中国
中国入境ビザ政策動向(2024年9月)
2024年以降、展示会や取引先訪問のための出張等で中国に入境する日本人も増えてきたようです。
主に広東省のイミグレーションにおける入境ビザの現状の政策について簡単に紹介いたします。
目次
1. 本国で申請取得するビザ
出入国管理法(2013年版)により、外国人のビザとして主に以下が挙げられます。(一部省略)
日本人に対するビザフリー政策は2024年9月23日現在、未だ再開されていません。
Fビザ | 訪問(Fangwen) |
---|---|
Lビザ | 旅行(Lvyou) |
Mビザ | 商業・貿易(Maoyi) |
Rビザ | 人材(Rencai) |
Qビザ | 親族探訪(Qinshutanfang) |
Sビザ | 私人事務(Sirenshiwu) |
Xビザ | 学習(Xuexi) |
短期Zビザ | 90日を超えない就業*1 |
Zビザ | 就業(Zhiye) |
*1: 短期Zビザは2015年より試行、中国国内提携先での管理指導業務や、訓練、映画撮影、営業性公演、ファッションショー・広告撮影等を含む国内業務遂行で滞在90日以内の場合とされています。但し、中国側組織が購入した機械設備のメンテナンス・据付・指導や、国内の子会社等への派遣業務、体育競技への参加は該当しないとされています。(人社部発{2014}78号)
2. ビザ・フリー・トランジット (原文:「过境免签」)
ビザ・フリー・トランジットとは、外国籍旅客が、トランジット国の法律或いは関連規定に沿って、ある国から第三国或いは地区に向かう際に、トランジット国でのビザ申請を不要として暫時停留を認める入境政策で、24時間、72時間、144時間のトランジットはビザフリーとなっています。
目下、中国は対外開放されている旅客イミグレーションで24時間のビザフリートランジット政策を実施しており、外国人が有効な国際旅券、座席指定済みのチケットを有し、国際路線の航空機、船舶、列車にて中国経由で第三国或いは地区に向かう際に、中国に24時間以内滞在し且つ国境を離れない場合、ビザフリーで入境可能となります。もし国境を離れる場合、イミグレーションで臨時入境許可を取得すれば良いとされています。
目下19の省(自治区、直轄市)の対外開放国境41か所において、日本を含む54か国の人員に対し72時間或いは144時間のビザフリートランジット政策を実施しており、華南及び周辺地域では以下の通りとなっています。
72時間トランジット
省(区市)/地区 | 国境名 | 停留範囲 |
---|---|---|
湖南省 | 長沙黄花国際空港 | 湖南省 |
広西省チュワン族自治区 | 桂林両江国際空港 | 桂林市 |
広西北海港国境(旅客) | 北海市 |
144時間トランジット
省(区市)/地区 | 国境名 | 停留範囲 | 備考 |
---|---|---|---|
広東省広州市 | 広州白雲国際空港 | 広東省 | 政策適用条件を満たす外国人は、広州、深セン、掲揚空港国境或いは南沙港、蛇口港から入境し、広東省内に144時間を超えず停留し、広東省の旅客機能を有する対外国境36か所から出境することができる。 |
南沙港国境(旅客) | |||
広東省深圳市 | 深圳宝安国際空港 | ||
蛇口港口岸(旅客) | |||
広東省掲揚市 | 掲揚潮山国際空港 | ||
雲南省 | 雲南昆明長水国際空港 | 昆明、麗江、玉渓、普洱、大理、西双版納、紅河、文山市 | |
雲南麗江三義国際空港 | |||
雲南西双版磨憨鉄路国境 | |||
福建省 | 厦門高崎国際空港 | 厦門市 |
停留144日とは、入境日の翌日から起算して6日目までとなります(広州市政府HPによる)。
3. ツアー客のビザフリー政策
(1) 外国ツアー団体客のクルーズ船入境ビザフリー政策
2024年5月15日より、クルーズ船により国内旅行社の手配による外国ツアー客(2人以上)で、天津、大連、上海、江蘇省連雲港、浙江省温州及び舟山、福建省厦門、山東省青島、広東広州及び深圳、広西省北海、海南省海口と三亞等13の年のクルーズ船国境よりツアー全員のビザフリー入国、15人以内停留を認め、ツアー団体は次の港から出境まで同一のクルーズ船に乗るものとし、活動範囲は沿海の省(自治区、直轄市)と北京市とするとされています。
(2) 香港マカオ地区旅行社の手配による広東省範囲の外国人入境ビザフリー
香港、マカオ特別行政区に来訪した、中国と国交のある外国公民で、普通パスポートを有し香港マカオ地区の旅行社により組織手配される団体ツアー客は、広東省広州、深セン、珠海、佛山、東がん、中山、江門、肇慶、恵州の9都市及び汕頭地区に144時間以内停留することができるとされています。
※ツアー客のビザフリー政策における停留計算時間は入境日の翌日零時より起算するとされています。
4. アライバルビザ (原文は「落地签証」「口岸签証」等)
普通パスポートを保有する外国籍旅客で、急ぎの必要性により入境して商業合作、訪問拘留、投資操業、親族訪問及び私用事務等のため、若しくは葬儀、見舞い等の人道的事由でビザが間に合わない場合、到着イミグレーションでアライバルビザを申請することができるとされています。
深圳:羅湖、皇崗、空港、蛇口フェリーピアにて入境停留5日を申請することができるとされています。申請窓口は9:00~17:00、窓口で審査を待つ時間がかかるため、時間に余裕をもって申請に赴く必要があります。
なお、深圳商工会の企業と深圳市政府の政策交流会の中で、特区旅遊ビザ(Eビザ)を数回(3回以上)申請すると審査され、継続して申請できなくなることがあり、その変わり香港特派員公署で長期滞在ビザを申請できるとされています。