食品・流通大手の頂新国際グループによる、ケーブルテレビ(CATV)最大手、中嘉網路の買収案が固まったもようだ。台湾各紙によると、中嘉の株式6割を保有するMBKパートナーズと既に交渉を進めており、近く最終的な契約を結ぶ見通し。買収額は600億台湾元(約2,323億円)以上とみられ、実現すれば台湾の企業の買収・合併(M&A)では今年最大規模。頂新は傘下に3世代移動通信システム(3G)と第4世代移動通信システム(4G)網、ケーブルテレビ事業を抱えることになり、通信と情報、メディアの融合を目指す「デジタルコンバージェンス」で中華電信などの大手に肉薄することになる。

頂新は魏応州総裁らが持つ投資会社を通じて中嘉の株式を取得する計画とされる。経済日報によると、頂新はデジタルコンバージェンスの流れに合わせて、グループ傘下の通信会社、台湾之星(Tスター)に続き計118万5,000のユーザーを抱える中嘉のCATV事業を傘下に収める狙いといい、早ければ今週中にも買収を正式に発表するという。

中嘉をめぐっては、かねて食品大手の旺旺集団傘下で日刊紙「中国時報」などを発行する旺旺中時媒体集団が760億元規模での買収を計画していた。しかし国家通訊伝播委員会(NCC)が2012年、メディアの寡占化を防ぐためとして、旺旺傘下のニュースチャンネルの切り離しや非ニュースチャンネルへの変更などを買収条件に挙げたため旺旺側が反発。また旺旺集団の蔡衍明董事長が親中的な姿勢で知られることから、関係者の間で「言論の自由が脅かされる」との懸念が高まり、台北市で約9,000人が参加する大規模なデモが開かれるなどしたため買収は暗礁に乗り上げていた。

頂新の買収価格は旺旺を大きく下回るが、市場では「MBKが金額ではなく、取引のしやすさや背景などを重視して売却先を選んだ結果」とみられているようだ。経済日報は中嘉の買収により、頂新が通信最大手の中華電信や、台湾大哥大(台湾モバイル)とCATVの凱擘(kbro)を傘下に持つ富邦グループに続き、デジタルコンバージェンスで第3の勢力になる可能性があると伝えた。

中嘉の買収にはこれまで、旺旺、頂新のほかEMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手の鴻海精密工業、通信大手の遠伝電信(ファーイーストーン)などが名乗りを上げてMBKと交渉していたとされる。中嘉は今のところ身売りについて正式なコメントは出していない。

三立電視台(SETTV)などの報道によると、買収についてはさらにNCCや行政院公平交易委員会(公平会)、経済部投資審議委員会(投審会)など関連部門の認可を得る必要がある。また旺旺は買収期限の延長に当たり20億元を中嘉に支払っており、今後は頂新と中嘉、旺旺が落としどころをどう探るかも焦点となりそうだ。(NNA.ASIA

コメント:0

コメントフォーム
個人情報を記憶する

トラックバック:0

この投稿へのトラックバックURL
http://www.nacglobal.net/2014/08/%e9%a0%82%e6%96%b0%e3%80%81%ef%bd%83%ef%bd%81%ef%bd%94%ef%bd%96%e3%81%ae%e4%b8%ad%e5%98%89%e8%b2%b7%e5%8f%8e%e3%81%b8/trackback/
この投稿へのリンク
[M&A] 台湾・頂新、CATVの中嘉買収へ:600億元超、今年最大のM&Aに from 香港・中国・東南アジア法令情報サイト NAC Global .NET