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これまで数回にわたって中国の組織再編の手続き実務について解説しましたが、組織再編を考慮するうえで税制上の取扱いを理解することは非常に重要です。

2009年4月30日付で公布された財税[2009]59号「企業再編業務における企業所得税処理の若干の問題に関する通知(2008年1月1日に遡って適用)は、組織再編税制における企業所得税の原則的通知であり、この通知により組織再編に関する企業所得税の取扱いが明確化され、関連通知が現在まで公布されたことにより、持分譲渡時の取引価格の合理性や組織再編により中国国外企業を含む企業が納付すべき税金についても、厳格に管理されています。今回は企業所得税法の規定に戻って、基本を確認しながら企業再編時の課税に関して概要を解説します。

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日本親会社のグループ再編に伴い生じる中国現地法人同士の合併、事業部ごとに有していた中国現地法人の事業効率化を目的とした合併等、中国事業統合手法として合併を利用する会社は、一定規模の会社を除いて、いまだ多いとはいえません。これは中国での実務上の不明点が今もなお存在しているため、合併という手法を選択しないという現状があるのかと思われますが、合併に関する法制度は基本的には明確にされており、企業所得税法が改正され、企業再編にともなう税制上のメリットを考慮することが可能となった今、中国事業統合手法として合併を利用する企業も増加してくるものと考えます。

今回は中国における企業統合としての合併の実務に関して解説します。

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組織再編の一環として、組織統合、事業撤退により現地法人を清算する場合、中国では固定資産や在庫、債権債務等の処理に関する手続きの進め方、税務上の取扱い、残余現金の処分など、中国ならではの特殊な論点が多く存在します。

中国における外商投資企業の清算は大きく分けて下記の3パターンですが、今回は、再編に絡んで最も多い通常清算について解説します。

  • 企業が自ら清算委員会を設立して清算を行う通常清算
  • 事情により清算委員会を自ら設立できず、通常の清算手続きを通じて清算を行うことが難しい場合に政府主導で行う特別清算
  • 債務超過により債務弁済ができない場合の破産

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組織再編のなかでもこの数年多いのが、中国現地法人の持分譲渡です。

この持分譲渡は、

  1. 中国法人の買収、売却、
  2. 中国現地法人への増資による資本参加、
  3. グループ香港法人を中国現地法人の統括会社として変更
等々を起因としますが、いずれも現地法人の出資会社または出資比率が変更することになるため、これに伴い、中国では当局への持分譲渡手続きが必要となります。

今回は、日本企業が100%出資している中国現地法人の出資持分を香港法人に譲渡する場合の持分譲渡について、注意点等を解説します。

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輸出を中心に経済成長をしていた中国は世界の最大の市場へと移り変わり、独資形態での進出のしやすさや金融危機後の更なる中国進出による生産販売拡大等、経済環境の変化、規制緩和等により、近年組織再編を検討している会社が増加しています。さらに円高が恒常的に続く中、円高を有効活用するため、日本政府は日系企業による海外企業のM&Aのための融資枠を確保するという動きがあり、組織再編は今後さらに加速していくと思われます。
今回から、中国の組織再編をテーマとして数回にわたって解説します。

第一回は、駐在員事務所から現地法人への組織変更についてです。駐在員事務所に対する規制強化や、実態として営業活動をしていることに対するコンプライアンス面の考慮から、駐在員事務所から他の形態へと組織変更をする動きがこの数年活発です。実務上、駐在員事務所から販社への組織変更という形態が多いため、以下、駐在員事務所から現地法人(販社)設立という流れを前提として解説します。

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