中国 企業所得税

[全訳] 外国企業常駐代表機構税収管理暫行弁法

国家税務総局
《外国企業常駐代表機構税収管理暫行弁法》の公布に関する通知
国税発[2010]18号(原文
2010年2月20日

各省・自治区・直轄市・計画単列市の国家税務局・地方税務局:

外国企業常駐代表機構の税収管理を規範化するため、税務総局は《外国企業常駐代表機構税収管理暫行弁法》を制定し、ここに発布する。遵守の上、実施されたい。実施中に発生した問題は速やかに税務総局(国際税務司)に報告すること。

国家税務総局
二○一○年二月二十日

外国企業常駐代表機構税収管理暫行弁法

第一条 外国企業常駐代表機構の税収管理を規範化するため、《中華人民共和国税収徴収管理法》(以下、「税収征管法」とする)及びその実施細則・《中華人民共和国企業所得税法》及びその実施条例・《中華人民共和国営業税暫行条例》及びその実施細則・《中華人民共和国増値税暫行条例》及その実施細則、及び関連税収法律法規に従い、本弁法を制定する。

第二条 本弁法でいう外国企業常駐代表機構とは、国務院の規定により、工商行政管理部門への登記または関連部門の批准を経て、中国国内に設立された外国企業(香港マカオ台湾企業を含む)及びその他の組織の常駐代表機構(以下、代表機構という)のことを指す。

第三条 代表機構はそれに帰属する所得について法により企業所得税を申告納付し、その課税収入について法により営業税と増値税を申告納付しなければならない。

第四条 代表機構は工商登記証書受領(または関連部門批准)の日より30日以内に、以下の資料を持参して、所在地主管税務機関に税務登記を申請しなければならない。

  1. 工商営業許可証の副本または主管部門の批准文書の原本及び写し
  2. 組織機構コード証書副本の原本及び写し
  3. 登記住所及び経営住所証明(所有権証・賃貸協議)の原本及びその写し自己所有不動産の場合、所有権証または買売契約等の合法な所有権証明の原本及びその写し賃貸した場所の場合、賃貸協議の原本及びその写し、賃貸人が自然人である場合さらに所有権証明の原本び及写し
  4. 首席代表(責任者)のパスポートまたはその他合法な身分証書の原本及び写し
  5. 外国企業による代表機構設立の関連決議文書及び中国国内に設立したその他代表機構リスト(名称・住所・連絡先・首席代表の氏名等)
  6. 税務機関の要求するその他資料

第五条 代表機構の税務登記の内容に変化が生じた場合、または駐在期限満了・業務活動終了の場合、税収征管法及び関連規定に従い、主管税務機関に変更登記または抹消登記を申請しなければならない。代表機構は抹消登記を行う前に、その清算所得を主管税務機関に申告し法により企業所得税を納付しなければならない。

第六条 代表機構は法律・行政法規・国務院財政・税務主管部門の規定に従い帳簿を設置し、合法・有効な記帳証憑により計算を行い、実際に履行した機能と負担するリスクによる比例配分の原則により、課税収入と課税所得額を正確に計算し、四半期終了の日より15日以内に主管税務機関に企業所得税・営業税を申告納付し、《中華人民共和国増値税暫行条例》及びその実施細則に規定した納税期限に従い、主管税務機関に増値税を申告納付しなければならない。

第七条 帳簿が不健全で、収入または原価費用を正確に計算できない、及び本弁法第六条の規定により申告できない代表機構については、税務機関は以下の2種類の方法により課税所得額を確定する権利を有する。

(一)経費支出による収入の換算:経費支出を正確に計測できるが収入または原価費用を正確に計測できない代表機構に適用する。

1. 計算公式:

収入額=当期経費支出額/(1-査定利益率-営業税税率)
企業所得税額=収入額×査定利益率×企業所得税税率

2. 代表機構の経費支出額とは:中国国内・外で支払われた従業員の賃金給与・賞与・手当・福利費・物品仕入費用(自動車・オフィス設備等の固定資産を含む)・通信費・出張旅費・賃料・設備賃貸料・交通費・交際費・その他費用等のことを指す。

  1. 固定資産の購入に発生した支出、及び代表機構の設立時または移転等の原因で発生した内装費支出は、発生時に一括して経費支出額として収入に換算して税金を計算しなければならない。
  2. 利息収入は経費支出額と相殺してはならない。発生した交際費は、実際発生額を経費支出額に計上する。
  3. 貨幣の形式で我が国国内の公益・救済性の贈与・滞納金・罰金、及び総機構のための立替払いは業務活動により発生した費用には属さず、代表機構の経費支出額とすべきではない。
  4. その他費用とは、総機構のために中国国内から購買したサンプルのためのサンプル費用と運輸費用のことを指す。例えば、国外のサンプルを中国に運送することで発生した中国国内の倉庫費用・通関費用、総機構の従業員が中国を訪問した場合の通訳費用、総機構が中国のプロジェクトに入札するため代表機構より支払った入札書類購買のための費用、等。

(二)収入総額により確定する課税所得額は:収入を正確に測定できるが、原価費用を正確に測定できない代表機構に適用する。

計算公式:

企業所得税額=収入総額×査定利益率×企業所得税税率

第八条 代表機構の査定利益率は15%を下回ってはならない。査定徴収方式を採用した代表機構が、健全な会計帳簿を設置し課税収入と課税所得額を正確に計算することができる場合、主管税務機関に備案し、申告方式に変更することができる。

第九条 代表機構に発生した増値税・営業税の課税行為は、増値税と営業税の関連法規に従って税金を計算納付する。

第十条 代表機構が租税条約の待遇を享受する必要がある場合、租税条約及び《国家税務総局 〈非居民享受租税条約待遇管理弁法(試行)〉公布に関する通知》(国税発[2009] 124号)の関連規定に従い処理し、本弁法第六条に規定する期限に従い納税申告を行う。

第十一条 本弁法は2010年1月1日より施行する。

元の規定が本弁法に抵触する場合、本弁法を基準とする。《国家税務総局 外国企業常駐代表機構徴収管理強化の問題に関する通知》(国税発[1996]165号)・《国家税務総局 外国企業常駐代表機構の徴収管理問題の通知》(国税発[2003]28号)及び《国家税務総局 外国政府等が我が国に設立した代表機構の免税審査手順の問題に関する通知》(国税函[2008]945号)は廃止し、各地で代表機構の企業所得税免税申請を以後受理せず、本弁法の規定に従ってすでに免税を許可した代表機構の清算を行う。

第十二条 各省・自治区・直轄市・計画単列市の国家税務局と地方税務局は本弁法の規定に従い具体的なガイドラインを制定し、国家税務総局(国際税務司)に備案すること。