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 主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。今回も引き続き原価及び費用項目のうち、原価について紹介します。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1. 成本(原価)

 前回も紹介しましたが、中国では原価と費用は二つの並行する概念で、企業会計準則の規定においては、「費用」や「棚卸資産」の項目で以下のように定義づけられています。

◇企業の製品の生産、役務の提供等のために発生した製品原価、役務原価等に帰属させることのできる費用については、製品の売上、役務収益の認識時点において、販売した製品原価、提供した役務の原価を当期の損益に計上しなければならない。
◇外部購入の購入原価は、購入価格に関税、運送費、荷役費、保険料およびその他直接資産の購入に要した費用を含めたものをいう。
◇棚卸資産の加工原価とは、棚卸資産の加工の過程で発生する追加費用(直接人件費および一定の方法で配賦される製造費用を含む)をいう。
◇製造費用とは、企業が製品を生産及び役務を提供するために発生する各間接費用をさす。企業は製造費用の性質に基づき、製造費用の配賦方法を合理的に選択しなければならない――。

 すなわち、費用から一定の対象物に集約された支出として分類されたものが原価ということになります。

2. 原価の会計処理

 製造業が生産する製品の原価は、生産の過程で生じる直接費用および製造費用によって構成されます。製品製造過程において直接発生する材料、燃料、製造に直接携わる人員の給与・福利費などの人件費、外注加工費などは「生産成本(製造原価)」科目に明細科目を設定して使用します。工場の管理人員の人件費、消耗品、資産の償却費などは「製造費用」科目に明細科目を設定して使用します。製造費用は期(月)末に生産品原価科目に振替えます。
 原価類に属する科目は、上記の他にサービス業で使用する「労務成本(役務原価)」や、研究開発による無形資産の形成過程で原価の集計に使用する「研発支出(研究開発支出)」、請負工事で発生する原価を集計する「工程施工(工事施行)」などの科目があります。
<例32> 3月は製品Aと製品Bを製造した。この製品製造に関する資料は以下の通りである。
材料:Z材料4500㎏(単価100元) A製品1500㎏、B製品3000㎏をそれぞれ使用
直接人件費:60,000元 1時間当たりの工員の標準給与20元、A製品8000時間、B製品10000時間
製造費用:実際に発生した管理人員の給与、減価償却費、水道光熱費について工員の実際稼働時間に比例して配分する方法を採用している。
 ①製造費用の計上
 借:製造費用  180,000
    貸:応付職工薪酬(未払給与) 50,000
       減価償却費         40,000
       水道光熱費         90,000
 ②製品完成時
借: 生産原価(売上原価)―A製品 390,000
                ―B製品 600,000
    貸: 原材料―Z材料       450,000
       応付職工薪酬(未払給与)  360,000
        製造費用           180,000
 ③倉庫入庫時
借:庫存商品(在庫商品)―A製品 390,000
                ―B製品 600,000
    貸:生産原価(売上原価)―A製品 390,000
                   ―B製品 600,000

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