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非居住者の企業所得税に関する質疑応答(七)

非居住者の企業所得税に関する質疑応答(七)
2009年06月24日(原文

Q. 《非居住者企業所得税源泉徴収管理暫定弁法》第十条では、「源泉徴収義務者が非居住者企業と本弁法第三条規定の所得に関係する業務契約を締結し、契約で源泉徴収義務者が税金を負担すると約定した場合、非居住者企業が取得する税抜所得を税込所得額にグロスアップで換算した上で、課税額を計算しなければならない」と規定している。
では、税抜き契約を締結する場合、源泉徴収義務者が損金算入できる金額は非居住者の税込所得額であるか。源泉徴収義務者が会計処理上は非居住者の税抜所得を原価として計上し、自己で負担する源泉徴収所得税をその他項目の費用に計上する場合、損金算入されるのは非居住者の税込所得額か。

A. 企業所得税を計算する時は税込所得を依拠とし、企業が会計処理を行う時は非居住者が発行する合法的な証票に記載される金額を基準としなければならない。

記事の内容は、法規定の変更などにより、現在の状況と異なっている場合がありますのでご留意ください。

Q. 非協定国の居住者企業が中国国内で収入を取得した場合、その所得税納税義務はどのように判断するか。中国国内滞在日数、国外滞在日数とどのような関係があるか。

A. 非協定国企業が中国で役務を提供する場合、国内で設立している機構・場所を納税者としなければならない。派遣者の中国滞在日数を問わない。

Q. 《企業所得税法》の規定に基づき、源泉徴収を行う所得は、非居住者企業が中国国内で機構・場所を設立していない場合、または機構・場所を設立しているが取得した所得はその機構・場所と実質的な関係がない場合、中国国内を源泉とする所得について企業所得税を納付しなければならない。源泉徴収義務者が法により控除していないまたは源泉徴収義務を履行できない場合、納税者は所得の発生地に申告納付しなければならない。
では、納税者は所得発生地の地方税局へ納付するか、それとも国税局に納付するか?

A. 国税発[2008]120号文書の規定に基づき、国内組織と個人が非居住者企業に対して《中華人民共和国企業所得税法》第三条第三項で規定される所得を支払う場合、当該所得に対応する所得税の源泉徴収は、それぞれ当該所得を支払う国内組織と個人の所得税主管国家税務局または地方税務局が徴収管理の責任を負う。
よって、源泉徴収義務者の企業所得税が国税局により徴収管理される場合、納税者は国税局に納付すべきである。
源泉徴収義務者の企業所得税が地方税局により徴収管理される場合、納税者は地方税局に納付すべきである。

Q. 《非居住者企業所得税源泉徴収管理暫定弁法》(国税発[2009]3号)第九条「 源泉徴収義務者が対外支払い又は支払期限に支払うべき代金が人民元以外の通貨の場合、企業所得税の源泉徴収を申告するときに、源泉徴収当日の国家公表の人民元レートの中間値により、人民元に換算し、課税所得額を計算しなければならない。」について、どのように理解すればよいか?
納税義務発生の当日(例えば、契約で約定される利息の支払日)、または企業が税務部門にて税金控除申告を行う当日か?

A. 企業が税務部にて税金控除申告を行う当日とする。

Q. 《非居住者企業所得税源泉徴収管理暫定弁法》第三条では、特許権使用料所得について、非居住者企業所得税を納付する必要があると規定している。この特許権使用料の定義と、税率はいくらか?

A. 税関総署第148号令「中華人民共和国税関による輸出入貨物完税価格に関する弁法」に定義される特許権使用費により、ソフトウェア製品は範囲に含まれる。
特許権使用費とは、企業所得税法実施条例の規定に基づき、企業が特許権、非特許権、商標権、著作権及びその他特許権の使用権を提供することにより取得した収入をいう。税率は10%とし、源泉徴収の実施方式としては支払者が源泉徴収する。

Q. 企業所得税法条例第九十一条第二項の規定について、実務においてどのように確認するか?

A. 《企業所得税法実施条例》第91条第二項では、国際金融組織が中国政府または内国法人に優遇貸付金を提供することによる利息所得は企業所得税を免除すると規定している。実際において、下記の原則を理解しなければならない。

  1. 国際金融組織には、主に国際通貨基金、世界銀行、アジア開発銀行、国際開発協会、国際農業発展基金、欧州投資銀行および財政部と国家総務総局が確定するその他国際金融組織が含まれる。
  2. 優遇貸付金とは、金融企業による同期間同種の貸付金の利率水準を下回る貸付金をいう。

詳細は財税[2009]69号文書を参照されたい。