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香港でも中国でも、ほとんどの企業は12月で会計年度が終了し、決算を迎えますね。決算をまとめるには通常会計ソフトを使いますが、便利なだけ に、集計・再計算過程がブラックボックス化してしまい、財務諸表から取引をイメージできなくなる恐れがあります。そこで今回は、身近なExcelの「ピ ボットテーブル機能」を使って、仕訳から財務諸表ができる仕組みを「見える化」してプロセスを確認してみましょう。



Excelを開いて空白のシートを1つ用意し、A1セルから左へ順番に、科目番号、科目名、金額、の3つの見出しをつくります。ここでは単純化のために、仕訳のシンプルな、商社さんを想定して仕訳を入力していきます。借方はプラス、貸方はマイナスで金額を入力します。仕訳に自信のある方は固定資産や減価償却なども入れてみてください。

(仕訳の例)
concierge200812-01
仕訳の入力が完了したら、データ範囲をマウスで選択して、[データ]、[ピボットテーブルとピボットグラフ]、をクリックします。特に変更なく[次へ]を押していくと、新しいシートにピボットテーブルが作成されます。行のフィールドに科目番号と科目名を、データアイテムに金額を、それぞれドラッグしましょう。さらに、科目番号を昇順に並び換えると見やすくなります。

(ピボットテーブルの例)
concierge200812-02
ピボットテーブルの機能は、縦軸と横軸を交差させたデータの集計ができる点で、通常の集計機能と異なります。ここでは横軸に何も取りませんでしたが、見出しに「月」を追加して横軸に時系列を取って集計する、といった使い方も可能です。

こうして集計された表のことを、会計では「残高試算表」と呼びます。科目番号がきちんと入力されていれば、B/S科目を先頭にして順番に並べられるはずです。総計がゼロになっているのは、仕訳がきちんと切れて貸借が合っている証拠です。

さて、当期の仕訳から作成した残高試算表を眺めてみて、何が分かるでしょうか?B/S科目の部分(10~40)は当期のB/S変動分、P/L科目の部分(50~70)は当期のP/Lそのもので、2つの部分の差は利益です。前期末のB/Sに当期のB/S変動分を加えたものが、当期末のB/Sとなります。

残高試算表 = 当期P/L+ 当期B/S変動分


前期末B/S + 当期B/S変動分 = 当期末B/S

つまり、P/Lは当期の仕訳のみから作成でき、比較的理解しやすい財務諸表ですが、B/Sは当期の仕訳と前期までの仕訳が累積されたもので、作成までにP/Lよりも多くの情報と手続を必要とします。

ここまで仕組みを確認できたら、監査人の質問があったときは冷静に財務諸表作成のプロセスを振り返ってみることをおすすめします。第一に、証憑となる資料から仕訳を起こす段階。第二に、仕訳から残高試算表が作成される段階。第三に、残高試算表からP/LとB/Sが作成される段階です。

例えば、売上高や費用について質問があったときは当期の仕訳と証憑を調べれば全てのことが分かりますが、売掛金や買掛金、在庫について聞かれたときは過去から当期までの仕訳と証憑に関係がある可能性があります。

非常に基本的なことですが、今年の監査が始まる前に一度、簡単に試せるExcelの機能を使って財務諸表作成のプロセスを確認してみてはいかがでしょうか?

(以上)

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