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今回は輸出取引を行う一般納税人の増値税に関する主要な論点として、仕入税額の還付について説明します。輸出取引も増値税の課税対象取引となっており、その税率は0%となっています。

税率0%とは非課税と違い課税の対象であるため、輸出取引にかかる仕入増値税額は 売上増値税額から控除できます。そして輸出取引が国内売上と異なる点は、国内売上の場合、仕入増値税額が売上増値税額を上回る場合には、還付ではなく次期以降に控除額として繰り越されますが、輸出取引の場合には仕入増値税額の還付が認められています。そこでこの回では、一般納税人である生産型企業が輸出取引を行った場合の仕入増値税額の還付についてみていきたいと思います。

1「免除控除還付方式」

一般納税人である生産型企業が輸出取引を行う場合、増値税は「免除控除還付方式」により計算されます。

「免除控除還付方式」とは、輸出取引にかかる売上増値税は免除とし、輸出貨物にかかる仕入増値税額は国内売上増値税額から控除し、控除しきれない場合はその仕入増値税額を還付することをいいます。

また、還付されるのは、輸出比率(輸出売上高の全売上高に占める割合)が50%以上の場合で、50%未満の場合は翌月に繰り越されることになります。

2.納税額(還付税額)の計算方法

輸出取引を行った場合の納税額の計算は次のように行います。

①控除不能仕入税額=(輸出FOB価格-免税仕入原材料価格)×(徴収税率-還付税率)
②納税額=国内売上増値税額-(仕入増値税額-①)

当期の②納税額がマイナスでかつ輸出比率が50%以上の場合に還付の適用を受けることが可能となります。ただし還付額は(輸出FOB価格-免税仕入原材料価格)×還付税率を限度とします。

3.計算事例

では、次の2つのケースについて実際に計算してみましょう。(徴収税率17%、還付税率13%)

<ケース1>国内売上がなく、原材料輸入は免税の場合

生産企業Aは、輸出100%の企業で、免税の輸入原材料4,000元及び国内調達の原材料等
(仕入増値税額500元)により製品を生産し、国外に10,000元で輸出した。
国内取引 海外取引(直接輸出)
国内仕入(原材料等)
(仕入増値税額500元)
生産企業A
輸出FOB価格 10,000元
免税輸入原材料4,000元
<ケース1>の場合の納税額(還付税額)の計算
①控除不能仕入税額=(10,000元-4,000元)×(17%-13%)=240元
②納税額=0-(500元-240元)=△260元<(10,000元-4,000元)×13%=780元   ∴△260元(還付)
この場合、控除不能仕入税額240元は製造原価に参入されることになります。

<ケース2>国内売上があり、原材料輸入は免税の場合

生産企業Bは、免税の輸入原材料4,000元、国内調達の原材料等(仕入増値税額1,700
元)により製品を生産し、国内に15,000元で販売、国外に10,000元で輸出した。
国内取引 海外取引(直接輸出)
国内売上 15,000元
国内仕入原材料等(仕入増値税額1,700元)

生産企業B
輸出FOB価格 10,000元
免税輸入原材料4,000元
<ケース2>の場合の納税額(還付税額)の計算

①控除不能仕入税額=(10,000元-4,000元)×(17%-13%)=240元
②納税額=15,000元×17%-(1,700元-240元)=1,090元(納付)

この場合、控除不能仕入税額240元は製造原価に参入されることになります。

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