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今回は、税率の低い国にある子会社等を利用して所得を移すことによる租税回避行為の防止を目的とした、日本のタックスヘイブン対策税制がテーマです。

タックスヘイブン対策税制とは?

企業が国際化を進めるなかで、税金コストの低減のために、税率の低い国に所得を移転させることは税務プランニングの基本の一つといえます。
日本は諸外国に比べ法人税率が高いため、日本の企業は、直接国際取引をせずに、税負担の低い国に子会社を設立しその子会社を通じて取引をすることによって税負担を軽減する方法をとることは十分考えられます。
しかし、これにより日本の法人税収入は大きく減少するため、日本では、海外の子会社等を利用した不当な所得移転により租税回避をしているとした場合には、その海外子会社等の所得を日本の親会社の所得に合算して課税する、外国子会社合算税制(以下「タックスヘイブン対策税制」)が設けられています。タックスへイブン(Tax Haven)とは、「税の回避地」の意味で、税負担がない或いは所得税率が非常に低い国・地域をいいます。


図1は、タックスヘイブン対策税制による合算課税の仕組みを示したものです。
この例で、日本の親会社は1,000の所得のうち600を軽課税国にある子会社に移すことにより税金を160に抑えようとしましたが、タックスヘイブン対策税制の適用を受けた結果、移転した所得600を合算され、結果的に1,000の所得に対し課税されることになりました。この場合、外国子会社が納税した税額99は親会社の税額から控除することにより所得600に対する二重課税が起こらないようにすることができます。

ここで、この税制の対象となる日本の法人及び居住者(個人)は、次の要件を満たす外国子会社などの発行株式等の10%以上を直接及び間接に保有するものです。
①所得に対する税の負担率が20%以下の国・地域(以下、軽課税国)にある。
(これに該当するアジアで代表的な国・地域に、香港とシンガポールがあります)
②日本の法人及び居住者に、発行株式等の50%超を直接または間接に保有されている外国法人。
例えば図2のケースでは、日本A社及び個人Bが対象になり、合算される子会社Dの所得はそれぞれの持分割合に応じた所得となります。

ただ、実際のビジネス上の理由で軽課税国に子会社などをもつ場合にもこの税制の対象になってしまっては、租税回避防止の趣旨から外れることになるため、
次の基準を満たす場合には、タックスヘイブン対策税制は適用されません。
①事業基準、②実体基準、③管理支配基準、④所在地国基準もしくは非関連者基準
これらの基準については次回説明します。

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[国際税務] タックスヘイブン対策税制 その1 from 香港・中国・東南アジア法令情報サイト NAC Global .NET