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前回に引続き、移転価格税制の概要を説明します。

国外関連者

移転価格税制は、企業と国外の関連者間の取引を対象とするものですが、取引相手が国外関連者か否かの判定は、資本関係や実質的な支配関係により行われます。具体的にはその企業が所在する国の税法により定められていますが、資本関係は持分割合が一定以上(50%以上、25%以上など)である場合、実質支配関係は役員の派遣などにより取引相手の企業を実質的にコントロールできる関係にある場合などをいいます。

独立企業間価格の算定方法

国外関連者との取引価格(移転価格)が、同様の取引を第三者間で行なった場合の価格(独立企業間価格)と差があることで所得が減少する場合に移転価格税制の適用を受けることから、移転価格と比較する独立企業間価格をどのように算定するかが重要となります。
独立企業間価格の算定方法には、独立価格比準法(棚卸資産の価格を直接比較し算定するため、比較対象の棚卸資産に高い類似性が求められる)、再販売価格基準法や原価基準法(第三者間取引の売上総利益率から算定し、売り手と買い手の果たす機能の類似性が求められる)など多くの方法があります。ここでは、比較対象取引を抽出し易いなどの理由から実務で多く採用されている取引単位営業利益法(Transactional Net Margin Method:以下、TNMM法)を例に独立企業間価格の求め方を説明します。

TNMM法とは、国外関連取引による営業利益率が比較対象取引である第三者間取引による営業利益率と同水準であればその国外関連取引は独立企業間価格で行われたものとするというものです。
そのため、比較の対象とできる比較対象企業の選定が重要となり、この選定には、取扱製品、機能、リスクなどが類似している複数の企業を抽出するため、企業財務データベースなどを使用します。
機能とは、仕入、製造、研究開発など、企業がもつ役割のことで、リスクとは、在庫保有、品質、開発リスクなど、企業が負っている責任のことをいいます。

図1及び表1は、棚卸資産の購入が国外関連取引である場合のTNMM法を用いた独立企業間価格の算定方法の一例です。ここで、関連者Aの仕入価格600を比較対象企業の営業利益率20%をもとに再計算した結果、関連者Aのこの仕入における独立企業間価格は500と算定され、差額100が売上原価の過大計上となり税務調整の対象となります。

いずれの独立企業間価格の算定方法にも一長一短があり、会社の取引状況に最も適した算定方法の選択が重要です。

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