香港

香港とベトナム間で締結された二重課税防止条約について

香港とベトナム間で締結された二重課税防止条約は、確実で優遇的な課税措置であると供に、企業や個人による投資状況の査定を容易にさせ、両国の密接な投資や貿易リンクを促進させる大きな役割を果すとされている。(原文

2009年8月4日、税務局長官Ms. Alice Lauはハノイ(ベトナム)にて、ベトナムのビジネスマン及び香港の投資家に向け、ベトナムで営業している香港企業や香港従業員は当該租税条約により節税が可能になる、と述べた。

二重課税防止条約(Avoidance of Double Taxation and the Prevention of Fiscal Evasion with Respect to Taxes on Income)は2008年12月16日、両政府により調印されており、双方の批准手続き完了後、有効となる。

香港では、原則として、香港内で行った事業活動から得た所得のみが課税対象となる租税システムを採用している。 なお、受取配当金や利息など受動的所得に対して源泉徴収はない。

Ms. Lauは、「香港の租税システムは良性ではあるが、二重課税が発生する可能性がある」、また、「双方で得た所得に対する課税について、既に租税負担の軽減が実施されているが、二重課税防止条約を締結することにより、確実で安定的に二重課税を防止することができる」と述べた。

香港法人は、恒久的施設(Permanent Establishment“PE”)に当たる工場や支店の形態で、ベトナムでの営業が可能である。 今回の租税条約締結前は、香港法人がPEから得た所得に対して、香港およびベトナム両サイドで納税義務があった。

当該租税条約の実施後は、単一の所得に対して、ベトナムでの納税額が香港にて減免される。これにより二重課税の問題を避けることができる。

Lau氏は、2008年度、ベトナムにてUS$250,000の所得を上げた香港居住の航空会社Kを例として取り上げ、Kの場合、当該租税条約により34%の節税が可能となると述べた。

これが租税条約の締結前であれば、航空会社Kのベトナムでの所得は、香港源泉では無いため、香港での課税が免除されるが、ベトナムの25%の事業所得税の対象となる。

反対に、租税条約締結後であれば航空会社Kは、ベトナム源泉所得に対してベトナムでの課税が控除されることとなり、香港国内法に基づき、香港にて課税されることとなる。 香港での法人税率は16.5%であることから、結果的に、航空会社Kの納税義務は34%低くなる。

またMs. Lauは、今回の租税条約の実施後、香港居住者の国際海輸サービスから得たベトナム源泉所得は免税となると述べた。

なお給与所得について、香港従業員のベトナム源泉所得は、以下の条件を満たす場合、ベトナムでの個人所得税が免除される。

  1. 対象となる年度にて開始、終了されるいずれの12ヶ月の期間に、継続的またはそれに関係なく、ベトナムでの滞在期間が183日以下であること
  2. 給与はベトナム非居住者、またはベトナム非居住者の代理から支給されている
  3. 給与はベトナムの恒久的施設により負担されていない。

加えてMs. Lauは、個人または企業に関係なく、特許権、設計またはモデル、企画、製法または工程の機密に関する使用または使用権に関する香港居住者のベトナムで得たロイヤリティーの源泉税率は、現在適用されている10%から7%へと引き下げられる、と述べた。

香港経済貿易代表部(HKETO)がシンガポールで開催したセミナーには、前代未聞の試みとして、ベトナムと香港から税務局員が参加し、両国のビジネスマン及び投資家に向け、当該租税条約の説明が行われた。

ベトナム課税部事務局次長のMadam Le Hong Haiもまた、今回のセミナーにて、当該租税条約を実施する際の規制や手続きについて説明した。

HKETOの事務局長代理のMr. Law Kin-waiはセミナーにて、「‘一国二制度方式’により、ハイレベルな自律、無関税港ステータスの持続、普通法の権限、独立した課税制度、世界貿易機関(WTO)メンバーや関税自治区などの達成が可能となる」と述べた。

また中国本土との密接な関係など、投資家を引き付ける香港の魅力を紹介し、ベトナム企業は香港を利用し中国本土やその他の国際市場に進出するべきだ、と述べた。

セミナーの後半では、Invest Hong Kongの副事務局次長Mr. Charles Ng、インドシナ半島香港貿易発展局(HKTDC)の取締役Ms. Tina Phanにより、香港や中国本土での様々な商機や戦略的優位などが紹介された。

8月4日に開催されたセミナーは、ハノイの商業部門から約100人の参加者を招いた。 なお、8月5日にホー・チ・ミン市で同様のセミナー開催を予定している。