2019年以降、インドネシアでは首都移転についての議論が行われています。2019年8月政府はカリマンタン州バリックパパン近郊への首都移転を計画しました。首都移転については70年前に検討された歴史的経緯はありますが、具体的に移転地を策定する事などは行われておらず、首都移転は2019年以8月に初めて政府から正式に発表されました。

首都移転の理由は、ジャワ島(特にジャカルタとその近郊)とその他の地域での格差の拡大が広がっており格差是正を促すため(ジャカルタと近郊のみに投資や企業が集中しており、その解消)、ジャカルタの渋滞解消(渋滞を鯨飲とする経済損失は年間10兆ルピアとも言え割れています。)、ジャカルタの地盤沈下と海面上昇(データによると2050年までにジャカルタの95%以上が水没するというデータもあります。)が主な理由となっています。

首都移転により経済的中心をジャカルタに残して、首都機能(政治の中心)を新天地に移すという計画となっています。新天地のカリマンタン州地域は自然災害が少ない事、豊かな自然が残る土地であることから、ジャカルタ地域居住住民以外の国民は概ね賛成という世論になっていました。当初の計画では2045年の独立100周年に首都完全移転の計画が発表されていました。2019年からは予算も計上し首都移転に向けて動き始めていました。

しかしながら2019年末・2020年初頭からの新型コロナウィルス感染拡大により首都移転計画は一時凍結されました。2021年下半期に入り新型コロナウィルス感染拡大も若干の落ち着きを見せ始めたことから、政府は首都移転計画の再開を計画しています。

政府は既に2021年9月に首都移転法案を提出しており2022年2月の国会で審議される予定となっています。法案可決後には、12兆ルピア以上の予算が計上という報道も出ています。また、法令上の首都のみを2024年に先に移転させたうえで、順次段階的に官公庁等を移転させていく計画が報道されています。計画においては2024年までに大統領府・内務・外務・国防3省を移転せたうえで、29年までに第2段階、第3段階と移転をする計画となっています。

インドネシアにおいては、大統領の交代により政策などが大きく変更される可能性もあり、首都移転の現実味については、現時点では未知数です。現在のジョコ大統領の任期が2024年までとなっており、現在が2期目のため3選が憲法上禁止されていることから、任期内に道筋をつけることが出来るかということが焦点となっています。また、報道では首都移転を計画することで憲法改正による大統領3選を狙っているのではないかという報道もあり(大統領は否定)、首都移転が本当に実現するかという点については、引き続き疑問符がついています。首都移転が現実となった場合には、各国の在外公館も移転される可能性が強く今後の動向を引き続き見守る必要があります。

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