、2017年度(672,320元)比で55,600元の引き上げとなった*2。遡って2018年1月1日から適用され、2018年1月1日~12月31日の期間に発生した労災死亡に係る死亡補助一時金が727,920元に調整される。2018年1月1日~これまでの期間に発生した労災死亡について、死亡した従業員の遺族が既に死亡補助一時金を受け取っている場合は、新基準に基づき差額が支払われる。
(続きを読む…)

工商総局等十三部門 全国統一により「多証合一」改革を推進することに関する意見
(工商企注字〔2018〕31号)


概要

「多証合一」とは、行政手続の負担軽減を目的として、「三証合一」(営業許可証、組織機構コード証、税務登記証の統合)、「五証合一」(営業許可証、組織機構コード証、税務登記証、社会保険登記証、統計登記証の統合)をさらに進めて、企業に関わる各種許可証の統合を進めようとするものである。
この多証合一改革において、各地で不均衡、不協調、不充分等が存在する問題を適切に解決するために、工商行政管理総局等の13部門は全国統一により「多証合一」改革を推進することについて以下の意見に達した。 (続きを読む…)

中国の租税回避防止管理のガイドラインである『特別納税調整実施弁法(試行)』(国税発[2009]2号。以下「2号弁法」)の移転価格に関する規定の改定に関して、2017年3月に公布された『特別納税調査調整および相互協議手続管理弁法に関する公告』(国家税務総局公告2017年第6号。以下「6号公告」)のうち、前回紹介した関連者間役務取引の補足説明と相互協議について紹介します。
 

1. 受益性役務と非受益性役務

前回紹介した通り、6号公告では関連者間役務取引を「受益性役務」と「非受益性役務」に区分してその取扱いを定め、受益性役務の取引価格決定において考慮すべき要素と、非受益性役務とみなされる場合について例を挙げて詳細に説明をしています。
受益性役務の取引価格は、役務の具体的な内容および特性、役務提供者の機能・リスク・原価および費用、役務受領者の受益状況・市場環境、取引双方の財務状況、および比較可能な取引の価格設定の状況との要因を考慮して、合理的な移転価格算定方法を選択し、
  • 各役務受領者ごとに区別して役務プロジェクト単位で合理的な原価に基づいて取引価格を確定すること
  • 区別できない場合には、役務の性質に従って合理的な基準及び比率で各役務受領者に配賦し、配賦された原価に基づいて取引価格を確定すること
を求めています。
税前控除が否認される非受益性役務については、以下の6項目とし、具体的な例を挙げて説明しています。 (続きを読む…)

中国の租税回避防止管理のガイドラインである『特別納税調整実施弁法(試行)』(国税発[2009]2号。以下「2号弁法」)の移転価格に関する規定のうち、2017年3月に公布された『特別納税調査調整および相互協議手続管理弁法に関する公告』(国家税務総局公告2017年第6号。以下「6号公告」)の企業が国外関連者との間で収受する費用に関する規定を紹介します。
 

1. 国外関連者へ支払う費用に関する規定

6号公告の公布以前、企業が国外関連者に支払う費用の移転価格に関する規定として『企業の国外関連者への費用支払いに係る企業所得税の問題に関する公告』(国家税務総局公告2015年第16号。以下16号公告)がありました。16号公告では、企業が国外関連者に支払う費用は独立企業原則に基づかなければならないとし、
  • 機能・リスク・事業活動の実体のない国外関連者への支払い
  • 関連者から提供を受ける、企業に直接または間接的に経済的利益をもたらすことのできない役務費用の支払い
  • 無形資産の法律上の所有権を保有するだけの関連者に対する支払い
  • ファイナンス、上場を目的として設立した国外の持株会社、融資会社にその活動等から生じる付随的な便益に関連して支払われるロイヤリティ―は税前控除(注1)できないとしています。
なお、16号公告は6号公告の公布により廃止されました。

(注1) 企業所得税の課税所得の計算上、原価・費用として収益から控除すること。日本の法人税の損金算入に相当する。
(続きを読む…)

財政部 税務総局 増値税小規模納税人基準の統一についての通知
(財税[2018]33号)


概要

2018年5月1日施行。一般納税人の基準が変更された。現行の基準と改正後の基準は以下の通り。
現行の小規模納税人基準 改正後の小規模納税人基準
貨物の販売(製造業) 年間課税販売額が50万元以下 年間課税売上高が500万元超(500万元以下の場合は小規模納税人を認める)
貨物の販売(商業企業) 年間課税販売額が80万元以下
役務の提供 年間課税販売額が500万元以下

※ 規定に合致する現在一般納税人である企業は、2018年12月31日前に申請することにより、小規模納税人へ変更可能とされている。

1. 概要

中国国内のグループ企業間や分公司等の拠点間で従業員を配置転換(転勤)させることがあります。また、組織変更などにより一部又は全ての従業員をグループ企業に異動させるケースがあります。今回はこうした転勤時における労働契約上の注意点と関連規定について以下にまとめました。尚以下は正社員のケースとなり、労務派遣契約により使用する派遣社員は含まれません。

2. 注意点

(1) 転勤時に必要な前提

  1. 転勤について当事者間の合意があること。
  2. 異動先企業と当該従業員の間で締結する労働契約上で約定される条件が、現在在籍する企業(以下在籍企業と呼称)と当該従業員の間で締結している労働契約上で約定されている条件と同等か、又は優っていること。*1

(2) 勤務年数の扱い

在籍企業での労働契約を解除する際に、企業側が以下のいずれかを選択可能。*2 (続きを読む…)

中国の租税回避防止管理のガイドラインである『特別納税調整実施弁法(試行)』(国税発[2009]2号。以下「2号弁法」)の移転価格(中国語表記:転譲定価)に関する規定のうち、2017年3月に公布された『特別納税調査調整および相互協議手続管理弁法に関する公告』(国家税務総局公告2017年第6号。以下「6号公告」)について、前回に続き紹介します。 
 

1. 特別納税調整調査(移転価格調査)手続き

6号公告では、移転価格調査を行う場合の調査の執行手順、資料の取扱い、および調査対象企業、その関連者や取引当事者などに対する資料提出の義務などを詳細に示しています。調査は企業に移転価格調整リスクが発見された場合に行われますが、企業自ら調整リスクがあると認識した場合、自主調整のうえ追加納税することもできます(注1)。調査においては、税務機関がその案件の状況に基づき、
  • 取引資産または役務の特性
  • 取引の各当事者が果たす機能、負担するリスク及び使用する資産
  • 契約条項
  • 経済環境
  • 経営戦略
について具体的に選択して比較性分析を行うとされ、その内容も具体的に示されています。

(注1) 自主調整の場合には、6号公告で新たに定められた「特別納税調整自行税款表」の作成が必要。なお、企業が自主調整を行っても、税務機関は依然として調査権限を有するとしている。
(続きを読む…)