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主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。今回も増値税に関する取引の会計処理を取り上げます。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1. 輸出取引における増値税の還付

輸出還付の方法は、生産企業(製造会社)と非生産企業(販売・貿易会社)とでは異なることは前回触れました。その方法は以下の通りです。なお、輸出還付請求が一定の期間内に行われない場合には、国内販売が行われたものと見なされ、免税の適用を受けられないことになります。
(1) 先徴後退(先徴収後還付)方式
◇還付額=仕入増値税額×還付率

非生産企業の場合は、国内仕入と輸出が対応するため、仕入増値税に対し還付率を乗じて還付額を計算します。例えば、国内仕入1,000万元(増値税率17%)した商品を、2,000万元で輸出(還付率13%)した場合の輸出時の還付額請求は、1,000万x13%=130万元となり、仕入時の増値税170万元との差額40万元は企業が負担することになります。会計処理は前回の<例44>に示した通りです。
(2) 免抵退税(免除控除還付)方式
◇還付(納付)額=売上増値税額-(仕入増値税額+控除不能仕入税額)
輸出商品に対する仕入増値税額は、まず、国内売上増値税から控除し、控除しきれない場合に還付するものとなります。

生産型企業の場合、国内で調達する原材料などが製品として形状を変えて輸出される事となるため、仕入増値税額と輸出製品を一対一で対応させる事ができません。このため、輸出FOB価格を元に、還付請求不能とする「控除不能仕入税」額を算出し、これを限度に仕入増値税の還付を行う方法が採られています。
控除不能仕入税額=(輸出FOB価格-免税仕入原材料部品額)×(徴収率-還付率)
例えば、2,400万元(輸出FOB)で輸出、徴収率17%、還付率15%、免税仕入なしの場合、免除控除還付の対象額は2,400万元×15%=360万元、控除不能仕入額は、2,400万元x(17%-15%)=48万元となります。
<例45>増値税の一般納税人であるC社は、中国国内で調達した原材料を使用して自己が生産した製品を日本に輸出するとともに国内で販売している。
① 今月の売上総額2700万元で、うち国内販売300万元(増値税率17%)、輸出売上2400万元(輸出FOB価格は2400万元)であった。
借: 応収チョウ款(売掛金)               27,510,000
   貸: 主営業務収入                    27,000,000
      応交税費―応交増値税・銷項税額
    (未払税金―未払増値税・売上税額)        510,000
② 今月認証された仕入増値税額は145万元である。月末に計算したところ、控除不能仕入額48万元、還付税額46万元と算定された。
借 :主営業原価                      480,000
  貸: 応交税費―応交増値税・進項税額転出
    (未払税金―未払増値税・仕入税額振替)      480,000
借 :其他応収款―応収出口退税
(その他未収金―未収輸出還付税金)              460,000
応交税費―応交増値税・出口抵減内銷産品応納税額
(未払税金―未払増値税・輸出相殺国内販売要納税額) 3,140,000
 貸: 応交税費―未交増値税・出口退税
     (未払税金―未払増値税・輸出還付)            3,600,000
(注)応収チョウ款のチョウは貝ヘンに長
還付税額:売上増値税51万-(仕入増値税145万-控除不能仕入額48万)=46万元
「輸出相殺国内販売要納税額」及び「未払増値税・輸出還付」:この明細科目は、増値税の輸出還付申告書に記載を要する金額であり、申告書との照合のためには、この会計仕訳処理が必要となります。

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