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1. 概要

国務院は2019年4月1日付けで『国務院弁公室の社会保険料率引下総合方法の印刷発行に関する通知』(原文)を公布し、また、広東省人力資源社会保障局、広東省財政局、国家税務総局広東省税務局は、2019年4月30日付けで、『都市従業員基本養老保険の企業負担料率の過度的措置について』(原文)を公布している。深セン市においては、上記規定の発布を受けて、2019年5月9日付けで『深セン市人民政府弁公室の深セン市における社会保険料率の引下げの実施方針の印刷発行に関する通知』(原文)が公布された。主な内容は、以下の通り。

2. 主な内容

一、行政部門負担の基本養老保険料率の引き下げについて

2019年5月1日より、市機関事業単位(行政機関及び公的組織)の養老保険料率を20%から16%に引き下げる。

二、企業従業員養老保険料率の段階的引き上げについて

『深セン経済特区社会養老保険条例』を修正・改正し、市の企業従業員基本養老保険の企業負担保険料率を段階的に16%に引き上げる。

三、納付基数の上限・下限の調整について

2019年5月1日以降、市機関事業単位の養老保険及び企業の従業員養老保険の納付基数の上限を、前年度の全省都市従業員平均給与の300%に、機関事業単位の養老保険の基数下限を、全省都市従業員平均給与の60%に調整・変更する。『深セン経済特区社会養老保険条例』を修正・改正し、市企業従業員基本養老保険の企業負担の保険料率の基数の下限を調整する。この執行時間は、養老保険費の所属期間に対応するものとする。

四、段階的失業保険、労災保険料率の引き下げの継続について

2019年5月1日から2020年12月31日まで、市の失業保険料率は、引き続き1%を維持し、その内、事業者負担料率は、0.7%である。労災保険料率は、労災保険の8つの業界ごとの基準料率と変動料率の政策を維持した上で、被保険者の料率の30%の引き下げを引き続き継続する。

3. 分析

今回の通知では、深セン市の都市従業員基本養老保険の基数の上限・下限について、今後の取扱いが明確化された。すなわち、深セン市経済特区社会保険条例第10条は、深セン市の養老保険基数の上限を深セン市の平均給与の3倍、下限を深セン市の最低賃金と定め、広東省の他の都市と異なる取扱いを定めていた。この点、今回の通知中『三、納付基数の上限・下限の調整について』により、上限は、全省都市従業員平均給与の3倍に変更された。既に、従前の25,044元からこの5月より、17,345元に引き下げられ、広州市、東莞市でも同様に全省都市従業員平均給与の3倍として、17,345元が上限となっている。下限について、『深セン市経済特区社会保険条例』の改正に言及し、他の広東省各都市と同様に都市従業員平均給与の60%を下限とする方向性を明確にした。これまでの最低賃金を下限とする取扱いから、都市従業員平均給与の60%とすることで、下限については、引き上げられる見込みである。

財政部 税務総局 国務院貧困援助事務所 貧困援助貨物寄付免税増値税政策に関する公告(財政部 税務総局 国務院貧困援助事務所公告〔2019〕55号)

2019年1月1日から2022年12月31日の期間において実施。単位または個人が自社で生産、委託加工、または購買した貨物を、公益性社会組織または県級(県級を含む)以上の人民政府及びその組成部門と直属機構を通して、脱貧困を目標とした地区の単位と個人に直接無償で寄付した場合、増値税を免除する。2015年1月1日から2018年12月31日の期間にすでに発生した条件に合致した貧困援助貨物寄付は、遡及して上述の増値税政策を適用可能。

財政部 税務総局 固定資産加速償却優遇政策適用範囲拡大に関する公告(財政部 税務総局 〔2019〕66号)

2019年1月1日より、「財政部 国家税務総局 固定資産加速償却企業所得税政策の完備に関する通知(財税〔2014〕75号)」「財政部 国家税務総局 固定資産加速償却企業所得税政策の更なる完備に関する通知(財税〔2015〕106号)」に規定される固定資産加速償却優遇の業種範囲がすべての製造業領域に拡大された。

財政部 税務総局 国務院貧困援助事務所 企業貧困援助寄付所得税税前控除政策に関する公告(財政部 税務総局 国務院貧困援助事務所公告〔2019〕49号)

2019年1月1日から2022年12月31日の期間において実施。企業が公益性社会組織または県級(県級を含む)以上の人民政府及びその組成部門と直属機構を通して、脱貧困を目標とした地区の貧困援助寄付に用いた支出は、企業所得税の課税所得額を計算する際に控除することができる。2015年1月1日から2018年12月31日の期間にすでに発生した条件に合致した貧困援助寄付支出で、企業所得税の課税所得の計算時に控除していない部分は、上述の企業所得税政策に従って控除できる。

日系企業が人事労務において陥りやすい労働法、労働契約法等の解釈・運用について、最新の紛争事例、裁判事例を基にNAC名南所属中国弁護士が整理・解説する。第1回は、使用者からの労働契約の一方的解除を規定する労働契約法第40条について解説する。

1. 労働契約法第40条の内容

労働者、使用者において、一旦締結された労働契約を使用者から一方的に解除することは、労働契約法上、一定の事由がある場合に限られる。労働者に重大な過失がある場合の一方的解除を労働契約法第39条が規定し、業績不振等による整理解雇(※)のための一方的解除を労働契約法第41条が規定している。労働契約法第40条では、整理解雇に該当しない場合で、かつ、労働者に重大な過失がない場合の解除事由について規定している。特に、同条第3号は、その内容が明瞭でないことから、労働者と使用者の間で労働紛争を招き易い。

労働契約法

第40条 以下に掲げる事由に一つでも該当する場合は、使用者は30日前までに、労働者本人に書面により通知し、又は1カ月の賃金を支払うことで労働契約を解除することができる。
(三) 労働契約時の締結時に根拠とした客観的状況に重大な変化が生じ、労働契約の履行が不可能になり、使用者は労働者との協議後も、労働契約変更について合意に達しない場合

※労働契約法第41条の整理解雇における労働契約の一方的解除は、①企業破産法の規定によって企業再生を行う場合等において、②人員削減の対象となる労働者が20人以上又は企業労働者総数の10%以上であり、③使用者が30日前までに労働組合又は全労働者に対して状況を説明し、労働組合又は労働者の意見を聴取し、人員削減案を労働行政部門に報告したうえで認められる等厳しい要件となっている。

2. 実際の紛争事例

事例(広州市)

広州市に所在する、ある外商投資企業X社は、業績不振により数年間赤字が続いているため、内部組織を再編し、一部の部門を廃止することを決定した。翌日、この内容を労働組合に届け出た上で、「客観的状況に重大な変化が生じ、労働契約の履行が不可能になった」(労働契約法第40条第3号)という理由で、経済補償金と代通知金(解雇の30日前に解雇通知をしない代わりに支払う1ヵ月分の給与)を支給した上で、書面通知により、A氏を含めた労働者との労働契約を一方的に解除した。その後、A氏は、当該労働契約解除は、労働契約法40条第3号の要件を満たしておらず違法と主張し、仲裁、訴訟を提起し、違法解雇による賠償金を請求した。

裁判所(広州市中級人民法院)の判断

本案件は、労働仲裁、1審を経て、裁判所(広州市中級人民法院)は労働者の主張を支持し、使用者は、違法解雇による賠償金を支払わなければならない。

理由の要旨

「客観的状況」とは不可抗力又は企業の住所移転、分立、合併、買収などを指す。使用者による市場経済環境の変化への対応、経営管理の必要に応じた社内の内部組織再編等は通常の経営活動の一環で主観的な調整であり、客観的な状況に重大な変化が生じたとはいえない。また、労働契約法第40条第3号による労働契約の解除は、客観的な状況に重大な変化が生じただけではなく、その変化によって「労働契約の履行が不可能」と認められる必要がある。本件の場合、会社が合理的な職場調整案に基づき十分な協議を経ず労働契約を解除したのは、違法解雇となり、賠償金を支払わなければならない。

3. 解釈のポイント、まとめ

労働契約法第40条第3号に基づき労働契約を解除する場合は、以下の条件を満たす必要がある。①労働契約締結時に根拠とした客観的状況に重大な変化が生じた。
②その変化によって労働契約の履行が不可能になった。
③使用者が労働者と労働契約の変更について協議したが、合意に達しない。
「『労働法』の若干条文に関する説明」第26条に、「客観的な状況とは、不可抗力若しくは企業移転、
買収、資産譲渡等のような状況により、労働契約の全部又は一部が履行できない場合を指す」と明確に規定している。広東省の裁判実例によれば、企業が当局の政策等によって止む得ず移転を迫られた場合、又は他の企業から買収が行われた場合等を、客観的な状況として認定する一方、企業の業績不振又は経営戦略上の理由に基づく組織・部署変更等は、主観的な経営策略であり、客観的な情況の変化とは見なされないと判断されている。
また、使用者は客観的な状況に重大な変化が生じた場合であっても、その変化によって、双方の労働契約を継続して履行できないことを証明しなければならない。例えば、企業合併の場合は、これより元の職場が完全に廃止される等、労働契約の履行が現実的に不可能であることを証明する必要がある。
そして、上記の要件を満たした後、労働契約の変更について使用者が合理的な変更案を労働者と十分に協議し、協議の結果、合意に達しない場合に、経済補償金と代通知金(又は30日前の解雇通知)を支給した上で、はじめて労働契約を解除することができる。すなわち、当事者の事前協議は労働契約解除の前提条件となる。実務上、「客観的状況に重大な変化」が認められたに関わらず、事前協議を行わなかったため、最終的に違法解雇と認定されたケースも多く存在する。
本事例は、企業が労働契約法の規定する「客観的状況に重大な変化」があった場合を、企業が自己にとって都合のよい解釈を行ったために違法解雇と認定された典型的な事例である。違法解雇と認定された場合は、経済賠償金の支払(経済補償金の2倍)が必要になるだけではなく、そもそも違法解雇であることから、その労働者が継続雇用を希望する場合は、継続雇用の義務も生じる。違法解雇として、経済賠償金を支払うことにより、労働契約を一方的に終了することができるわけではないことにも注意が必要である。

以上を踏まえると、使用者が経営不振により労働者を解雇する場合、安易に労働契約の一方的解除を行うべきではなく、労働者との協議による合意解除をまず選択すべきであり、やむを得ず一方的解除を行う場合であっても、その要件が規定の要件を満たすかどうか慎重に見極め、かつ、労働者との事前協議を十分に行う必要がある。

各省、自治区、直轄市及び新疆生産建設兵団の人力資源社会保障庁(局)、教育庁(教育委員会)、司法庁(局)、衛生健康委(衛生計画生育委員会)、国資委、医療保険局、総労働組合、婦人連合、人民裁判所の九部門は、『人材募集行為を一層規範化させ、女性の就業を促進することに関する通知』(原文、以下『通知』と呼称)を2019年2月21日付で公布した。

1. 目的

現在、中国の女性労働率は世界の中で高水準である一方、女性の就業においては、依然一定の困難があるのが現状である。特に、就業の場面において、女性を理由とした就業差別が存在している。こうした現象に鑑み、女性の就業権益を一層保障し、女性の就業を促進するために、上記九部門は共同で通知を公布した。

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財政部・税務総局非居住者及び住所の無い居住者の個人所得税政策についての公告
(財政部 税務総局公告〔2019〕35号)

改正後の「中華人民共和国個人所得税法」と「中華人民共和国個人所得税法実施条例」実施に伴い、非居住者及び住所の無い居住者の個人所得税についての詳細な取扱いが規定された。主な内容は以下の通り。

1. 所得の源泉地

(1) 給与所得の源泉地

  • 中国国内の勤務期間に属する給与・賃金所得を、国内源泉所得とする。
  • 国内勤務期間とは、国内で仕事をした日数で計算され、実際の国内での勤務日数と国内勤務期間における公休日、個人休暇、研修を受けた日数が含まれる。
  • 国内外の企業で職務を兼任する場合、または国外の企業にのみ勤める場合、国内、国外での勤務日数が当期の暦日数に占める割合で、国内、国外源泉所得額をそれぞれ計算する。
  • 24時間未満の国内滞在日は、半日として計算する。

(2) 数ヶ月の計算期間により受け取る賞与、株式報酬の源泉地

  • 賞与や株式報酬の算定対象期間に占める国内勤務日数の割合に応じて案分して、国内、国外源泉所得額をそれぞれ計算する。

(3) 董事、監事及び高級管理職が取得する報酬所得の源泉地

  • 国内企業が支払う、または負担する董事、監事及び高級管理職が取得する職務報酬については、国内で職務を履行するかどうかに関わらず国内源泉所得とする。
  • 上級管理職には、企業の総経理、副総経理、職能別部署のチーフエンジニア、総監及びその他の企業の管理職が含まれる。

(4) 原稿料所得の源泉地

  • 国内企業、事業機関、その他の組織機関が支払いまたは負担する原稿料所得を国内源泉所得とする。
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財政部 税務総局 中国国内に住所を有しない個人の居住日数判定標準についての公告
(財政部 税務総局公告〔2019〕34号)

2019年1月1日施行。新個人所得税法及び新個人所得税実施条例において、個人の「居住者」としての判定基準が、満1年から満183日に変更され、また、国外で支払われた国外源泉所得が免税となる要件が、「5年未満」から「6年未満」の「6年ルール」へと変更されていた。今回の公告により、国外で支払われた中国国内に住所を有しない個人(住所の無い個人と称する)の居住日数の判定基準が明確化された。主な内容は以下の通り。

国外で支払われた国外源泉所得が免税となる要件の居住日数の判定基準の明確化

以下の基準をすべて満たす場合は、国外で支払われた国外源泉所得についても個人所得税を納付する必要がある。
  • 住所の無い個人の一納税年度における中国国内累計居住日数が満183日となる場合
  • 以前の6年において中国国内に毎年累計居住日数がいずれも満183日である場合
  • 以前の6年においていかなる一年にも一回の出国が30日を超えていない場合
    ※改定後の「6年ルール」は、2019年度より起算され、2018年度以前の滞在における累計居住期間はリセットされる。

居住日数の計算方法の変更

従来は、出国日・入国日、それぞれを一日として居住日数を計算していたが、中国国内での滞在が24時間に満たない日について、中国国内の居住日数には含まれないことが規定された。

財政部・税務総局
非居住者及び住所の無い居住者の個人所得税政策についての公告

財政部・税務総局公告2019年第35号

改正後の《中華人民共和国個人所得税法》(以下、税法という)と《中華人民共和国個人所得税法実施条例》(以下、実施条例という)を徹底して実施するため、非居住者及び住所の無い居住者(以下、住所の無い個人と総称する)の個人所得税政策を下記の通り公告する。

一、所得源泉地について

(一)給与所得の源泉地についての規定

個人が取得する中国国内(以下、国内という)の勤務期間に属する給与・賃金所得を、国内源泉給与・賃金所得とする。国内勤務期間は、個人が国内で仕事をした日数で計算され、実際の国内での勤務日数と国内勤務期間において国内、国外で享受した公休日、個人休暇、研修を受けた日数が含まれる。国内、国外の企業・機構で職務を兼任し、あるいは国外の企業・機構でのみ勤める個人は、その国内の滞在が当日24時間未満の場合、国内での勤務日数を半日として計算する。

住所の無い個人が国内、国外の企業・機構で職務を兼任し、あるいは国外の企業・機構でのみ職務があり且つ同時に国内・国外で仕事をした場合に、給与・賃金のそれぞれ所属する国内、国外での勤務日数が当期の暦日数に占める割合で、国内、国外源泉給与・賃金所得額を計算する。国外での勤務日数は当期の暦日数から当期の国内での勤務日数を差し引いて計算される。

(二)数ヶ月分の賞与と持株奨励の源泉地についての規定

住所の無い個人が取得する数ヶ月分の賞与または持株奨励所得は、本条第(一)項の規定に基づいて所得の源泉地を確定する場合、住所の無い個人が国内で職務を履行しあるいは職務を執行した時に受領した数ヶ月分の賞与または持株奨励所得に対し、国外で勤務した期間に相当する分を国外源泉給与・賃金所得とする。住所の無い個人が国内での職務履行を停止し、あるいは職務を執行し出国した後に受領した数ヶ月分の賞与または持株奨励所得に対し、国内で勤務した期間に相当する分を国内源泉給与・賃金所得とする。具体的な計算方法は、数ヶ月分の賞与または持株奨励所得に、その所属する勤務期間における国内勤務日数の、所属勤務期間日数に占める比率を乗じるものとする。

住所の無い個人が一ヶ月以内に取得する国内外の数ヶ月分の賞与または持株奨励所得に所属期間が異なる複数種の所得が含まれる場合、本公告の規定に基づき各異なる所属期間の国内源泉所得を先に算出し、その後、当月の国内を源泉地とする数ヶ月分の賞与額または持株奨励所得を合算して計算するものとする。

本公告にいう数ヶ月分の賞与額とは、一括して取得する、数ヶ月間に所属する賞与、年末賞与、配当金などの給与・賃金所得をいい、毎月固定で支給する賞与及び一括で支給する数ヶ月分の給与を含まない。本公告にいう持株奨励所得には株式オプション、持分オプション、制限付株式、ストック・アプリシエーション・ライト、株式型報酬及びその他株式等有価証券の引受により雇用者から取得した割引または手当が含まれる。

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