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主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。前回に続き、商品販売収益について説明します。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1. 商品販売収益の認識の具体例

商品販売収益の認識時点は、前回説明した5つの条件を満たす時ですが、以下の商品販売については認識時点が規定されています。
一.委託取立て方式の場合― 取り立て手続完了時。
二.前受方式の場合― 出荷時に収益を認識し、前受代金を負債計上します。
三.据付および検収を要する場合― 据付と検収の完了時。但し据付工事が比較的簡単な場合には、出荷時に収益を認識することも可能です。
四.新旧交換方式の場合― 商品販売の収益認識条件に基づき認識し、回収商品は商品仕入れとして処理します。
五.手数料方式による委託代理販売の場合―代理販売清算書の受領時。

2. 商品販売の記帳処理

商品販売などの企業の主たる業務により獲得した収益は、「主営業務収入(売上)」科目を用います。この科目は、主営業務の種類ごとに明細科目を設置して使用することができるとされています。なお、企業会計準則では損益計算書上「主営業務収入(売上)」と「其他業務収入(その他業務収益)とは区分せず、営業収入にまとめて表示されることになります。
商品販売収益の認識条件に合致する場合には、収益の認識と同時に「応収チョウ款(チョウは貝へんに長)(売掛金)」や「応収票据(受取手形)」、「銀行存款(銀行預金)」などを認識することとなります。なお、棚卸資産(第16回)で説明した通り、商品を外部に販売したときには売上原価の記帳も同時に行うことになります。また、商品販売取引は、原則として増値税の課税対象であり、商品販売収益の記帳と同時に増値税の記帳処理も行います。

3. 現金割引などがあった場合の売上金額と記帳処理

 売掛金(第23回)で説明した通り、割引や値引きなどが行われた場合には、これを考慮しなければなりません。
一.現金折コウ(コウはてへんに口:現金割引)があった場合― 現金割引とは、所定の期間内に代金が支払われる場合の債務の減額をいい、現金割引前の金額により商品販売収益の金額を確定します。割引額は実際の発生時点で財務費用として処理します。
二.商業折コウ(商業割引)があった場合―  商業割引とは、販売奨励のために商品の価格を減額することをいい、商業割引を控除した後の金額により商品販売収益の金額を確定します。
三.ショウシュウ折譲(ショウは金へんに肖、シュウはふるとりの下に口:販売値引き)またはショウシュウ退回(販売返品)があった場合― 値引きまたは返品は、企業が販売した商品の品質不良などに起因し販売価格を減額することや返品が生じることをいい、年度を跨ぐ場合を除き、発生時期における商品販売収益と相殺するのが一般的です。

<例29> A社はB社と商品2,000個(売価@500元、増値税率17%、原価@350元)の売買契約を締結した。
①7月4日に商品を送り届け、増値税専用発票を発行した。
借: 応収チョウ款(売掛金)     1,170,000
貸: 主営業務収入(売上)       1,000,000
応交税費-応交増値税・進項税額  170,000
(未払税金-未払増値税・仕入税額)
借: 主営業務成本(売上原価)     700,000
貸: 庫存商品(在庫商品)      700,000

②8月8日に品質不良で20個返品され、増値税の紅字発票(取消用)を発行した。
借: 主営業務収入(売上)      10,000
応交税費-応交増値税・進項税額 1,700
(未払税金-未払増値税・仕入税額)
  貸: 応収チョウ款(売掛金) 11,700
借: 庫存商品(在庫商品) 7,000
貸: 主営業務成本(売上原価) 7,000

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