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非居住者の企業所得税に関する質疑応答(八)

非居住者の企業所得税に関する質疑応答(八)
2009年06月24日(原文

Q. 業務を請け負う非居住者企業が中国国内での工事業務を引き受ける場合、或いは中国国内で役務を提供する場合、その契約や協議の締結日から30日以内に、当該活動が行われる所在地の主管税務機関にて税務登記手続きを行わなければならない。では、契約期間が短く、財務の責任者もない状況において、総合的徴収管理システム上で査定徴収方式により個別に税収登記を行うことができるのか?

A. 非住民企業が中国国内で行う工事業務請負や役務提供が1年に満たない場合、主管税務機関において臨時税務登記を行う必要がある。

記事の内容は、法規定の変更などにより、現在の状況と異なっている場合がありますのでご留意ください。

Q. イギリス領バージン諸島等租税回避地の出資者に分配される利益に対する税率は、10%、20%、或いは租税協定を締結している場合の協定税率等その他税率を用いるのか?

A. 居住者企業が非居住者企業へ株式配当金や分配金等の持分性投資収益を支払う場合、租税協定による取り扱いを受ける場合を除き、国内の税務法律規定に基づき所得税を源泉徴収しなければならない。目下のところ、国内税法規定による株式配当金や分配金等の持分性投資収益に係る源泉所得税率は10%である。なお、中国とイギリス領バージン諸島の間に租税協定は締結されていない。

Q. 特許権使用料の徴税問題に関する質問:《非居住者企業所得税源泉徴収管理暫定弁法(国税発[2009]3号)》第8条では、次のような規定がされている。企業所得税課税額=課税所得税×実際徴税率 ……(一)株式配当金や分配金等の持分性投資収益、利息や賃貸料、特許権使用料に係る所得は、全収入額を以て課税所得額として、税法で規定される以外の税費支出を控除してはならない。
ここに、中国国内企業が米国企業から商品(応用ソフトウェアが付随)を購入して、設備代金以外にもソフトウェア許諾費用(契約書は存在する。ソフトウェアの所有権は外国企業が留保、中国企業は使用権のみを有する)を支払う場合、当該ソフトウェア許諾費用を特許権使用料と見做して、中国企業は米国企業に代わって企業所得税を納税しなければならないのか?或いは、設備代金に対して、米国企業の企業所得税を源泉徴収する必要があるのか?

A. 外国企業が、特許や版権使用許可の提供という形式を以て中国国内消費者へコンピューターソフトウェア使用権を提供する場合、或いはコンピューターソフトウェアは特許権や版権を有していないものの、その使用範囲や使用方式、及び使用期限等に限定的な条項を設定する形で中国国内消費者へコンピューターソフトウェアの使用権を提供する場合、外国企業がそこに派生して収受する使用料は特許権使用料と見做して徴税を行い、中国企業の支払時に企業所得税を源泉徴収しなければならない。中国企業が設備代金を対外送金する際は、企業所得税の源泉徴収は不要である。

Q. 一つの契約で、国外での設計費用、国内での現場取付費用、研修費用を三回に分けて非居住者企業へ支払う場合、国内での工程施行地において、全額が企業所得税の徴税対象となるのか?

A. 《企業所得税法》では、非居住者企業が国内に機構や事業所を設立する場合、そこが中国国内で取得した所得に対して企業所得税を申告納付しなければならないと規定している。したがって、非居住者企業の国外での役務所得部分に対しては、中国の企業所得税を納付する必要はない。但し、《非居住者の工事作業請負と役務提供に関す徴税管理暫定弁法》に基づく、関連事項の手続きを行なわなければならない。

Q. 国税発[2009]3号通知第5条では、持分譲渡取引の双方が共に非居住者企業であり、且つ中国外で取引が行われる場合、被持分譲渡企業である国内企業が法に基づいた税務登記の変更を行う際に、持分譲渡契約書の写しを主管税務機関へ提出しなければならないと規定している。第15条では、持分譲渡取引の双方が非居住者企業であり、且つ中国外で取引が行われる場合、所得を取得する非居住者企業自身で、或いは代理人に委託して、被持分譲渡企業である国内企業の所在地主管税務機関へ申告納税を行う。被持分譲渡企業である国内企業は、非居住者企業の納税に関して、税務機関へ協力しなければならない。
では、国内企業の持分所有者である二つの国外所有者(関連企業であるが、100%の支配関係は有していない)の間で吸収合併が生じた場合、中国での納税問題は発生するのか?また、国内企業は吸収合併協議書を主管税務機関へ提出する義務があるのか?

A. 国内企業の持分を所有する国外所有者間で企業再編が生じる場合、先日公布された財税[2009]59号通知に従い、企業再編の状況に基づいた一般性税務処理か特殊性税務処理の規定に、非住民企業が中国での納税義務を確定すべきである。国内企業は吸収合併協議書を主管税務機関に報告する義務がある。

Q. 当社はあるドイツ企業から、問題研究サービスの提供を受けた。外国企業は、管理や技術支援等の提供という義務を有し、最終的に我々は一通の報告書を受け取った。その間、中国に人員が派遣され会議を行うこともあった。このような場合、外国企業は《非居住者の工事作業請負と役務提供に関す徴税管理暫定弁法》に基づいて、中国の税務機関で税務登記手続きを行う必要があるのか?

A. 《企業所得税法》規定に基づけは、ドイツ企業が中国国内で役務所得を取得する場合には、《非居住者の工事作業請負と役務提供に関す徴税管理暫定弁法》に従い、税務登記手続きを行わなければならない。