カテゴリ

申請対象者

財政的困難が故に、納期限通りに納税ができない納税者は、納税通知書に記載の納期限までに、分割納付による納税を税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)に申請することが可能である。

税務条例上、納期限後の未納付の税額に対して5%を超えない追徴課税が課される場合があり、納期限から6ヶ月間後は、10%を超えない追徴課税(元々の税額及び既に課されている5%の追徴課税を含めた金額が対象)が課される可能性がある。

昨今の経済後退及び一部の納税者(個人及び企業を含む)が直面している財政的困難を勘案し、香港政府は2022年6月22日、納税に関する救済措置を公布した。2022年4月から2023年5月の間に発行される2021/22年度の査定年度の給与所得税、(法人・個人事業)利得税並びにパーソナル・アセスメントにおける納税通知書に対する納付に際し、経済的困難に陥っている納税者は、IRDによって承認された分割納付計画に従い、当該分割納付計画が適切に遵守されている場合に、各々の納税通知書に記載されている納期限から最長1年間、追徴課税が免除される。

納税通知書の1回目の分割納付において請求されている税額が、当該納期限もしくはそれ以前に納付されており、2回目の分割納付に対してのみ、上述の分割納付計画が承認付与されている場合、追徴課税の免除期間は、当該2回目の分割納付期限から、1年間がカウントされる。

承認された分割納付計画に従って納付が実施されない場合、当該分割納付の取決めは取消され、未納付額に対し5%を超えない追徴課税が課されることとなる。未納付の税額と5%の追徴課税が課された日から6ヶ月後に、これらの未納付額が残っている場合、当該未納付額に対し、10%を超えない追徴課税が課される可能性がある。

上記の救済措置は、香港からの転出を目的として出発する前のタックスクリアランスをしなければならない納税者、並びに資産所得税を納付する納税者には適用されない。

申請方法

納税者は次の方法で申請可能

各種申請書に記入し提出

個人/個人事業主

フォームIR1360(2021/22査定年度)をダウンロード

パートナーシップ

フォームIR1360A(2021/22査定年度)をダウンロード

法人

フォームIR1360B(2021/22査定年度)をダウンロード

6/F(個人の場合)または7/F(法人、パートナーシップ及び香港を離れる場合)の徴税執行課で直接

住所並びに営業時間

書面にて提出

申請者は、申請書とは別に以下の補足情報及び文書を提出する必要がある:

申請者 個人/個人事業主 パートナーシップ 法人
申請書 フォーム IR1360(2021/22 査定年度) フォーム IR1360A(2021/22 査定年度) フォーム IR1360B(2021/22 査定年度)
要求される補足情報/文書
具体的な分割納付の提案
直近3ヶ月間の銀行明細/通帳の写し
直近3ヶ月間の収入/支出の詳細情報 -
債務返済状況の詳細資料
直近3ヶ月間の財務諸表(損益計算書及び貸借対照表含) -
キャッシュフロー計算書及び資金繰り予算案 - -

申請処理を進める上で、別段の詳細情報取得の遅れを避けるために、申請者は、申請時に日中の連絡先電話番号を税務局に提供する必要がある。

2021/22年度の査定年度における納税通知書の分割納付に対する追徴課税の条件付き免除の救済措置に関するよくある質問

IRDが提供する施設

IRDは、納税者が分割納付を申請するのを支援するために、以下を提供する。

  • お問い合わせホットライン187 8033
  • 申請用の指定FAX回線 2519 6757(個人/個人事業主)並びに2845 8850(パートナーシップ/法人)
  • 郵送による申請用の指定郵便箱(香港告士打道郵便局私書箱28497)

IRDは、申請受理後21営業日以内に申請者に返信することを約束する。

原文:Relief Measure: Conditional waiver of surcharges for instalment settlement of demand notes for the Year of Assessment 2021/22、2022年6月22日更新

香港税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)は、2021/22年度の査定年度における納税通知書の発行を開始している。財政的困難が故に、納期限通りに納税ができない納税者は、納税通知書に記載の納付期限までに、分割納付による納税を申請することが可能である。2022年4月から2023年5月の間に発行される、2021/22年度の査定年度における給与所得税、(法人・個人事業)利得税並びにパーソナル・アセスメントにおける納税通知書に対する分割納付に関して、IRDによる承認を得ている納税者は、当該分割納付計画が適切に遵守されている場合に、各々の納税通知書に記載されている納期限から最長1年間、追徴課税(附帯税)が免除される。さらに、IRDは、2018/19年度から2020/21年度の査定年度における納税通知書の分割納付に対する追徴課税(附帯税)を免除するとした、前年度の経済的困難への支援策について、下図の通り適用範囲を延長する:

査定年度納税通知書発行日
2018/19年度2019年12月から2023年5月まで
2019/20年度2020年8月から2023年5月まで
2020/21年度2021年5月から2023年5月まで

分割納付を申請する必要がある納税者は、申請書を作成の上、提出が求められている情報及び資料と合わせて、IRDへ提出して頂きたい。関連する詳細情報は、IRDのウェブサイト上に記載されている。

更なる情報や資料については、お問い合わせホットライン187 8033まで。

上記の救済措置は、香港からの転出を目的として出発する前のタックスクリアランスをしなければならない納税者、並びに資産所得税を納付する納税者には適用されない。

原文:Inland Revenue Department waives surcharges for payment of tax by instalments for businesses and individuals in need、2022年6月22日更新

香港税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)は本日(4月1日)、2021-22年度の(法人・個人事業)利得税申告書を約220,000通、資産所得税申告書を約120,000通、並びに雇用主支払報酬申告書を約300,000通発行した。当該税査定年度の個人所得税申告書約2.48百万通は、6月1日に発行される。納税者及び雇用主は、関連する税務申告書の発行日から1ヶ月以内に、申告手続を完遂する必要がある。なお、雇用主支払報酬申告書の申告期限は、6月1日に延長されている。税務代理人を選任している場合、各税務申告書の提出期限は、当局のウェブサイトにアップロードされている「全体延長承認通達(Block Extension Letter)」に詳細が記載されている。

一般の方々は、税務申告手続に関する一般的な質問及び回答について、当局のウェブサイトにアクセスし閲覧可能である。当局は、税務易(eTAX)電子サービスを通じて税務申告書を提出するよう、納税者に奨励している。詳細はウェブサイトをご覧頂きたい。また、当局のウェブサイトにおいて、雇用主の電子税務申告に係るガイドラインも入手可能である。eTAX電子サービスでは、個々人が香港政府の「智方便(iAM Smart)」デジタルサービスを使用し、税務申告書にログインして署名することが可能である(この署名手続は、デジタル署名機能を備えた「iAM Smart」アカウントの所有者のみが利用可能となっている)。当該「iAM Smart」サービスの詳細については、「iAM Smart」のWebサイトにアクセスして頂きたい。

当局は、納税者及び雇用主に、税務申告書を郵送する際、当該納期を確実に遵守するために、十分な送料を支払うよう改めてリマインドする。一般の方々は、香港ポストのウェブサイトを閲覧して、現在の郵便料金の詳細を確認できる。郵便料金が不十分な郵便物については、当局は受付けない。

上述に関連し、財政司長は当年度予算案において、2021-22年度の利得税(法人・個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントの税額に対し、当該税査定年度に限定して、10,000ドルを上限とする100%の減税措置を提案、立法会において4月6日付で関連する法案が承認されています。IRDは当該減税措置に従い、当該税査定年度の納税請求書上で調整する予定です。

なお、現在も収束しないCOVID-19の最新状況を勘案し、税務代理人によるIRDへの通知を条件として、2021-22年度の(法人・個人事業)利得税申告書の各税務申告期限は下記の通りです:

  1. 2021年4~11月が決算期(N Code Cases)である企業;
    2022年6月30日(例年の4月1日から1ヶ月以内に対し、さらに2ヶ月間の猶予が付与されています)
  2. 2021年12月が決算期(D Code Cases)である企業;
    2022年8月31日(例年の8月15日前後から約2週間の猶予が付与されています)
  3. 2022年1~3月が決算期(M Code Cases)である企業;
    2022年11月15日(前々年度は例年の11月15日前後から約2週間の猶予が付与されていましたが、前年度より例年通りとなっています)、並びに
  4. 2022年1~3月が決算期(M Code Loss Cases)で赤字である企業;
    2023年1月31日(例年通り、一方で前年度は1月14日付の通達により、2022年2月28日までの1ヶ月間、その後2月22日付の通達により、2022年3月31日までの2ヶ月間、さらに3月4日付の通達により、最終的に2022年4月30日までの3ヶ月間の猶予が付与されています)。

原文

IRD issues profits tax, property tax and employer’s returns for 2021-22(2022年4月1日更新)

Government welcomes passage of tax concessions(2022年4月6日更新、一部補足。)

2022/23年度予算案で財政司長は、下記の税制措置を提案した。当該措置の全ては施行前に、関連法規の修正を必要としている。

  • 2021/22年度の利得税(法人・個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントの税額の軽減
  • 2022-23年度の商業登記費の免除
  • 2022/23年度より住宅家賃所得控除を導入

当該法案及び実施内容のハイライトは下段に示されている通りである。よくある質問に対する回答(FAQ)及び当該措置が実施された場合に、上記の各項目が如何に納税義務者の給与所得税及びパーソナル・アセスメントの税額を軽減するかを示す例示も併せて提供されている(※ここでは各FAQ及び各例示の日本語版は割愛)。

当該措置が実施された場合の給与所得税並びにパーソナル・アセスメントの税額を計算したい方は、香港政府によって提供されている納税額自動計算プログラムを使用することが可能。

2021/22年度の利得税(法人・個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントの税額を軽減

財政司長は、2021/22年度の利得税(法人・個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントの税額に対し、当該税年度に限定して、10,000ドルを上限とする100%の減税措置を提案した。当該減税措置の実施に当たり、立法会での可決承認が必要となる。

利得税(法人・個人事業)に係る税額控除上限額は、事業単位毎に適用可能である。給与所得税に対する控除上限額は、納税義務者毎に適用可能であるが、夫婦で共同申告(ジョイント・アセスメント)を行う場合は、夫婦単位毎に適用される(すなわち、合計で10,000ドルの控除上限額)。パーソナル・アセスメントを適用する場合は、原則納税義務者毎に適用可能であるが、既婚者の場合は必ず夫婦揃って適用しなければならず、夫婦単位で10,000ドルを控除上限とする当該減税措置を享受することとなる。

当該減税措置は、資産所得税には適用されない。賃貸収入がある個人は、パーソナル・アセスメントを適用できる場合、パーソナル・アセスメントの下で当該減税措置を享受することができる。

給与所得税及び利得税(法人・個人事業)それぞれに課税される納税義務者(パーソナル・アセスメントを適用できない場合)は、それぞれの税金に対して当該減税措置を享受することができる。事業収入や賃料収入のある個人でパーソナル・アセスメントを適用できる場合、パーソナル・アセスメントの下で当該減税措置を享受することができる。当該ケースの場合、パーソナル・アセスメントを選択しない場合、享受しうる減税額とは異なる可能性がある。正確な減税額は、ケース毎に判断される。税務当局は、パーソナル・アセスメントの選択が納税額を減額できるかどうかをケース毎に確認し、最も有利な方法で納税義務者を査定する。

パーソナル・アセスメントの適用を希望する場合、納税義務者は、2021/22年度給与所得税申告書(BIR60)の項目7に記入しなければならない。事業収入もしくは賃料収入がなく、給与所得のみの個人は、パーソナル・アセスメントを選択する必要がない。

当該減税措置は、2021/22年度の税額査定における納税義務者の納税債務を軽減する予定。納税義務者は例年同様、2021/22年度利得税(法人・個人事業)申告書並びに給与所得税申告書を提出しなければならない。関連法案の成立後、香港税務当局は最終査定において当該減税措置を有効とする。当該法案の成立前に発行された2021/22年度の最終税額査定書に関して、香港税務局は当該法案の成立後に再度査定を実施する予定である。これに対し、納税義務者は特段申告や照会を税務当局にする必要はない。

当該減税措置は2021/22年度最終税額に対してのみ適用され、同年の予定納税額に対しては適用されない。従って、当該減税措置とは区分して、納税義務者は依然として予定納税額を期限通りに納付する必要がある。既に納付済みの予定納税額は、2021/22年度最終査定額及び2022/23年度予定納税査定額に対する納付に対して充当される。万が一、超過残額がある場合は還付されることとなる。

課税所得の累進税率の調整及び累進課税幅の増額(※前年度より変更無)

評価年度 以前(2017-18年度まで) 現行(2018-19年度以降)
課税所得純額
(累進幅)香港ドル
税率 課税所得純額
(累進幅)香港ドル
税率
第1段階 45,000 2% 50,000 2%
第2段階 45,000 7% 50,000 6%
第3段階 45,000 12% 50,000 10%
第4段階 50,000 14%
135,000 200,000
残額 17% 17%

人的及び所得控除各項目の増額(※従前の項目は前年度より変更無)

評価年度 以前(2017-18年度)香港ドル 現行(2018-19年度以降)香港ドル
人的控除
基礎控除(独身) 132,000 132,000
基礎控除(既婚者) 264,000 264,000
寡婦(夫)控除 132,000 132,000
子供扶養控除
第1子から第9子まで各一人当たり 100,000 120,000
誕生の年の増額 100,000 120,000
兄弟(姉妹)扶養控除 37,500 37,500
父母祖父母扶養控除
父母祖父母扶養控除(60歳以上及び60歳未満かつ障害者) 46,000 50,000
父母祖父母扶養控除
(55歳~59歳まで)
23,000 25,000
付加父母控除祖父母控除(年間を通じて納税者と同居している)
父母祖父母扶養控除(60歳以上及び60歳未満かつ障害者) 46,000 50,000
父母祖父母扶養控除
(55歳~59歳まで)
23,000 25,000
障害者扶養控除 75,000 75,000
自己障害者控除 75,000
所得控除
自己学習費用税額控除年間上限額 100,000 100,000
老人介護施設費用控除 92,000 100,000
住宅借入金利息控除年間上限額 100,000 100,000
MPF自己負担控除年間上限額 18,000 18,000
適格医療保険制度任意負担控除額(※2019-20年度より追加された項目) 8,000
適格繰延(据置)年金MPF任意負担控除額(※2019-20年度より追加された項目) 60,000
住宅家賃控除額(住宅不動産無所有が条件)(※2022-23年度より追加される予定) 100,000
寄附金控除=下限100~上限(課税所得総額-所得控除-減価償却費)×35%

生計面に関する一時優遇措置(※税制措置以外の予算案より抜粋)

2022/23年度については、①18歳以上の香港永住者に対する10,000ドルの電子消費券の支給、②課税対象となる個々の居住用不動産に課される不動産税額に対し、第1及び第2四半期に最大1,500ドル、残りの四半期に最大1,000ドル免除、③適格対象となる居住用不動産の電力口座所有者に対し、個々の口座当たり1,000ドルの電気料金補助金を交付、④公共交通費用補助計画(Public Transport Fare Subsidy Scheme)により、現在は公共交通機関の月額利用額400ドル以上を対象に月額400ドルを上限として返金補助を実施しているのに対し、2022年5月から10月の半年間、月額利用額200ドル以上を対象に月額500ドルを上限として返金補助、⑤総合社会保障援助(Comprehensive Social Security Assistance: CSSA)や高齢者手当(Old Age Allowance)、高齢者生活手当(Old Age Living Allowance)並びに障害者手当(Disability Allowance)などの各種社会保障給付額を半月分追加給付し、就労家族手当(Working Family Allowance)についても同様の措置が適用、⑥2023年度香港中等教育修了試験(Hong Kong Diploma of Secondary Education Examination: HKDSE)を受験する学生の受験料を政府予算から拠出、⑦借入期間を最長10年、元本返済期限は18ヶ月間で最大平均雇用収入の9倍かつ10万ドルまで、失業者に対する政府保証の低利ローンの実施、⑧優質教育基金(Quality Education Fund)の留保分から拠出する20億ドルで、貧困家庭の学生に対するe-learningを支援、⑨防疫抗疫基金の留保分66億ドルを通じて、30,000の臨時職を提供、などの措置が実施され、これらの他にも市民の生計を支援すべく、逐次政策を策定していく予定である。

経済面に関する一時優遇措置(※税制措置以外の予算案より抜粋)

2022/23年度に関しては、⑩特定業種の中小企業テナントによる賃料未納を理由に、オーナー側から賃貸借契約や関連サービスを打ち切ったり、法的措置をとることから、3ヶ月間から最大6ヶ月間テナントを保護する賃料滞納モラトリアム措置の提案、⑪課税対象となる個々の非居住不動産に課される不動産税額に対し、第1及び第2四半期に最大5,000ドル、残りの四半期に最大2,000ドルを免除、⑫前年度より継続して8ヶ月間、非居住用不動産の月額上下水道料金の75%を免除(一戸当たりの月額上限はそれぞれ20,000ドル及び12,500ドル)、⑬地政総署が管轄する商業及びコミュニティ用途の政府用地の短期借用、食物環境衛生署がリースする公設市場の出店場所、政府産業署によってリースされる飲食店及び小売店、海事処が管轄している公共の貨物積卸区域、並びに魚農自然護理署によって管理されている政府卸売市場における出店場所及び施設などに対し、継続して6ヶ月間75%(政府により閉鎖要求となる場合は100%)の賃料減額、⑭借入期間を最長10年、元本返済期限は再延長申請可能で、18ヶ月間の従業員給与及び家賃の金額まででかつ900万ドルが上限の、中小企業に対する政府100%保証の低利ローンの実施、⑮前々年度の予算案で提案されていた未来基金(Future Fund)の香港成長ポートフォリオ(Hong Kong Growth Portfolio)へ100億ドルを注入し、うち50億ドルは戦略的イノベーション科学技術基金(Strategic Tech Fund)の設立し、香港にとって具体的な戦略価値が見出せる科学技術企業や項目へ投資、残り50億ドルは広東・香港・マカオ・グレーターベイエリアへの投資機会を創出する大湾区投資基金(GBA Investment Fund)に充当、⑯旅行業界を支援及び発展させるため、12.6億ドルを追加拠出し、旅行商品の開発推進や従業員研修を促し、香港旅遊發展局(Hong Kong Tourism Board)へのサポート、⑰文化遺産保護を目的とした歴史建築共存計画(Built Heritage Conservation Fund)への10億ドルの拠出、⑱温暖化による気候変動による大型台風や大雨が降る確率が増加傾向にある現状に対して84億ドルを費やし、洪水耐性の向上を目指した排水システムの改善、⑲未来基金(Future Fund)で累積しているリターンのうち、北部都会区内の土地、住宅及び交通インフラの開発に1,000億ドルを充当、⑳建造業創新及び科技ファンド(Construction Innovation and Technology Fund)へ12億ドル投入、などの措置が実施され、これら以外にもデジタル化や環境関連などと連動した、住みよい都市を目指した幅広い優遇支援措置が取られる予定である。

その他の措置や一部増税(※個別に法改正や既に実施済み)

2022/23年度においては、環境問題に更に積極的に取組み、前年度発表された2035年までにガソリンなどの化石燃料車両による自家用車新規登録を停止する方針や前年度から開始している電気自動車(Electric Vehicles: EV)を含む自家用車の車両初回登録税の各累進課税幅における税率15%、車両免許料30%の引上げに続け、EV自宅充電補助金計画(EV-charging at Home Subsidy Scheme)へ15億ドル拠出し、居住用建物の駐車場へのEV向け充電ステーションの設置を支援する。その他、過年度に引続きインフレ連動型債券であるiBondの150億ドル発行や、元々65歳以上の申請要件が修正され、香港居住者で60歳以上の高齢者を対象とした銀色債券(Silver Bond)も350億ドルが発行される。さらに、前年度において発表された、向こう5年間の間で環境配慮型の事業に使途が限定された緑色債券(Green Bond)1,755億ドルの発行のうち、次年度中に100億ドル発行される。

2022-23年度の商業登記費の免除

財政司長は、2022-23年度の商業登記費を免除することを提案した。

2022-23年度より住宅家賃所得控除を導入

財務司長は、2022/23年度より、税制適格な住宅家賃支出に関して所得控除を可能とする措置を提案している。これにより、居住用不動産を所有していない、給与所得税もしくはパーソナル・アセスメントによる所得税の納付義務がある納税者は、本人もしくはテナントとしての配偶者によって支払われた家賃に対し、所得控除を享受することが可能となる。なお、当該控除額の上限は100,000ドルとなっている(※納税者(及び同居者であるその配偶者)が実際に居住していることと、印紙税納付済みの賃貸借契約書が要件となり、上述している他、会社が提供する社宅であったり、不動産ファイナンスリース契約物件である、または家主が家族や親戚兄弟などの関連当事者である場合は享受不可である)。

原文:IRD : 2022-23 Budget – Tax Measures

香港税務局は本日(4月1日)、2020-21年度の(法人・個人事業)利得税申告書を約210,000通、資産所得税申告書を約120,000通、並びに雇用主支払報酬申告書を約320,000通発行した。同査定年度の個人所得税申告書約2.6百通は、5月3日に発行される。納税者及び雇用主は、関連する税務申告書の発行日から1ヶ月以内に、申告手続を完遂する必要がある。税務代理人を選任している場合、各税務申告書の提出期限は、当局のウェブサイトにアップロードされている「全体延長承認通達(Block Extension Letter)」に詳細が記載されている。

財政司長は当年度予算案において、2020-21年度の利得税(法人・個人事業)、給与所得税及びパーソナル・アセスメントの税額に対し、当該税年度に限定して10,000ドルを上限とする100%の減税措置を提案した。関連する法案の制定と同時に、香港税務局は当該減税措置に従い、当該税年度の納税請求書上で調整する。

香港税務局のスポークスマンは、「賃貸収入がある納税者は、パーソナル・アセスメントを適用できる場合、2020-21年度の個人所得税申告書を作成する際にパーソナル・アセスメントを選択することで、当該減税措置を享受することができる」と説明している。

一般の方々は、税務申告手続に関する一般的な質問及び回答について、当局のウェブサイトにアクセスし、閲覧可能である。当局は、税務易(eTAX)電子サービスを通じて税務申告書を提出するよう、納税者に奨励している。詳細はこちらのウェブサイトをご覧頂きたい。また、当局のウェブサイトにおいて、雇用主の電子税務申告に係るガイドラインも入手可能である。eTAX電子サービスでは、個々人が香港政府の「智方便(iAM Smart)」デジタルサービスを使用し、税務申告書にログインして署名することが可能である(この署名手続は、デジタル署名機能を備えた「iAM Smart」アカウントの所有者のみが利用可能となっている)。当該「iAM Smart」サービスの詳細については、www.iamsmart.gov.hkのWebサイトにアクセスして頂きたい。

当局は、納税者及び雇用主に、税務申告書を郵送する場合、当該納期を確実に遵守するために、十分な送料を支払うよう改めてリマインドする。一般の方々は、香港ポストのウェブサイトを閲覧して、現在の郵便料金の詳細を確認できる。郵便料金が不十分な郵便物を、当局は受付けない。

なお、現在も終息しないCOVID-19の最新状況を勘案し、税務代理人による税務局への通知を条件として、2020-21年度の(法人・個人事業)利得税申告書の各税務申告期限は下記の通りです:

  1. 2020年4~11月が決算期(N Code Cases)である企業;
    2021年5月31日(例年の4月1日から1ヶ月以内に対し、さらに1ヶ月間の猶予が付与されています)
  2. 2020年12月が決算期(D Code Cases)である企業;
    2021年8月16日(前年度は例年の8月15日前後から約1ヶ月間半の猶予が付与されていましたが、当年度より例年通りとなっています)
  3. 2021年1~3月が決算期(M Code Cases)である企業;
    2021年11月15日(前年度は例年の11月15日前後から約2週間の猶予が付与されていましたが、当年度より例年通りとなっています)、並びに
  4. 2021年1~3月が決算期(M Code Loss Cases)で赤字である企業;
    2022年3月31日(前年度は2月1日で先日ほぼ例年通りの1月31日までとなっていましたが、1月14日付の通達により、2022年2月28日までの1ヶ月間の猶予が付与され、さらに2月22日付の通達により、2022年3月31日までの2ヶ月間の猶予が付与されています)。

原文:IRD issues profits tax, property tax and employer’s returns for 2020-21、2021年4月1日更新及び補足、並びに2022年1月14日と2月22日に再補足

以下は、香港金融管理局を代表して発行している:

以下のプレスリリースは、保険業監管局、強制積立年金管理局、並びに香港金融管理局によって共同で発行されている:

保険業監管局(Insurance Authority、以下「IA」)、強制積立年金管理局(Mandatory Provident Fund Schemes Authority、以下「MPFA」)、並びに香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority、以下「HKMA」)は本日(12月29日)、香港の2つの税務上の所得控除対象商品、すなわち、税制適格繰延年金保険(Qualifying Deferred Annuity Policies、以下「QDAP」)及び強制積立年金(Mandatory Provident Fund、以下「MPF」)の税務上所得控除可能な任意拠出金(Tax-Deductible Voluntary Contributions、以下「TVC」)に関し、仲介業者(注)による販売慣行を把握するための共同ミステリーショッピング(MSP/覆面調査)プログラムを発表する通達を発行した。3つの金融規制当局が、この類のプログラムを共同で実施するのはこれが初めてとなる。

2019/20年度の課税年度以降、香港政府は、納税者が退職後の貯蓄のため、QDAPを購入もしくはTVCを拠出することを奨励するために、給与所得税並びにパーソナルアセスメント申告時の所得控除を導入した。仲介業者は、納税者がQDAP及びTVCを選択する際に支援する上で重要な役割を担っているため、3つの金融規制当局としては、MSPを通じて販売慣行をより深く理解したいと考えている。MSPの調査結果は、3つの規制当局の方針と監督業務を補完し、関連する法定及び規制の目標がどの程度達成されたかを評価するために使用される。IA、MPFA、並びにHKMAによる(個々の場合によって)規制対象となっている、香港でのQDAP及びTVCの販売もしくは宣伝に受持する全ての仲介業者が、当該MSPの対象となる。

IA長期事業担当エグゼクティブディレクター(執行董事)であるキャロル・ホイ(Carol HUI/許美瑩)氏は、「保険契約者は、退職後の計画の中で重要な位置付けとなるQDAPに依存しています。保険契約者が公正に扱われ、QDAPの販売が、顧客のリスク評価、財務ニーズ分析、推奨事項の適合性、並びに商品とリスク開示等、該当する規制要件を満たしていることを確認する必要があります。」と述べた。

MPFAのCOO兼エグゼクティブディレクター(運営総監兼執行董事)であるレオ・チュー(Leo CHU/朱擎知)氏は、「MPFAは、MPFスキームのメンバーが、退職後の貯蓄を増やすために、強制拠出に加えて任意拠出を行うことを奨励しています。TVC口座数と拠出金の額が大幅に増加し続けているため、MSPは、TVCの販売促進及び販売慣行を改善する目的で、規制当局が仲介業者を監督するための貴重な参考資料となります。」と述べた。

HKMAの銀行業務担当エグゼクティブディレクター(助理総裁)であるアラン・オウ(Alan AU/區毓麟)氏は、「MSPは、規制当局が仲介業者の販売モデルを理解し、それによって優れた販売手法と改善すべき分野を特定するのに役立ちます。今回の共同実施は、顧客を公正に扱う上で、金融業界によるホスピタリティの文化を促進するため、規制当局の協力的な取り組みも示しています。」と述べた。

MSPは、2022年1月に開始される予定である。この調査結果に応じて、3つの金融規制当局は、MSPを通じて特定された如何なる業界全体の問題及び良い慣行を、当業界と適切に共有する。

注:「仲介業者」とは、

(a)保険業条例の第2(1)条で定義されているライセンス保有保険仲介業者;

(b)強制積立年金制度条例の第2(1)条で定義されている登録MPF仲介業者;並びに

(c)銀行業条例の第2(1)上で定義されている認可機関。

原文:Regulators join hands to launch a mystery shopping programme on selling practices of Qualifying Deferred Annuity Policies and Tax-Deductible Voluntary Contributions(2021年12月29日更新)

欧州連合(EU)は本日(10月5日)、香港における特定の外国源泉(オフショア)受動的所得に対する非課税の取扱いが、「二重非課税」の状況に繋がり得る可能性があると見なし、税務面の非協力的な国・地域EUリストに含めることを発表した。香港政府は、この発表に関するメディアからの問合せに答えた。

香港政府報道官は、「香港は国際金融センターとして、常日頃国際税務協力に積極的に参加し、支援をしてきました。香港は長年にわたって、国・地域内源泉所得課税(源泉地国課税)の原則を採用しており、香港外のオフショア利益は、概して香港の利得税の対象にはなりません。」と述べた。

EUは、香港において実質的な経済活動を行っていない企業が、特定のオフショア受動的所得(利子やロイヤリティ等)に対して課税されない点に関し、「二重非課税」の状況になる可能性を懸念している。国境を跨ぐ租税回避行為に立ち向かう原則の下、香港政府はEUと協力し、2022年末までに税務条例(香港法第112章)を改正し、関連する措置を2023年中に実施することに同意した。

香港政府報道官は、「香港は引続き源泉地国課税の原則を採用していきます。香港政府は、香港のビジネス環境の競争力を持続するために、シンプルかつ明確な、低税率を適用する税制を維持するよう努めていきます。」

「提案されている条例修正案は、国境を跨ぐ租税回避が目的で受動的所得の概念を利用している、特に香港において実質的な経済活動を行っていない企業をのみを対象としています。個人の納税者は影響を受けることはないでしょう。金融機関については、現行の香港税務条例に基づき、オフショア事業に帰属する利子所得もまた、利得税の課税対象となっているため、当該法改正により税負担が増えることはありません。」

「法改正の具体的な内容については、利害関係者と十分に協議し、企業のコンプライアンス遵守負担を最小限に抑えるため、最善を尽くします。」と強調した。

EUは2019年10月、外国源泉所得の免税制度に関するガイダンスを発行し、多くの税管轄区域(香港を含む)の税制に対する評価を開始した。この評価の焦点は、オフショアのシェルカンパニーが「二重非課税」を通じて、税制上の優遇措置を享受している状況への対処である。香港政府は、当該評価に関連する事項について密にEUと連絡を取り、フォローアップすべき作業についてEUと積極的に従事している。

香港政府報道官は、「香港企業は、税務面の非協力的な国・地域EUリストに含まれている結果として、EUが課す防御的税制措置の対象とはならないでしょう。香港政府としては、関連する税制を改正後、香港を当該リストから迅速に削除するようEUに求めていきます。」と述べた。

原文:Couple convicted of falsely claiming deductions of expenses of self-education and approved charitable donations、2021年10月6日更新

インターネットを介してオンラインビジネスを営む者も、商業登記(税務登記)に係る法令を遵守する必要がある。

インターネットを介して従事される活動が、香港における事業を構成するか否かを確認するために、香港税務局は、商品の調達及び販促活動、購入者の勧誘、商品の発送、売上収入の決済、事業規模、並びに当該活動が行われる場所等を含む、関連する活動の詳細を収集する。

ある個人がインターネットを介して売買取引活動を実施、もしくはサービスの提供に従事しており、香港内において、これに関連する活動が行われている、またはサービスが提供されている場合、その当事者は商業登記を申請する必要がある。

事業登録におけるインターネット/オンラインビジネスに関するよくある質問

Q: インターネット/オンラインビジネスに関して、商業登記条例(Business Registration Ordinance、以下「BRO」)に特定の規定は設けられているか?

A: BROには、インターネット/オンラインビジネスに関する特定の規定は存在しない。物理的な実店舗であれインターネットを介しての事業であれ、事業を運営する人は、BROの下で同じ要件に準拠する必要がある。

Q: オンライン取引プラットフォームで中古品のみを売買取引する場合、商業登記を申請する必要があるか?

A: 売買活動を行う者は、その運営活動がBROに基づく事業を構成し、香港で実施される場合、商業登記を申請する必要がある。当該要件は、取引される商品が新品か中古かを問わず適用される。

Q: 商業登記の年齢に制限はあるか?インターネットを介して事業を営む者が18歳未満の場合でも、商業登記を申請する必要があるか?

A: 商業登記(事業者登録)の年齢に制限はない。BROの下では、未成年者が事業を営む場合(免税事業を除く)、未成年者とその受託者(保護者を含む)は、商業登記を申請する義務がある。

Q: ある個人がインターネットを介して事業を営んでいるが、商業登記を申請しなかった場合、香港税務局(Inland Revenue Department、以下「IRD」)はどのような措置を取るのか?

A: IRDはまず、関連する活動(商品の調達、購入者の勧誘、商品の配送、及び売上収入の決済等)、事業規模、並びにこれらの活動が行われる場所の詳細を収集する。当該案件の事実全体に基づき、IRDは、その活動が香港における事業運営を構成するかどうかを判断する。香港における事業運営に該当する場合、IRDは、事業者に対して商業登記を申請するように助言し、支援する。それでも未だ商業登記義務に従わない場合、IRDは法令に従い、当事者に対して起訴する可能性がある。

Q: オンライン取引から利益を得た個人は、利得税(事業税)を支払う必要があるか?

A: 税務条例(Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)は、香港で貿易、専門業もしくは事業を営み、香港で創出される、または香港から得られる利益を得る全ての者が利得税を支払わなければならないと規定している。案件の事実全体に基づき、IRDは、インターネットを介して実施された取引から発生する利益に対して、個人が利得税を課されるか否かを決定する。

商業登記証明書の申請自体が、利益税債務を決定付ける訳ではないが、インターネット事業を営む者は、以下を含むIROの様々な規定を遵守する義務がある:

(a)税務申告書を既に受け取っていない限り、事業者は、査定年度中に利得税の課税対象となる場合、当該査定年度の税年度終了後4ヶ月以内に、税務局局長に書面で通知する必要がある。

(b)事業者は、査定可能な課税所得を容易に確認できるよう、収入と支出の十分な記録を英語または中国語で保管する必要がある。業務記録は、関連する取引の完了後、少なくとも7年間保管する必要がある。

Internet Business:2021年7月19日更新
Q & A for Internet Business、2021年7月19日更新

COVID-19パンデミックは、人々の生活に著しい混乱を引き起こし、その結果、企業の運営方法や人々が働く場所に様々な変化をもたらしている。これらの変化により、会社や個人の税務上の居住地国、恒久的施設(PE)、国境を跨ぐ勤務者の雇用者所得並びに移転価格等、特定の税務上の問題も発生している。これらの問題に対する香港税務局(IRD)の一般的なアプローチを以下に示している。

これら税務上の問題に対するIRDのアプローチは、以降更新される可能性があるが一般的に、経済協力開発機構(OECD)が各々2021年1月と2020年12月に発表した、租税条約と新型コロナウイルス感染症の影響についての更新ガイダンス(the COVID-19 Tax Treaty Guidance、以下「COVID-19租税条約ガイダンス」)並びに新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に関する移転価格執行ガイダンス(the COVID-19 Transfer Pricing Guidance、以下「COVID-19移転価格ガイダンス」)とほぼ同等である点に、留意する必要がある。これらのガイダンスは、所得及び資本に関するモデル租税条約(MTC)の公的解釈指針並びにOECDの多国籍企業及び税務当局のための移転価格ガイドラインと合わせて、閲読されるべきである。

以下に示している見解は、あくまで現時点における一般的な情報のみであることを強調しておく必要があり、それぞれの案件に対する取扱いは、それ自体の事実及び状況に基づき決定される。

  • 企業の税務上の居住地国
  • 個人の税務上の居住地国
  • 恒久的施設
  • 雇用者所得
  • 移転価格

企業の税務上の居住地国

このパンデミックによる国を跨いでの人の移動に対する制限は、上級管理職が会議を開催したり、企業が事業活動を行使する場所の変更を余儀なくさせる可能性があり、このような変化が、会社の居住地国に与える影響に係る懸念が高まっている。IRDとしては、異常事態中のそのような一時的な変更がそのまま、税務上の居住者区分を変えると見なしているわけではない。IRDは、会社の居住者区分を査定する際、全ての関連する事実及び状況を勘案する。

ある会社が、税務上同時に香港と他の管轄区域の居住者として見なされる場合、租税条約の適用上、会社が居住者として見なされる管轄区域を決定するため、関連する租税条約の下、タイブレーク規定が検討される。COVID-19租税条約ガイダンスに記載されている通り、租税条約に基づくタイブレーク規定により決定されたある会社の居住地国は、その会社の経営及び意思決定に参画する個々人が、関係する管轄区域の少なくとも1つの政府によって義務化されている、もしくは推奨されている公衆衛生上の措置の結果として、国を跨いでの移動ができないという事実によって、影響を受ける可能性は低い。

個人の税務上の居住地国

個人としては、当該パンデミックの下で義務化されている渡航制限、もしくはその他の公衆衛生上の措置の結果として、母国である管轄区域に戻ることができないため、一時的に主催国である管轄区域に留まらなければならない場合がある。そのような個々人は一般的に、主催国である管轄区域の居住者と見なされる可能性は低く、たとえそうなるとしても通常、関連する租税条約のタイブレーク規定に基づき、母国である管轄区域の居住者のままとなる。しかしながら、公衆衛生上の制限が解除された後も、同じ状況の変化が継続する場合は、別段のアプローチが必要となる可能性がある。

恒久的施設

香港の非居住者が、租税条約上の意味での範疇、もしくは(場合によっては)香港税務条例(IRO)の附表第17Gの第3部において、香港内にPEを有しているかどうかは、事実及び程度の問題となる。問題点を解決する際、IRDは、COVID-19への対策として、政府によって課されている公衆衛生上の措置が原因である国を跨いでの渡航制限を含む、全ての関連する事実及び状況を調査する。COVID-19パンデミックの異常な性質に鑑み、IRDとしては、COVID-19租税条約ガイダンスの関連原則を勘案し、その問題点を解決する際に柔軟なアプローチを採用する準備ができている。

上述のガイダンスにおいて説明されている通り、COVID-19パンデミックが故に、在宅勤務などの、従業員が雇用契約上の職務を遂行する場所の例外的かつ一時的な変化が、雇用主に新たなPEを形成させるべきではない。同様に、このパンデミックによる従業員もしくは代理人の居住地国における一時的な契約締結が、企業のPEを形成するべきではないが、対象となる従業員または代理人が、当該パンデミック前から、企業を代表して自国の管轄区域内で習慣的に契約を締結していた事実がある場合は、異なるアプローチが適切となる可能性がある。

上記の見解は、公衆衛生上の措置が実施されているCOVID-19パンデミック中に発生する状況においてのみ、関連する点に留意することが重要である。公衆衛生上の措置の終了後も、個人が在宅勤務を継続する場合、PEが存在するかどうかを判断するために、事実及び状況を調査する必要がある。

雇用者所得

別の管轄区域の居住者でありながら、香港における雇用契約上の職務に従事している従業員が、COVID-19パンデミックが故に香港内で立ち往生している場合で、もしそうでなければ、香港から発ち、MTCの第15条の下、香港での給与所得税の免税を享受する資格がある場合、そのような状況下において、従業員が香港内で過ごした追加の日数は、第15条(2)(a)における183日間テストの適用上カウントされない。

当該アプローチは、政府による検疫要件、COVID-19が起因していると認定された病気及び渡航禁止令、並びに政府の公衆衛生上の措置によって必要とされるフライトのキャンセルにより、従業員が渡航できない状況を対象としている。しかしながら、従業員が一般の人々のように、単に必要不可欠ではない渡航を避けるように促されている状況は網羅していない。

なお、IROの第8条(1B)に基づき日数をカウントするために、IRDは、国内レベルにおいては、物理的に香港内に滞在する日数を除外する裁量権は持ち合わせていない点は注意が必要である。

移転価格

取引の当事者によって管理された、経済的に重要性の高いリスクの結果が、パンデミックによってどのように影響を受けたかに関して、細心の注意を払う必要がある一方で、IRDは一般的に、パンデミックに直面した場合、国外関連当事者間取引の移転価格を評価する際には、独立企業間原則が引続き適用可能な基準である点を維持しているCOVID-19移転価格ガイダンスに従う。

COVID-19パンデミックが経済状況に与える影響を考慮すると、パンデミックの期間中に区分した個別のテスト期間を設けたり、比較可能性分析を実行する際に赤字会社を比較対象として含めることが適切となる可能性がある。リスクが限定された企業は、損失が独立企業間原則に沿って発生しているが判明する場合、その損失を実際に被っていると認められ得る。政府による支援策を受けることもまた、国外関連当事者間取引の価格に影響を与える可能性がある。

IRDは、事前確認制度(APA)に対する廃止、取消もしくは改訂につながる事情が発生しない限りは、既存の事前確認制度を維持するものとする。経済環境の重大な変化が、重要な前提条件の違反に起因する場合、納税者は当該違反が発生してから、1ヶ月以内にIRDへ通知する必要がある。

(原文:Tax Issues arising from the COVID-19 Pandemic、2021年7月28日更新)

以下は、香港金融管理局を代表して発行している:

香港金融管理局(Hong Kong Monetary Authority、以下「HKMA」)は本日(7月16日)、税務条例(Inland Revenue Ordinance、以下「IRO」)の附表第16Dの下、キャリード・インタレストに対する税制優遇措置に関連するファンド認証について、ガイドラインを公表した。

2021年税務(改正)(キャリード・インタレストに対する優遇措置)条例は、認定投資ファンドへの投資運用サービスを提供する(法人・個人)適格者並びに適格従業員が、2020年4月1日以降に受領するもしくは受領され得る税制適格キャリード・インタレストに関連し、(法人・個人事業)利得税と給与所得税に対する税制優遇措置を設置するために制定された。当該税制優遇措置は、香港において運営及び管理されるプライベート・エクイティ・(PE)ファンドをさらに呼込み、それによって香港における投資管理及び関連する専門サービス産業を促進することを目的としている。

認定投資ファンドとは、IROの附表第16Dの第2条で定義されている通り、HKMAによって発行されている認証基準を満たしていることを、HKMAによって認証された、IROの第20AM条で指定されている範囲のファンドを指している。

ファンド認証ガイドラインは、HKMAによるファンドの認証に関連する認証基準及びその他事項を定めている。ファンド認証スキームは現在既に解放されており、申請が受付けられている。

当該ガイドラインはHKMAのウェブサイトからダウンロード可能。

HKMA releases guideline on fund certification for carried interest tax concession:2021年7月16日更新