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 主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。前回は期間費用項目の営業費用と管理費用について説明しました。今回は財務費用について紹介します。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1.期間費用

 財務費用とは、企業の生産経営に必要な資金等を調達するために発生する費用で、具体的には以下のような費用です。

一. 利息支出、利息収入(マイナス):企業の債務に対する支払利息及び利息収入の純額。ただし、企業の設立期間に生じた利息や資産の取得価格とすべき支払利息は、開業費、建設仮勘定、固定資産や無形資産の取得原価として処理します。
二. カイ兌収益(カイはサンズイにハコガマエ:為替差損益):一般的な企業の外貨建て債権・債務について、その発生時と決済時の為替レートが異なることにより発生する記帳本位通貨(※注)への換算による差損差(為替差益はマイナス)、および異なる貨幣を両替した際に適用するレートと帳簿レートが異なることにより発生する記帳本位通貨への換算による差損益(為替差益はマイナス)。
(※注)会計法簿に記帳する際の通貨単位で、原則は人民元とされています。
三. 銀行などの金融機関の手続費:企業が資金調達および各種決済業務のために銀行などの金融機関に支払う各種手続き費用。
四. 現金割引:企業が顧客の掛け払いなどの商品の代金の早期支払を奨励するために、買い手が期日以前に全額支払う場合に, 売り手が価格を割り引くもの。

 このように、財務費用は日本の会計で「営業外収益」もしくは「営業外費用」として処理する項目とほぼ同様ですが、利息収入などの収益も財務費用のマイナス(貸方)として処理をするところに特徴があります。
 財務費用はその費用項目ごとに明細科目を設置して使用します。なお、小企業会計準則を採用する企業は為替差損のみを財務費用に計上し、為替差益は次回以降に説明をする営業外収入に計上することになります。

<例36―1> A社は4月1日に銀行から経営運転資金として銀行から360万元を借り入れた。借り入れ条件は以下の通り。
借入期間6カ月、年利5%、元金は返済期日一括返済、利息は3カ月ごとに支払う。
①借入に当たり、銀行に手続き費用36,000元を支払った。
借: 財務費用―銀行手続費用   36,000
 貸: 銀行存款(銀行預金)        36,000
②4月分の銀行借入利息として15,000元(360万×5%÷12)を未払い計上する。
借: 財務費用―利息費用    15,000
 貸: 応付利息(未払利息)        15,000     
<例36―2> 銀行預金のうち200万元は6カ月の定期預金(年利3%)である。4月分の利息5,000元が口座に入金された。
借: 銀行存款(銀行預金)     5,000
 貸: 財務費用―利息収入        5,000
<例36―3>4月末の米ドル預金の残高は10万ドル、帳簿残高は614,220元であった。月末の換算レートはUS$1=6.1137元であった。
借:財務費用―カイ兌損益(為替差損益)     2,850
 貸:銀行預金―美元戸(米ドル口)              2,850

2.利潤表(損益計算表)上の営業利益

 中国の利潤表では、「営業収入」から「営業成本(営業原価)」および「営業税金及付加」、「銷售費用(販売費用)」、「管理費用」、「財務費用」の費用項目および資産減値損失を減算し、これに「公イン価値変動収益(インはムの下にヒトアシ:公正価値変動収益)」と「投資収益」を加算して「営業利潤(営業利益)」を算出します。
 ただし、上述の通り、日本の損益計算書では営業外損益の部に相応する項目を含んでいますので、中国の「営業利益」は日本の損益計算上の「経常利益」に相当することになります。

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