行政長官のキャリー・ラム(Carrie Lam Cheng Yuet-ngor/林鄭月娥)氏は本日(10月6日)、自身の香港特別行政区政府立法会における任期中最後となる第5回施政報告を発表し、香港の将来の計画を打ち出した。

ラム氏は、「一緒に明るい未来を創造し築く」というテーマの下で、香港は過去2年間の前例のない深刻な挑戦を経て、中央政府の全面的な支援により、現在「一国二制度」の原則が正しい軌道に戻っていると述べた。

また、「香港国家安全維持法の施行と選挙制度の改善により、社会の安全及び安定が回復した。香港は今、経済発展の新たな出発点にある」とラム氏は述べた。

彼女は、「第14次5ヶ年計画における、広東・香港・マカオグレーターベイエリア(GBA/粵港澳大湾区)の開発計画概要、並びに前海・深圳・香港現代型サービス産業協力における改革開放の全面的深化構想(前海構想)の下、香港の企業や専門サービスプロバイダーは無限の機会を享受することとなる」と述べ、「香港を支援する中央政府の政策を活用することによってのみ、香港はその独自の強みを十分に発揮することができ、それが今度は経済に継続的な推進力をもたらすであろう」と強調した。

その中でも重要な措置である北部都会区の建設は、沿岸都会区とともに各々の経済的原動力を主導し、相互に補完しあうことで、香港の将来の発展を促進する。

続けて、「この北部都会区は、国際的なI&T(イノベーションとテクノロジー)ハブとして開発され、「都市と農村地域の統合及び開発、並びに保全が共存」する独特な都市景観を備えることとなり、一方で、香港の国際金融センターとしての地位を支える沿岸都会区は、ランタウトゥモロービジョンのカウイチャウ人工島の埋め立て地を含め、拡大される」とラム氏は言及した。

施政報告はまた、成長可能性の高い産業セクターの開発を支援するため、多くの措置を提案している。

金融サービスを後押しすべく、ラム氏は、上場制度の充実、人民元オフショア事業の拡大、並びにグリーンファイナンスの促進を提案した。

ラム氏によると、もう1つの有望な産業セクターとして、船籍登録、船舶の資金調達と管理、海上保険、海事法務及び仲裁サービスなどの高付加価値の海事産業向けのサービスを挙げている。

ラム氏は、「海事産業に従事する人々が魅力的に感じるような、事業開始における存在感を確立するために税制優遇措置が導入される」と述べ、香港船舶登録処の海外サービスネットワークを拡大し、香港における船籍サポートを強化すべく、サンフランシスコ、東京及びトロントに新たな事務所を設立する旨を加えた。

政府は、来年完成する将軍澳の先進製造センターに対する各業界の積極的な反応を踏まえ、第2の先進製造センターの建設計画を含む再工業化を引続き推進する。

もう1つの新しい取組みは、香港と深圳の境界にある落馬洲ループに設置される香港・深圳イノベーションアンドテクノロジーパーク(港深創新及科技園)に、InnoLife Healthtech Hub(生命健康創新科研中心)を設立することによって、科学研究を促進することである。

ラム氏は、「生命と健康の分野で相当数の新興企業や大企業が、この地域における香港の利点とGBA市場の可能性に注目しており、香港に足場を築くことに関心を持っていることを認識している」と述べている。

ラム氏は、住宅及び開発可能な土地供給に対する需要を満たすために、約350ヘクタールの土地が特定され、2031-32年までの10年間で約33万戸の公営住宅を建設できると述べた。さらに、彼女は今後10年間で約170ヘクタールの土地を確保し、市場に約10万戸の民間住宅建設のための土地を提供できるように努める。

ラム氏はまた、「グリーンベルト」地域の開発可能性を検討することを提案した。

香港市民の生活を改善することは、現行政府の優先任務であり、ラム氏は、社会福祉への経常支出が2017-18年の653億ドルから2021-22年の1,057億ドルに大幅に増加し、4年間で62%増加したと述べた。彼女はまた、政府は今後1年間に計画された政策や措置の実施に注力し、来年の下半期には、普通及び高額高齢者生活手当(OALA/Old Age Living Allowance)を統合し、高額手当の資産上限要件をより緩和し、普通手当の要件が全面的に採用されることで、適格申請者は、高額手当を受給できることに言及した。

さらに彼女は、政府は児童虐待事件に関する義務的な報告メカニズムを提供するための立法案を策定することを含め、児童保護を強化し、同時に児童虐待事件を特定するための関連する専門業者向けの訓練も強化されると述べた。政府はまた、オンサイト就学前リハビリテーションサービスの場所の数を今年の9,000から、2022/23学年度は10,000に増やす予定である。

ラム氏は、今後15年から20年以内に、政府は気候変動の緩和と適応に関する様々な対策を推進し、グリーンビルディング、電気自動車、日々の発電向けの石炭の使用を段階的に廃止するなどの低炭素ライフスタイルを促進するために、約2,400億ドルを費やすと述べた。

新たな課題に対処するためのガバナンスを改善する目的で、ラム氏は、次期政府が検討及び実施するため、今後数ヶ月間以内に政府構造の再編成計画が提案されると述べた。 彼女は、公務員事務局長官に、上級公務員ポストの既存の選任のメカニズムを検討するように依頼し、特定の責任を持つ、より献身的な専門職ポストを設置することを提案した。

ラム氏は閉会の辞の中で、「今日、国家安全保障と改善された選挙制度の二重の保障制度の下で、香港は「一国二制度」の正しい軌道に戻っている。

香港はかつてないほど堅固であると確信しており、香港が我が国の包括的な発展に融合され、我が国が2世紀に渡る目標に向かって前進する際に、不可欠な役割を果たせることは疑いようがない」と締め括った。

原文:CE outlines bright future for Hong Kong in Policy Address、2021年10月6日更新

参考:The Chief Executive’s 2021 Policy Address – Policy Address、2021年10月6日開示の全文

参考:Building a Bright Future Together、2021年10月6日開示のリーフレット

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