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I) 概要

  • 新会社条例では、コーポレート・ガバナンスの強化、法令の改善及び事業促進の観点から、取締役に関わる項目が修正されている。
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  • 新会社条例では、取締役の善管注意義務、技能及び精勤の基準を明記している。新会社条例条令第465条第2項は、取締役として善管注意義務、技能及び精勤の遂行を図るための、客観性及び主観性を併せ持った指標を規定している。

  • また、第三者への責任に対する取締役の免責事項を明記している。新会社条例第469条では、取締役が招いた第三者への法的責任に対し、会社が補償することが許容されている。なお、取締役の違法行為に係る罰金や規制機関によって課される罰金等の責任や債務は免責の対象にはならない。


  • 取締役の利益相反を回避するために、新会社条例では以下の対策が設けられている。
    1. 取締役の関連当事者を更に広範囲に判断する基準を網羅するために、金銭貸借及び同等の取引の禁止とする範囲を拡大し、取締役の関連当事者に該当する人として判断される範疇が広がることとなる。
    2. 取締役の行為に対して利害関係を有しない株主による承認が必要となる。
    3. 公開会社においては、多岐にわたり禁止されている取引に対して、また、公開会社の子会社にあたる私的会社や保証による有限責任会社においては、金銭貸借及び同等の取引に対して、利害関係を有しない株主の承認を必要とする。
    4. 取締役の辞任・退任時の報酬の支払制限を拡大する。
    5. 3年以上の任期となる取締役は、株主の承認を必要とする。
    6. 現会社条例第162条の下で要求されている開示範囲を拡大する。

  • 事業運営の促進のために、新会社条例第500条~第504条の下、株主の承認がある場合には、通常は禁止されている信用取引、金銭貸借及び同等の取引に例外規定を設けている。この例外規定は、全ての香港法人に適用される。また、金銭貸借及び同等の取引に係る禁止について、以下2つの新たな例外取引が導入される。
    1. 純資産もしくは払込済資本の5%未満の金銭貸借または同等の取引(第505条)
    2. 訴訟答弁手続きまたは当局調査に関わる費用に対し拠出される資金(第507条及び508条)

II)  新会社条例の関連条項

  • 第10部第465条~第473条
  • 第11部第484条~第542条

III)移行期間の措置

  • 取締役に関連して起こり得る法的責任に対し、現会社条例第165条の既存の免責事項や補償条項は、新会社条例施行第468条、第469条及び第470条の施行前までは有効である。

  • 新会社条例第613条に従って年次株主総会の開催を見送る場合、現会社条例第157HA条第3項(a)に記載されている支出に該当し、如何なる取締役に提供される資金取引に関連して現会社条例第157HA条第3項(b)に明記されている条件は、新会社条例第11部第2章の施行時に未履行となっていても、以下の条件に該当する場合に継続して適用される。
    1. 年次株主総会が開催されるべき最後の日までに会社の承認を得ること。
    2. 当該承認を得られない場合は、如何なる人物も上記最後の日から6ヶ月以内に法的責任を履行しなければならない。

  • 新会社条例第11部第3章が施行されるまでに発生する退任・辞任については、現会社条例の第163条、第163A条、第163B条、第163C条及び第163D条が継続して適用される。なお、取締役の退任・辞任については、取締役退任の日を以って有効とし、取締役と役職を兼任している場合は、兼務する役職退任の日を以って有効とする。

  • 原文

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