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主要な経済取引にかかる会計科目に関する記帳処理などを紹介していきます。今回は固定資産(有形固定資産に限定されています)の処分および期末処理について説明します。紹介する内容は、基本的には企業会計準則(新準則)に基づきます。

1. 固定資産の処置(処分)の会計処理
 固定資産が企業の生産経営の過程において、使用に適しなくなったり、不要となったりした場合には、廃棄や売却といった処分を行います。処分対象となった固定資産は、「固定資産清理(固定資産処分)」という科目に振替えて、当該科目を用いて処分に関係する会計処理を行い、最終的に処分収益から処分費用を控除した後の金額を当期の営業外損益として計上するものとなります。

ここでいう、中国の「営業外損益」は、企業の日常の経営活動とは直接関係しない収益および支出が計上される項目で、日本の損益計算書の経常利益項目ではなく、特別損益項目に相当します。

<例10>
① 工場が水害に遭い、生産設備A(取得原価50万元、減価償却累計額36万元)が使用不能となった。
借: 固定資産清理(固定資産処分) 14万
   累計折旧(減価償却累計額) 36万
貸: 固定資産 ―生産設備 50万

② 処分費用として2万元を支払った。
借: 固定資産清理(固定資産処分) 2万
貸: 銀行存款(銀行預金) 2万

③ 保険金15万元の支払いを受けた。
借: 銀行存款(銀行預金) 15万
貸: 固定資産清理(固定資産処分) 15万

④ 廃棄処分による損益を計上する。
借: 営業外支出 ―処置非流動資産損失 1万
貸: 固定資産清理(固定資産処分) 1万

2. 固定資産の清査(実地調査)による会計処理
固定資産は定期的な清査(実地調査)が必要とされ、最低でも期末に実地棚卸を行わなければなりません。実地調査で生じた固定資産棚卸差損益については、棚卸資産と同様に「待処理財産損益(未処理財産損益)」科目に計上し、董事会などの権限機構の承認手続きを経たうえで、当期損益に計上するものとなります。

3. 固定資産の減損処理
企業会計準則では、 「資産の減損とは、回収可能価値がその帳簿価格を下回ることを指す」と定義されており、固定資産についても、貸借対照日には減損テストを行い、結果として減損が認められた場合には、「資産減値損失(資産減損損失)」を計上するとともに、「資産減値準備(減損損失引当金)」を計上しなければなりません。減損処理後の減価償却は、会計上は減損後の金額と残存使用可能期間を基礎として調整しますので、税務上の償却限度と相違することとなります。

なお、確定した減損損失は以降の会計期間において戻し入れを行うことはできません。

<例11>
船舶B(帳簿価格150万元)は、期末の減損テストの結果、回収可能価額が105万元だった。
借: 資産減値損失(資産減損損失)-固定資産減値損失 45万元
貸: 資産減値準備(減損損失引当金) 45万元

小企業会計原則を採用している場合には、減損認識は行いません。

以上

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