2016-01-29掲載記事
中国の会計年度が終了して、これから前年度の決算監査や年度手続が開始されます。会計事務所からは、現地法人の決算について監査報告書が発行され、出資者やその他関係者へ一年間の経営実績や財務状態が報告されます。今回は、この監査報告書に書かれる内容について紹介します。
■ 監査報告
企業決算の監査を行った責任者による、監査実務や企業財務諸表に対する総括が「監査報告」として表される。監査報告の部分は、1ページから2ページ程度であることが一般的となり、監査報告書全体で最も重要な部分であるとも言える。監査報告書全体の様式については、地域や会計事務所により異なるが、監査報告については、監査準則で厳格に定められているため、外形的には同一の形式になることが一般的である。なお、監査準則で決められた監査報告に欠かせない主な内容は以下のようである。
① 標題(「審計報告(中国語)」と表記することが義務付けられている) ② 報告先(一般的には出資者宛である) ③ 導入部(監査対象の財務諸表が示される) ④ 企業や公認会計士の責任と義務 ⑤ 監査意見 ⑥ 会計事務所印や監査人署名 ⑦ 報告日 |
中国の会計規定に基づいた決算が行われ、財務諸表に売上や資産等が適切に反映されているか否かに対して、監査人が状況を判断して総合的な意見を表明する。中国の監査準則では、4種類の監査意見が用いられる。
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