香港 中国アジア法令Q&A

[Q&A] 日本支払給与の香港での二重課税回避方法

Q. 今度香港に駐在員事務所を設立予定です。香港の駐在員事務所で働きながら日本から日本の銀行口座で給与を受け取った場合、香港側でどのような租税条約があるのでしょうか。

日本での年金や健康保険をキープしたいので、おそらく所得税も加えると15-20%を支払う事になると思いますが、その場合香港でも所得税の支払いは発生しますか。発生する場合、大体何パーセントくらいでしょうか。二重課税を避ける方法があれば教えてください。

記事の内容は、法規定の変更などにより、現在の状況と異なっている場合がありますのでご留意ください。

A. 個人所得税の問題はケースバイケースで多岐にわたりますので、下記一般的なケースを要約して回答させて頂きます。

原則香港側に出向され、または香港で雇用契約があり、香港にて役務を提供することで稼得する給与については、香港に源泉があるとされ、全額香港にて申告納税が必要です。この場合、その給与の出所が何処であれ、香港にて全額課税対象となります。

出向者の方に対してよくとられる処理としては、留守宅手当として全所得の少額部分を日本側に残し、社会保険を継続、日本側で所得税や住民税等が発生しないように諸手続をした上で、香港側では全額申告納税を行い、二重課税を避ける方法があります。

また、出向として取り扱うものの、日本側での役務提供も一部発生する(日本国内源泉所得)として、日本側での給与(例えば全体の50パーセントとする)は日本側で、残り50%は香港側での役務提供に係る給与手当として香港側でのみ申告納税する方法(この場合、契約書の業務内容をしっかり区分明記する必要があります)も考えられますが、香港に常駐されている限りは、日本での役務提供の現実性から、この取扱いは困難かと存じます。なお、両地とも役員報酬の取扱いは異なりますので、ご留意ください。

日本・香港間の租税条約は、今年3月31日に叩き台として基本合意がなされているものの、未だ要綱を作成中の段階です。給与手当に係る個人所得税については、まず両地とも国内法で解決できる範疇ですので、ご参考にされて下さい。