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主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。今回から損益項目に入ります。まずは営業収益の主である商品販売収益の計上について説明し、次回以降、使用する具体的な科目や記帳処理を説明します。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1. 収入(収益)の計上

企業会計準則においては、「収益とは、企業の通常の活動において形成し、所有者持分の増加をもたらす、所有者の払込資本に関係しない経済的利益の総流入を指す」とされており、損益計算上の「営業収入」に該当します。「通常の活動」とは、企業が経営目的を達成するために従事する経常的な活動及びそれに関連する活動であり、例えば製造企業が無形資産の使用権を譲渡することや不必要な原材料等を売却することは経常的な活動であり、譲渡による経済的利益は収益を構成することになります。一方、企業が有形固定資産を処分することは関連する活動には該当しないため、売却による収益は「営業外収益」として認識することになります。
収益の計上については、商品販売、役務提供、資産使用権の譲渡、工事契約など収益の分類ごとにそれぞれその認識条件が定められ、それぞれその定められた条件のすべてを同時に満たすことが収益を認識して計上できる要件とされています。

2. 商品販売収益の認識

商品販売については、◇商品の所有権上の主要なリスクと経済価値が買手に移転していること◇所有権に関連する継続的な管理権を留保していないこと◇収入金額の算定に信頼性があること◇経済利益が企業に流入する可能性が高いこと◇関連する原価が信頼性をもって測定できること――が求められています。販売収益の計上にあたっては、まずこの5つの条件に合致しているかを検討し、買い方に確実な所有権証憑を提供しなければなりません。
通常の商品販売では、商品の交付と代金の取立て・支払承諾が同時に行われますが、売り方が所有権証憑を発行し、買い方が代金を支払った後に商品を発送する方式による商品販売では、買い方に実際に商品は引き渡されていなくても、所有権上の主要なリスクと経済価値は買い方に移転したものとなり、商品の所有権証憑を発行し、支払いを受けた時に収益認識することになります。
中国の収益認識は俗に「発票(ファーピャオ)基準」とも言われ、売上に伴い発行する増値税(※注)の「発票」が、売買取引が行われたことを示す法律上有効な証憑であり、所有権証憑ともなるため、代金を回収し、発票を発行したら売上計上するという実務が多く行われていたことも事実ですが、本来は収益認識時に発票を発行すべきものです。なお、発票の発行管理は厳格に行われ、訂正や取消の手続きが難しいことから、返品や不合格品などが確定し、数量や金額がより確実となる検収基準によるのが一般的です。

(注) 増値税とは、日本の消費税に相当する税金で、物品の販売やサービスの提供、物品の輸入などに課税されます。売上増値税(仮受消費税に相当)から仕入増値税(仮払消費税に相当)を控除して納税額を算出します。販売時に発行する「発票」は、英語表記ではinvoiceとなっており、商品の価格や増値税額などが明記された納品書であり、販売側の増値税の納税義務を示すものとなります。

3. 商品販売収益の金額

商品売買収益の金額は、契約または合意の金額の公正価値で計上しなければなりません。通常は契約等の金額が公正価値となりますが、分期収款(割賦)方式による販売のように、実質的に融資としての性格を有しているような場合には、その割賦対価を現在価値に基づいて公正価値を計算し、割賦対価と公正価値との差額は契約期間にわたって財務費用と相殺していくことになります。

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