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 主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。今回は小規模納税人企業の増値税に関する取引の会計処理を取り上げます。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1. 小規模納税人


 増値税の納税義務者は、一般納税人と小規模納税人に分けられており、小規模納税人は、売上規模が比較的小さい、一般納税人の申請の必要のない納税人です。一般納税人資格を取得するためには、物品生産または課税サービス提供に従事する納税人は50万元(交通運輸及び一部の現代サービス業は500万元)、その他の事業は80万元という年間課税売上高の基準を超える場合と定められていますが、年間課税売上高が基準額を超えない場合や新規開業の場合であっても、主管の税務局で一般納税者の資格認定を申請することができます。
 小規模納税人の増値税納税額の計算は、取引額に徴収率(現行3%)を乗じて計算する簡易方法が採用されます。小規模納税人の売上には増値税額を含まないものとし、販売価格が税込である場合には税込販売額を1+徴収率で除して税抜売上を計算します。
 なお、小規模納税人は税込額が記載される普通発票しか発行することができません。以前に紹介したとおり、取引の相手方が増値税納税額計算上、売上税額から控除することが可能となる専用発票は、所轄の税務機関で代理発行してもらうことになります。この場合の仕入控除対象となる増値税額も3%で計算され、専用発票に記載されます。
(注)年間課税売上高とは、「連続する12カ月を超えない経営期間内の累計売上高を含み、免税売上高を含む」とされています。

2. 小規模納税人の会計処理

 上述の通り、仕入税額の抵扣(控除)ができませんので、商品の仕入やサービスの提供を受けたことにより支払った仕入税額は、直接原価に計上します。このため、小規模納税人は、売上に対する3%の税額を負担するとともに、仕入税額部分もコストとして負担することになります。
 小規模納税人の場合、増値税に関する会計処理自体は一般納税人に比べると単純で、応交税費―応交増値税(未払税金―未払増値税)」という科目のみを使用し、「応交税費―応交増値税・進項税額(未払税金―未払増値税・仕入税額)」や「応交税費―応交増値税・進項税額転出(未払税金―未払増値税・仕入税額振替)」といった増値税の納税額を計算するための明細科目の設置は必要ありません。なお、一般的に小規模納税人は小企業会計準則を採用しているものと考えますが、以下の会計処理は企業会計原則を採用している場合でも同様です。

<例46>卸売業を営むX社は、増値税の小規模納税人である。中国国外との取引はない。
① 今月より商品Aの販売を開始し、商品Aを500個仕入れた。受領した増値税専用発票に記載された金額は商品代50万元、増値税額8.5万元であった。
借: 庫在商品(商品)-A    585,000
 貸: 応付チョウ款          585,000
② 商品A100個を中国国内のZ社に20.6万元(税込)で販売した。
借: 応収チョウ款          206,000
 貸: 主営業務収入            200,000
    応交税費―応交増値税       6,000
   (未払税金―未払増値税)
借: 主営業務原価         117,000
 貸: 庫在商品(商品)-A      117,000
③ 今月の取引は①および②のみである。翌月に増値税を納税した。
借: 応交税費―応交増値税    6,000
    (未払税金―未払増値税)
 貸: 銀行存款(銀行預金)      6,000
(注)応付チョウ款および応収チョウ款のチョウは貝ヘンに長
売上計上額: 販売額206,000÷(1+3%)=200,000元

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