中国 個人所得税

[全訳] 個人賃金給与所得と企業の賃金費用支出の照合強化問題

国家税務総局
個人賃金給与所得と企業の賃金費用支出の照合強化問題に関する通達
国税函[2009]259号(原文
各省、自治区、直轄市と計画単列市国家税務局、地方税務局:

企業所得税と個人所得税の協調管理を強化し、≪国家税務総局 賃金給与及び従業員福利費の控除問題に関する通達≫ (国税函[2009]3号)を厳格に執行し、個人所得税の源泉徴収の質を高めるために、各地の税務機関は、個人が就業または雇用により取得する賃金給与等の所得を、その勤務先または雇用企業で発生した給与費用支出と照合することを通して、その差異と問題を洗い出し、個人所得税の徴収管理を強化して、給与賃金支出の税前控除を標準化させなければならない。関連する事項について、下記のとおりに通達する。

一、各地の国税局は、毎年7月末までに、年度の確定申告をする企業の名称、納税人識別番号、登記所在地、企業が税前控除する給与賃金支出の総額等の関連情報を、同級の地税局へ報告しなければならない。
地税局は、企業及び国税局からの企業の給与賃金支出の総額と、すでに源泉徴収済の給与賃金所得の総額とを照合分析しなければならず、それらの差異が大きい場合は、税務職員は企業に対し、実地調査を行うか、税務調査部門へ税務調査を依頼しなければならない。
2009年に地税局が照合分析を行う企業数は、確定申告を実際に行った企業総数の10%を下回ってはならない。情報化基盤が比較的良好な地区については、当地の実情に基づき確定申告を行う全企業を照合分析の対象として拡大することができる。

二、地税局が企業に対し実地調査を行う場合は、主に次の点を調査対象とする。

  • 税前控除した給与賃金支出に対応する個人所得税がもれなく納付されたか
  • 個人の給与、賃金所得を福利費やその他の勘定科目に計上して、個人所得税を納付していない情況があるか
  • 企業の従業員全員の平均賃金の適用税率によって税金を計算・納付しているか
  • 非貨幣の支給形式である給与賃金性質の所得に対し、法に基づき源泉徴収義務が果たされているか
  • 個人収入を隠匿または過少申告した情況があるか
  • 企業が架空の従業員の給与費用支出を計上した情況があるか

三、地税局が照合または調査の過程で発見した問題につき、地税局の徴収管理権限に属する場合、地税局は税収徴収管理法及び関連法律、法規の規定に従い処理しなければならない。また、国税局の徴収管理権限に属する場合は、地税局は、関連情報を適時に国税局へ引き継ぎ処理しなければならない。
各地の地方局は毎年11月末までに、国税局が提供する関連情報に関する照合及び使用効果等の情況を、同級の国税局へ報告またはフィードバックしなければならない。

四、各級の税務機関は、この作業を高度に重視し、個人所得税の徴収管理の質を高め、給与賃金支出の税前控除を標準化させ、所得税収入の有効な手段として全力かつ一心に取り組み、部署に行き届かせ、着実に作業を展開しなければならない。適切で実行可能な作業方案を立て、情報化手段を十分利用することにより照合業務を強化しなければならない。国税局と地税局は、緊密に連絡を取りあい、協力し、力を合わせて作業を行い、本通達の要求に従い、情報を適時に伝達、フィードバックし、情報資源と作業の成果を共有化し、作業過程で発見した共通性のある問題に対しては共同で措置を講じて所得税管理を強化しなければならない。各省の国税局、地税局は、2009年末までに、作業情況を正式に書面で税務総局(所得税司)へ報告し、税務総局は下半期に検査、指導を行う。

国家税務総局
二00九年五月十五日