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■ 発票とは何か?

赴任されたばかりの方や日本親会社の担当者から、発票とは何かとお問い合わせを頂くことがあります。一部の発票には『INVOICE』と印字されているため、英語から日本語や直訳すると「請求書」ということになります。

但し、業務に利用する工具を購入した際に取得する発票、タクシー利用後の降車前に発行される発票…、日々の業務や生活を考えると、対価を支払った後に発票を取得することが多く、会社での経費精算にも発票を利用することから、感覚的には「領収書」に近い場合も多くあるかと思います。

しかし、現地法人の企業活動では、製品出荷時(または製品検収時)の発票発行と一定期日後の売上金回収、或いは発票に基づく支払行為、といった状況もあり、金銭収受と発票に関連性がなく、対価領収証明書としては機能していない状況もあります

【法律上の定義】
発票とは、商品売買、役務提供や受益、及びその他経営活動において、発行や取得する金銭受払証憑である。
≪中華人民共和国発票管理弁法≫抜粋

法律条文からは、発票は金銭授受を証明する「領収書」と判断することが可能です(※1)。但し、上述のように対価受領前の発票発行といった事例も多く存在するため、発票を直接に日本語に置き換えることは諦め「商取引行為の実在証明書」と認識することが宜しいかと個人的には考えています。そして、発票という「取引証明書」は、取引の当事者間だけでなく、第三者へ取引実態を証明する書類として非常に重要な証憑となります。

■ 税金と発票

取引の存在を証明する発票ですが、取引を証明する主な相手は「税務局」と考えて下さい。企業所得税は、売上から原価費用を差し引いた利益に対して税金を納めますが、原材料購入や運送費等の一部支出に対して発票が取得出来ていない場合、税務局は商取引行為が存在しないと見做して原価費用の計上を認めない(利益が増える)ため、企業所得税の負担が増えることになります。また、増値税は、日本の消費税と同様に、商品購入やサービス受益の対価として税金を支払いますが、当該支払増値税は、自社商品の売上時に納付するべき増値税額と相殺することが認められています。但し、発票取得がされていない場合には、増値税の支払事実が存在しないと判断され、支払った増値税は企業のコストとなってしまいます。「発票がないと経費精算は認めない」「早く発票をもらって下さい」等、会社の会計担当者から言われ煩わしく感じることがあるかも知れませんが、会社のためを思っての指摘ですので勘弁してあげて下さい。

※1:法律規定の文言上では、発票発行が金銭収受と認識されることがあり、売上債権回収における争議が発生する場合に不利益となる可能性もあるため、新規取引等では発票発行時期を慎重に検討されることをお勧め致します。

■ 発票の種類

皆様も中国での生活で発票に触れられているかと思いますが、レストランで発行される印字発票やタクシーの長い発票、或いは10元や20元等の固定額発票等、一口に発票と言っても、税目や取引商品(役務内容)、或いは発行地域により無数に種類があります。これら全てを覚えることは難しいので、日々の出張等における支出時には、書面上に「発票(中国語:发票)」の文字が印字されてあることの確認で十分かと思います。その上で、余裕があれば、税法で定められている発票要件としての以下内容が揃っているか否かを照合して下さい。

① 発票専用印の捺印
発票発行者の発票専用印章が捺印されていない発票は無効とされます
② 正式な会社照合の記録
 宛名(支払者)欄に不完全な名称や略称での発行が行なわれる場合、将来の税務調査等で不適切な発票と判断され、追納等を求められる可能性があります。

なお、税法規定では、発票ではない証憑が発票の代わりとして取り扱われる こともありますので、不明な場合には、会社の会計担当者や専門家へ確認されることをお勧め致します。

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