BVI
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British Virgin Island(BVI)法人を管轄する会社法の改正について
2004 年に制定された BVI会社条例が、2023年1月1日に改正されました。この度の改正は、現在活動中の BVI 法人、及びストライクオフ(解散)状態にある全ての BVI 法人に適用されます。
改正の目的は、透明性とマネーロンダリング対策という点で、国際基準を遵守するという BVI のコミットメントを反映した実施となります。主な改正点を以下にまとめております。
登記簿に記載される役員名の検索
一般の市民が、会社名から検索して、現在の取締役名簿を入手することができるようになります。 検索にかかる手数料は未定です。取締役名以外の情報(元取締役、取締役の住所や国籍など)については、一般には公開されない予定です。
任意清算人
今回の改正では、任意清算人の資格要件も定めています。 任意清算人は、180 日以上 BVI に物理的に滞在している BVI 居住者である必要があります。清算会社に関連する資格や経験を有しているなど、一定の条件を満たす必要があります。清算人は、清算終了時に、会社が保管している会計記録および書類を回収し、その写しを登録代理人に送付する必要があり、 登録代理人は、これらの記録を受領した日から少なくとも 5 年間保管する必要があります。
無記名株式
本改正により、無記名株式制度は廃止されます。
会計記録、年次申告書
会社は、年に一度、会社の会計年度または財務年度終了後 9 ヶ月以内に、一定の財務情報を記載した年次報告書を登録代理人に提出しなければならなくなります。この年次報告書の形式と含まれるべき情報は、まだ決定されていません。 年次申告書は公開されませんが、 登録代理人は年次報告書を保管し、期限内に年次報告書を提出しなかった会社について登録機関に通知が義務付けられます。違反した場合、罰則が課せられます。
ストラックオフ/解散状態
年会費を適時に支払わない会社は、年会費の支払期日から 2 ヵ月後に 90 日間の予告期間をもって解散となります。 登録機関は、その登録代理人を通じて会社に通知します。登録代理人は、抹消された会社が登録機関により解散されるまでは、会社の適切な記録とデューディリジェンスを維持する必要があります。解散した会社は、要件を満たせば 5 年以内に登記所または裁判所を通じて復権を申請することができます。
裁判所を通じての復権
会社が解散した場合、以下の条件を満たせば、裁判所に復権を申請することができます。
- 会社が会社法に基づく任意整理または倒産法に基づく清算により解散した場合。
- 解散の日において、会社が事業または運営を行っていなかった場合。
- 復権の目的が、会社名義で、または会社に対して法的手続きを開始、継続または中止する為、或いは王室に帰属した会社の財産が会社に返還されるよう申請する為である場合。または
- 登録機関への申請が不可能であり、かつ、正当かつ衡平であるとみなされるその他の場合。
経過措置
本改正の発効日に抹消されている会社は、本法の発効日から 6 ヶ月以内に復帰することができます。ただし、旧法で認められた期間の方が早い場合は、早い方の期間が適用されます。 抹消会社が 6 ヶ月以内に復活しなかった場合、その期間の終了日の翌日に解散したものとみなされます。 既に解散した会社は、発効日から 5 年以内に裁判所へ復活を申請することができます。
重要な支配力を持つ人物の登録
今回の改正では、「重要な支配力を持つ人物の登録簿」の基本的な枠組みが確立されました。しかし、BVI 当局によると、この規定は、国際標準として同様の登録簿が確立されるまで実施されない見込みであるとのことです。今後、登記簿に記載される情報や、企業がその情報を記録し、登記簿に送信して保管する義務などの詳細が、新たな法律の形で実施される予定です。
料金調整
一部の当局の登録料が調整されます。